「忠君も何か運動したら？」

「う、うん」


ひょろひょろだからなめられるんだよ。
体力付ければ自信が付くはずなのに。


「え、何その点数。ちゃんと勉強してるの？」

「そ、そうだね」


運動がダメなら勉強が出きるようになって自信を付けなよ。

忠君への言動は段々エスカレートしていった。


「●●ちゃんて、本当に忠君のことが嫌いだよね」


みっちゃんに指摘された。


「……そう言う訳じゃ」

「えーそうなの？じゃなきゃあんなキツいこと言わないよ。だって忠君にだけでしょ？」


確かにそうだ。
忠君以外にはそんなこと言わない。
他の人がミスをしてもなよなよしていても、ヘコヘコしていても全くイライラしない。

忠君にだけイライラする。


「そのうち本当に嫌われちゃうよ？」

「……」


本当は大丈夫って言いたかった。
だけど現実はもうとっくに嫌われてるよ。

いつの日か忠君が月島君に話しているところを聞いちゃったから。


「◯◯さん、やたら山口に絡んでくるよね」

「う、うん。俺何かしたかな？いつも怒ってるし……ちょっと怖い」

「はは、女子のこと怖いとか、カッコ悪」


そのやり取りを陰から聞いて、私が忠君に取った言動のせいだって分かってはいるけど、内心傷付き落ち込みそのままの関係で私たちは小学生は卒業し、別々の中学校へ進学した。

今思えば、好きだからこそイライラしたり、強く当たっていたんだと思う。