はいチーズ
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あの写真の件がきっかけで、私は何かとイベントに託 けて貴大先輩と写真を撮るようになった。
それは今日も変わらない。
学校は休みだけれど、男子バレー部がインターハイ予選だと聞いたから、早速試合会場へと向かった。
ちなみにチヨリには眠たいから、と断られた。
体育館に着くと、既に色んな学校が試合を行っていた。
その中には青葉城西も……。
「えっ、もう始まってるじゃん!」
相手は大岬?
聞いたことのない高校だ。
慌てて見やすい場所へと移動すると、席には“及川さん”と書かれたうちわを持っている青葉城西の生徒がチラホラいた。
もちろん“花巻さん”だとか“マッキー”と書いている人も数人。
やっぱりいるよね。
だって格好良いもん。
私も何か応援グッズを作ってこればよかった。
せめて掛け声だけでも頑張らないと。
そう決心すると、
「ナイスキー!」
誰かがスパイクを決めたのか、そんな声援が聞こえてきた。
今のナイスキーってなんか……大好きって言っているみたい。
1回だけ………1回だけ、貴大先輩がスパイクを決めたら言ってみようかな。
そう思うや否やさっそく貴大先輩はスパイクを決めた。
まるで言えるものなら言ってみろ、と私を嘲笑うかのように。
まだ心の準備ができていないのに。
「ダ……」
早く言わないと周りの声援に取り残されてしまう。
面と向かって言う度胸はないけど、これくらい出来なくてどうする。
頑張れ、私!
「ダ……ダイスキー」
言ってやったぞ。
若干尻窄みになってしまったけれど、大好きって。
その後、周りをキョロキョロと見渡したけれど、誰も私を見ていない。
気付かれていないようでよかった。
そして試合は2ゲーム目を25-12で取り、圧勝した。
選手たちがぞろぞろと応援席に戻って来る。
先ほどの及川さんと書かれたうちわを持った女の子は、1番のユニフォームを着ている人に群がっていった。
あの人が及川さん……。
だけど、私が用あるのは貴大先輩。
噂をすれば、
「おー●●ちゃんじゃーん!来てたんだ」
「貴大先輩!」
先輩は首に掛けたタオルで汗を拭きながらやってきた。
すぐに私を見つけてくれて、声をかけてくれる先輩、好き。
「途中からですけどね。貴大先輩格好良かったです!スパイクを何本も決めて」
興奮が冷めないうちに熱弁する。
「相手が弱かったんだよ」
「そんなことないのに……あ、そうだ!せっかくだし写真撮りましょうよ」
「いいけど……俺、汗臭いぞ」
「気にしません!」
その汗は頑張った証。
それにしっとりと濡れた髪に火照った頬はどこか色気を感じた。
スマホをインカメにして、貴大先輩の横にそっと並ぶ。
「はいチーズ!」
カシャッ
写真を確認すると、相変わらずパッとしない私だったけれど、これでまた一つ思い出が増えて満足だった。
それは今日も変わらない。
学校は休みだけれど、男子バレー部がインターハイ予選だと聞いたから、早速試合会場へと向かった。
ちなみにチヨリには眠たいから、と断られた。
体育館に着くと、既に色んな学校が試合を行っていた。
その中には青葉城西も……。
「えっ、もう始まってるじゃん!」
相手は大岬?
聞いたことのない高校だ。
慌てて見やすい場所へと移動すると、席には“及川さん”と書かれたうちわを持っている青葉城西の生徒がチラホラいた。
もちろん“花巻さん”だとか“マッキー”と書いている人も数人。
やっぱりいるよね。
だって格好良いもん。
私も何か応援グッズを作ってこればよかった。
せめて掛け声だけでも頑張らないと。
そう決心すると、
「ナイスキー!」
誰かがスパイクを決めたのか、そんな声援が聞こえてきた。
今のナイスキーってなんか……大好きって言っているみたい。
1回だけ………1回だけ、貴大先輩がスパイクを決めたら言ってみようかな。
そう思うや否やさっそく貴大先輩はスパイクを決めた。
まるで言えるものなら言ってみろ、と私を嘲笑うかのように。
まだ心の準備ができていないのに。
「ダ……」
早く言わないと周りの声援に取り残されてしまう。
面と向かって言う度胸はないけど、これくらい出来なくてどうする。
頑張れ、私!
「ダ……ダイスキー」
言ってやったぞ。
若干尻窄みになってしまったけれど、大好きって。
その後、周りをキョロキョロと見渡したけれど、誰も私を見ていない。
気付かれていないようでよかった。
そして試合は2ゲーム目を25-12で取り、圧勝した。
選手たちがぞろぞろと応援席に戻って来る。
先ほどの及川さんと書かれたうちわを持った女の子は、1番のユニフォームを着ている人に群がっていった。
あの人が及川さん……。
だけど、私が用あるのは貴大先輩。
噂をすれば、
「おー●●ちゃんじゃーん!来てたんだ」
「貴大先輩!」
先輩は首に掛けたタオルで汗を拭きながらやってきた。
すぐに私を見つけてくれて、声をかけてくれる先輩、好き。
「途中からですけどね。貴大先輩格好良かったです!スパイクを何本も決めて」
興奮が冷めないうちに熱弁する。
「相手が弱かったんだよ」
「そんなことないのに……あ、そうだ!せっかくだし写真撮りましょうよ」
「いいけど……俺、汗臭いぞ」
「気にしません!」
その汗は頑張った証。
それにしっとりと濡れた髪に火照った頬はどこか色気を感じた。
スマホをインカメにして、貴大先輩の横にそっと並ぶ。
「はいチーズ!」
カシャッ
写真を確認すると、相変わらずパッとしない私だったけれど、これでまた一つ思い出が増えて満足だった。