猛暑とエアコン
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一度体を重ねてしまえば、二度も三度も変わらない。
私と貴大は、互いに暇とタイミングさえ見つけては体を重ねた。
「最近ハロワ行ってないじゃん」
ベッドの中で、私が小言を言うと、貴大はすぐに言葉を遮った。
「そんなん、あとあと。それより、いいだろ?」
そう言って、誤魔化すようにキスをする貴大は、正直あまり好きじゃなかった。
行為はもちろんお互い同意の上でのこと。
肉体的な相性は悪くない。
だけど、私たちの間には「好きだ」とか「付き合おう」という愛の言葉は一切ないままだった。
大人の恋愛って、こんなものなの?
そう自分に問いかける。
でも、大人になったって、大切な気持ちはちゃんと言葉にしてくれないと分からない。
行為中は満たされるけれど、それ以外の日常に戻ると、貴大の曖昧な態度にモヤモヤした時間を過ごすようになった。
……。
…………。
そして、居候を始めてちょうど3週間。
予定通り、自分のアパートのエアコン修理が完了したと連絡が入った。
「じゃあ、そろそろ帰るね」
「ゆっくりしていけばいいのに」
貴大はそう言ってくれたけど、エアコンが直った今、彼の家にお世話になり続ける理由はない。
その言葉を言われると、かえって居心地が悪くなる。
「元々直るまでの約束だったから」
「そっか……。じゃあ、元気でな。また遊びに来いよ」
貴大は、少し寂しそうにも見えるけど、いつもの調子で私のキャリーケースを手渡してくれる。
「貴大も早く仕事見つけなさいよ?」
「おう、次会うときは俺もホワイト勤めだ」
「あはは、期待しないでおくね」
笑いながら軽口を叩いた。
別に会おうと思えば、いつでも会える関係だ。
それなのに、荷物を受け取り、貴大に背を向けて歩き出すとき、胸の奥がちょっぴり寂しかった。
プー太郎の貴大は、家事もロクにしないし、何かとすぐにえっちに誘ってくるし、軽い喧嘩もした。
でも、仕事の愚痴は真剣に聞いてくれるし、家に帰ったときに誰かがいるという安心感は、たしかにあったのだ。
なんだかんだ言って、この3週間は楽しかった。
……。
…………。
住み慣れたはずの自分のアパートの鍵を開ける。
部屋に入り、早速エアコンのスイッチを押すと、静かに冷たい空気が流れ込んできた。
最高に快適。
最高に涼しい。
だけど、自分しかいないこの部屋は、妙にがらんとしていて、風通しがよかった。
むしろ寒いくらい。
心にぽっかりと穴が空いたような、そんな寒さ。
私と貴大は、互いに暇とタイミングさえ見つけては体を重ねた。
「最近ハロワ行ってないじゃん」
ベッドの中で、私が小言を言うと、貴大はすぐに言葉を遮った。
「そんなん、あとあと。それより、いいだろ?」
そう言って、誤魔化すようにキスをする貴大は、正直あまり好きじゃなかった。
行為はもちろんお互い同意の上でのこと。
肉体的な相性は悪くない。
だけど、私たちの間には「好きだ」とか「付き合おう」という愛の言葉は一切ないままだった。
大人の恋愛って、こんなものなの?
そう自分に問いかける。
でも、大人になったって、大切な気持ちはちゃんと言葉にしてくれないと分からない。
行為中は満たされるけれど、それ以外の日常に戻ると、貴大の曖昧な態度にモヤモヤした時間を過ごすようになった。
……。
…………。
そして、居候を始めてちょうど3週間。
予定通り、自分のアパートのエアコン修理が完了したと連絡が入った。
「じゃあ、そろそろ帰るね」
「ゆっくりしていけばいいのに」
貴大はそう言ってくれたけど、エアコンが直った今、彼の家にお世話になり続ける理由はない。
その言葉を言われると、かえって居心地が悪くなる。
「元々直るまでの約束だったから」
「そっか……。じゃあ、元気でな。また遊びに来いよ」
貴大は、少し寂しそうにも見えるけど、いつもの調子で私のキャリーケースを手渡してくれる。
「貴大も早く仕事見つけなさいよ?」
「おう、次会うときは俺もホワイト勤めだ」
「あはは、期待しないでおくね」
笑いながら軽口を叩いた。
別に会おうと思えば、いつでも会える関係だ。
それなのに、荷物を受け取り、貴大に背を向けて歩き出すとき、胸の奥がちょっぴり寂しかった。
プー太郎の貴大は、家事もロクにしないし、何かとすぐにえっちに誘ってくるし、軽い喧嘩もした。
でも、仕事の愚痴は真剣に聞いてくれるし、家に帰ったときに誰かがいるという安心感は、たしかにあったのだ。
なんだかんだ言って、この3週間は楽しかった。
……。
…………。
住み慣れたはずの自分のアパートの鍵を開ける。
部屋に入り、早速エアコンのスイッチを押すと、静かに冷たい空気が流れ込んできた。
最高に快適。
最高に涼しい。
だけど、自分しかいないこの部屋は、妙にがらんとしていて、風通しがよかった。
むしろ寒いくらい。
心にぽっかりと穴が空いたような、そんな寒さ。
