はいチーズ
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ーーおまけ(花巻side)ーー
数カ月後に高校最後の大会になるかもしれない春高代表決定戦が迫っていた。
引退か継続か。
俺はあいつらともっとバレーがしたい。
特に信頼している及川の活躍を間近で目に焼き付けたい。
そのためには勝ち続けないといけない。
だから、部活に専念するために彼女を作らなかったし、俺にしては珍しく、夏休みの部活も遊びたい気持ちを我慢して取り組む覚悟を決めていた。
それなのに、●●ちゃんは俺の心を簡単に掻き乱す。
初めて会ったときからそうだけど、好き好きアピールが凄いんだよ。
どうせ一目惚れなんて直ぐに終わる。
俺のことを飽きるまで適当にからかってやろうと思ったのに、懲りずに関わってくるし。
それどころかいつの間にか本気になっている自分がいた。
「貴大先輩!期末テストの前に勉強を教えてください」
こんな頼み事、安易に引き受けなければ良かった。
いざ約束の日がやってきたかと思えば、勉強に集中できていないのがバレバレの●●ちゃん。
「貴大先輩、夏休みって何か予定ありますか?」
隙あらば雑談をしてくる。
「部活だな」
「部活がない日は……」
「ないな」
「そうですか……」
あからさまに落ち込んで。
俺だって遊びてぇよ。
だけど、ここは自分のためにも突き放さないと。
「あのな、●●ちゃんが勉強教えてくれって言うから見てんだけど。集中しろよな」
大して教えられないくせに、どの口が言ってんだよ。
自分に呆れてしまう。
ーーーー
自分から突き放そうとしたくせに、いざ離れていくと寂しいものを感じる。
だから彼女のクラスまで様子を見に行けば、
「文化祭、良ければ一緒に回りませんか?」
なんてお願いされるハメに。
一緒に回りたいのは山々だけど、初日はクラスの催しの仕事があり、2日目は及川と岩泉と松川の4人で回る約束を既にしていたため、断らざるを得なかった。
「ごめん、先約がいる」
「そう……ですか……。そっかそっか、貴大先輩はモテモテですね!」
平気なフリをしながら悲しそうな顔をするなよ。
本当に●●ちゃんは直ぐに顔に出る。
俺みたいに真顔で何を考えているのか分からない、と言われたことのある身としては、そんな彼女が羨ましくて、素直で、可愛く思えた。
そんな彼女に負けて、
「まあ、後夜祭なら空いてるけど」
「本当ですか?!嬉しい!」
ついそんな約束をしてしまった。
ーーーー
文化祭2日目の夕方。
待ち合わせの時間まで少し早いけどグラウンドへ行くと、まだ●●ちゃんは来ていなかった。
何の気なしに校舎を見ると、一人窓際でグランドを眺めている子がいた。
●●ちゃんだ。
教室にいるなら俺も行こうかな。
足早に向かい扉を開けると●●ちゃんは驚いていた。
「貴大先輩?!」
「グラウンドから●●ちゃんが教室にいるのが見えたから」
彼女の席まで近づき、窓の外を見る。
ここからでも外の様子が見えそうだ。
「わざわざ外出なくても、ここからでもステージもファイヤーストームも見れるし、いいんじゃね?」
そう言いながら●●ちゃんの向かいの席に座った。
しばらく他愛のない会話をしていると、いつの間にかファイヤーストームに火が灯っていた。
「始まりますね」
「ああ」
昨年は俺もあいつらと一緒に火の周りを走っていたっけ。
懐かしい。
思い出に耽っていると、
「電気……」
●●ちゃんが電気を点けるために立ち上がろうとした。
それを阻止するように腕を掴む。
「いい、このままで」
暗い方が落ち着くし、特別感があるから。
そんな安易な考えからだった。
それなのに、
「私、貴大先輩のことが好きです」
突然の告白。
一目惚れとは言われていたから俺に好意があるのは知っていた。
夏休みも一緒に遊びたそうにしていたし。
それなのに彼女から初めて言われた“好き”と言う言葉に、思わず“俺も”と返しそうになった。
だけど、俺は大会が終わるまで彼女を作らないと決めたんだ。
なんのために今まで冷たい態度を取ったり、彼女の好意を見て見ぬふりをしてきたんだ。
“ごめん”
その言葉を口にしようとしたとき、ふとジンクスが頭に過った。
“後夜祭で告白して結ばれたカップルは別れない”
じゃあ逆に振ったら?
今後結ばれなくなる?
それは困る。
だから、
「……ありがとう」
今の俺が言える精一杯の返事。
この言葉を聞いた●●ちゃんはどんな顔をしている?
暗くてよく見えない。
だけど、
「貴大先輩、写真撮りませんか?」
意外にも平気そうな声色だった。
本当に写真撮るのが好きなんだな。
断る理由もなく真顔でピースをしてシャッターを切られるのを待つ。
ーーーー
文化祭の翌週に行われた代表決定戦。
「ゲームセット!勝者烏野高校」
ああ、俺の大会が終わった。
引退するまで付き合わないと決めていたけれど、いざ終わると今度は受験勉強で忙しくなった。
これはまだまだ●●ちゃんを待たせてしまうことになる。
卒業したら俺から告白する。
だから待っていてくれ。
そして、それまで俺のことを好きでいてくれたら、待たせた分ベタベタに溺愛してやるから。
だから……だから……待っていてくれ。
数カ月後に高校最後の大会になるかもしれない春高代表決定戦が迫っていた。
引退か継続か。
俺はあいつらともっとバレーがしたい。
特に信頼している及川の活躍を間近で目に焼き付けたい。
そのためには勝ち続けないといけない。
だから、部活に専念するために彼女を作らなかったし、俺にしては珍しく、夏休みの部活も遊びたい気持ちを我慢して取り組む覚悟を決めていた。
それなのに、●●ちゃんは俺の心を簡単に掻き乱す。
初めて会ったときからそうだけど、好き好きアピールが凄いんだよ。
どうせ一目惚れなんて直ぐに終わる。
俺のことを飽きるまで適当にからかってやろうと思ったのに、懲りずに関わってくるし。
それどころかいつの間にか本気になっている自分がいた。
「貴大先輩!期末テストの前に勉強を教えてください」
こんな頼み事、安易に引き受けなければ良かった。
いざ約束の日がやってきたかと思えば、勉強に集中できていないのがバレバレの●●ちゃん。
「貴大先輩、夏休みって何か予定ありますか?」
隙あらば雑談をしてくる。
「部活だな」
「部活がない日は……」
「ないな」
「そうですか……」
あからさまに落ち込んで。
俺だって遊びてぇよ。
だけど、ここは自分のためにも突き放さないと。
「あのな、●●ちゃんが勉強教えてくれって言うから見てんだけど。集中しろよな」
大して教えられないくせに、どの口が言ってんだよ。
自分に呆れてしまう。
ーーーー
自分から突き放そうとしたくせに、いざ離れていくと寂しいものを感じる。
だから彼女のクラスまで様子を見に行けば、
「文化祭、良ければ一緒に回りませんか?」
なんてお願いされるハメに。
一緒に回りたいのは山々だけど、初日はクラスの催しの仕事があり、2日目は及川と岩泉と松川の4人で回る約束を既にしていたため、断らざるを得なかった。
「ごめん、先約がいる」
「そう……ですか……。そっかそっか、貴大先輩はモテモテですね!」
平気なフリをしながら悲しそうな顔をするなよ。
本当に●●ちゃんは直ぐに顔に出る。
俺みたいに真顔で何を考えているのか分からない、と言われたことのある身としては、そんな彼女が羨ましくて、素直で、可愛く思えた。
そんな彼女に負けて、
「まあ、後夜祭なら空いてるけど」
「本当ですか?!嬉しい!」
ついそんな約束をしてしまった。
ーーーー
文化祭2日目の夕方。
待ち合わせの時間まで少し早いけどグラウンドへ行くと、まだ●●ちゃんは来ていなかった。
何の気なしに校舎を見ると、一人窓際でグランドを眺めている子がいた。
●●ちゃんだ。
教室にいるなら俺も行こうかな。
足早に向かい扉を開けると●●ちゃんは驚いていた。
「貴大先輩?!」
「グラウンドから●●ちゃんが教室にいるのが見えたから」
彼女の席まで近づき、窓の外を見る。
ここからでも外の様子が見えそうだ。
「わざわざ外出なくても、ここからでもステージもファイヤーストームも見れるし、いいんじゃね?」
そう言いながら●●ちゃんの向かいの席に座った。
しばらく他愛のない会話をしていると、いつの間にかファイヤーストームに火が灯っていた。
「始まりますね」
「ああ」
昨年は俺もあいつらと一緒に火の周りを走っていたっけ。
懐かしい。
思い出に耽っていると、
「電気……」
●●ちゃんが電気を点けるために立ち上がろうとした。
それを阻止するように腕を掴む。
「いい、このままで」
暗い方が落ち着くし、特別感があるから。
そんな安易な考えからだった。
それなのに、
「私、貴大先輩のことが好きです」
突然の告白。
一目惚れとは言われていたから俺に好意があるのは知っていた。
夏休みも一緒に遊びたそうにしていたし。
それなのに彼女から初めて言われた“好き”と言う言葉に、思わず“俺も”と返しそうになった。
だけど、俺は大会が終わるまで彼女を作らないと決めたんだ。
なんのために今まで冷たい態度を取ったり、彼女の好意を見て見ぬふりをしてきたんだ。
“ごめん”
その言葉を口にしようとしたとき、ふとジンクスが頭に過った。
“後夜祭で告白して結ばれたカップルは別れない”
じゃあ逆に振ったら?
今後結ばれなくなる?
それは困る。
だから、
「……ありがとう」
今の俺が言える精一杯の返事。
この言葉を聞いた●●ちゃんはどんな顔をしている?
暗くてよく見えない。
だけど、
「貴大先輩、写真撮りませんか?」
意外にも平気そうな声色だった。
本当に写真撮るのが好きなんだな。
断る理由もなく真顔でピースをしてシャッターを切られるのを待つ。
ーーーー
文化祭の翌週に行われた代表決定戦。
「ゲームセット!勝者烏野高校」
ああ、俺の大会が終わった。
引退するまで付き合わないと決めていたけれど、いざ終わると今度は受験勉強で忙しくなった。
これはまだまだ●●ちゃんを待たせてしまうことになる。
卒業したら俺から告白する。
だから待っていてくれ。
そして、それまで俺のことを好きでいてくれたら、待たせた分ベタベタに溺愛してやるから。
だから……だから……待っていてくれ。
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