隣は譲れねェ
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月日が流れるのは、驚くほど早い。
あれほど苦痛だったこの席も、今日で最後。
2度目の席替えがやってきた。
「あーあ、やっと花巻と離れられるわ。これで私の成績も右肩上がり間違いなしね」
私はわざと大袈裟に息を吐いて、荷物を鞄に詰め込んだ。
そんな私の強がりを見透かしたように、花巻は前の席から椅子をくるりと回転させ、肘をついてニヤリと笑う。
「へぇー。本当は寂しくて泣きそうなクセに」
「冗談やめてよ」
軽口を叩き合って笑ってみせるけれど、胸の奥はぽっかりと穴があいたような気分だった。
1ヶ月前までは、とにかく静かな席になるように神様に祈っていたのに。
今では、どんなに騒がしくてもいいから、また彼の近くになることを願っている自分がいる。
運命のくじ引きが終わり、指示された新しい席へと移動する。
今度の場所は、廊下側の真ん中あたり。
周りを見渡しても、花巻の姿はない。
彼はまだ前の方で友達と騒いでいる。
私は小さくため息を吐き、新しい机にノートを広げた。
すると、
「よっ」
聞き慣れた軽い声と共に、隣の机に乱雑に鞄が置かれた。
顔を上げると、そこにはくじの紙を指先でひらひらとさせながら、当然のような顔をして立つ花巻がいた。
「えっ……?なんで、ここに」
「なんでって。くじの番号に従っただけ。今度は前後じゃなくて、隣だな」
嘘だと思った。
驚きで固まっている私をよそに、彼は椅子を引き、どっかと腰を下ろした。
「……また花巻の隣とか、最悪。……本当に、嫌なんだけど」
動揺を隠すために、私はすかさず視線を逸らして精一杯の嫌味を吐き出した。
だけど、自分の頬が緩んでいくのが分かる。
「ま、そう言うなって。退屈させないからさ」
そう言って、彼は机の下で私の制服の袖をちょいと引いた。
「よろしくな、◯◯」
前後だった時よりもずっと近くなった距離。
彼の肩が触れそうなほどの近さに、心臓がうるさく跳ねた。
あれほど苦痛だったこの席も、今日で最後。
2度目の席替えがやってきた。
「あーあ、やっと花巻と離れられるわ。これで私の成績も右肩上がり間違いなしね」
私はわざと大袈裟に息を吐いて、荷物を鞄に詰め込んだ。
そんな私の強がりを見透かしたように、花巻は前の席から椅子をくるりと回転させ、肘をついてニヤリと笑う。
「へぇー。本当は寂しくて泣きそうなクセに」
「冗談やめてよ」
軽口を叩き合って笑ってみせるけれど、胸の奥はぽっかりと穴があいたような気分だった。
1ヶ月前までは、とにかく静かな席になるように神様に祈っていたのに。
今では、どんなに騒がしくてもいいから、また彼の近くになることを願っている自分がいる。
運命のくじ引きが終わり、指示された新しい席へと移動する。
今度の場所は、廊下側の真ん中あたり。
周りを見渡しても、花巻の姿はない。
彼はまだ前の方で友達と騒いでいる。
私は小さくため息を吐き、新しい机にノートを広げた。
すると、
「よっ」
聞き慣れた軽い声と共に、隣の机に乱雑に鞄が置かれた。
顔を上げると、そこにはくじの紙を指先でひらひらとさせながら、当然のような顔をして立つ花巻がいた。
「えっ……?なんで、ここに」
「なんでって。くじの番号に従っただけ。今度は前後じゃなくて、隣だな」
嘘だと思った。
驚きで固まっている私をよそに、彼は椅子を引き、どっかと腰を下ろした。
「……また花巻の隣とか、最悪。……本当に、嫌なんだけど」
動揺を隠すために、私はすかさず視線を逸らして精一杯の嫌味を吐き出した。
だけど、自分の頬が緩んでいくのが分かる。
「ま、そう言うなって。退屈させないからさ」
そう言って、彼は机の下で私の制服の袖をちょいと引いた。
「よろしくな、◯◯」
前後だった時よりもずっと近くなった距離。
彼の肩が触れそうなほどの近さに、心臓がうるさく跳ねた。
