〜第一章〜 私の専属へアスタイリスト
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~第一章〜 私の専属へアスタイリスト
学校の教室でとある人物を待つ私。
彼は春高と呼ばれる大会まで部活に残ると決めたらしく、朝練を終えてから他の生徒たちより遅く教室に入ってくる。
そろそろかな………あっ!
「東峰ー!おはよー、今日もお願い!」
「はいはい」
東峰とは高校3年間同じクラス。
1年生の家庭科の調理実習のときに同じ班になり、私の髪を結んでくれたのがきっかけで、そこから毎朝結んでもらうようになった。
東峰の席の隣の席に座り、背を向ける。
「◯◯もいい加減自分で結べるようになれよな」
「いいじゃん。奇跡的に3年間クラスが同じなんだし、これはもう結ぶ運命なんだよ」
別に凝った結び方ではない。
ハーフアップにサイドテール、1本結び。
たまにお団子にしてくれる。
これくらいなら私だってできる。
だけど、少しでも東峰に触れて欲しくて、あえてお願いしている。
「よし、できた」
「うん、相変わらず良い出来だね。ありがとう」
私は手鏡で髪の毛をチェックしながら言った。
「それはよかった」
「東峰は結ばないの?」
最近は涼しくなってきたけど、夏場とかは見ていて暑苦しかった。
「部活のときは縛ってるよ。だけどマネージャーに将来ハゲそうな髪型って言われたから、最近は専らヘアバンド」
「お団子ヘア似合ってたのになー」
「◯◯がそう言うなら戻そうかな」
「そうしなよ。仮にハゲても案外格好いいかもしれないよ?」
東峰が髪を伸ばす理由。
外見からでもワイルドな感じになりたいから、だと聞いたことがある。
それならハゲ……もとい坊主だってワイルドな感じになりそう。
ちょっとだけ見てみたいかも。
今年で私たちは卒業するのに、このときの私はこんなわちゃわちゃとしたやり取りが毎日続くといいな、と楽観的に考えていた。
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