~第二章~ モリブデンとハロゲン
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二限目の授業は錬成陣。
錬成陣とはチョークやテープなどで特定の模様を描くことで召喚、バフ、転移など様々な効果が得られる陣のことである。
教科担当はシルバー・アーセニック。
彼はネオンたちのクラス担任でもある。
「はい、では本日は慰霊に使われる陣を教える」
慰霊とは死者の霊を慰めることである。
この場合の陣はその死者を呼び出すためのもの。
「まずは手本を見せる」
シルバーは地面に迅速かつ正確な円を描き、その中に複雑な線を追加していった。
「陣が描けたら、こうして手を起き念じる。すると……」
シルバーが目を瞑ってから程なくして、陣は光を放った。
その後中心部に深い異空間の穴が空いたかと思えば、その中で透けた人の形をしたような物体が泳いでいる。
「この泳いでいる物体が霊だ。この場所で何かしらの未練が残っているやつが、こうして居座っている。こちらから引っ張り出さない限り出てこないが、穴に落ちたら助からないと思え。また引っ張り出すときも手ではなく、こうして……」
シルバーは杖を取り出し、呪文を唱えた。
「come wing」
一体の霊が動きの軌道を変えて陣から出てこようとしたかと思えば、シルバーが杖を振り下ろすと、霊はまた沈んでいった。
「っとまあ、このように呼びだす。知っている者も多いと思うが、主に警察が事情聴取で呼び出すときに使っている」
生徒たちはドラマで見たことがある、とざわざわ話しだした。
「注意点なんだが、ここをこのように描き間違えると、悪魔を召喚してしまうから、絶対にやるなよー」
「えー怖い」
「はい、静かに!では各自魔法陣を描き始めてくれ」
ネオンは開始の合図と共にカッカッとチョークで円を描いた。
歪みなく綺麗な円。
一方クロムは描き始めるどころかチョークすら用意せず、周りの生徒たちの様子をうかがっている。
「描かなくていいのか?先生、巡回に来るぞ」
ネオンの忠告に、何故か余裕たっぷりな表情を浮かべるクロム。
「ふふふ、俺には秘密兵器があるのだよ」
「秘密兵器?」
「じゃじゃーん!」
クロムはローブから袋を取り出した。
袋の中には折りたたまれた白い布の様な物が入れられている。
袋を破り、折りたたまれたそれをパッパッと広げると、地面へと綺麗に置いた。
「クロム、それって……」
「これが俺の秘密兵器だ」
クロムが取り出した物とは簡易用魔法陣。
あらかじめ魔法陣を型どった布。
他にもテープもしくは紐状のもので売られていることがあり、主に魔法雑貨店で手軽に買える。
「うわ……」
「なんて顔してんだよ、ネオン!賢いー、とか羨ましーとか言えよ」
「だって……」
「おい、そこ!煩いぞ!」
ネオンが理由を説明しようとしたことこで、巡回をしていたシルバーに注意をされた。
ツカツカと2人に近づき、ネオンの方から魔法陣を見定めた。
「ネオンは……うん、綺麗に描けているな。クロムは……」
一気に顔が険しくなる。
「お前!あれほど市販のは使うなって言っただろうが!」
「ひぇ〜すみません」
事前授業での説明を寝ていて聞いていなかったのが悪いんだ、とシルバーにこっ酷く叱られているクロムを見て見ぬふりをするネオンだった。
こうして、シルバーに簡易用魔法陣を没収されたクロムは大人しくチョークで魔法陣を描くことになり、授業は無事に終わった。
錬成陣とはチョークやテープなどで特定の模様を描くことで召喚、バフ、転移など様々な効果が得られる陣のことである。
教科担当はシルバー・アーセニック。
彼はネオンたちのクラス担任でもある。
「はい、では本日は慰霊に使われる陣を教える」
慰霊とは死者の霊を慰めることである。
この場合の陣はその死者を呼び出すためのもの。
「まずは手本を見せる」
シルバーは地面に迅速かつ正確な円を描き、その中に複雑な線を追加していった。
「陣が描けたら、こうして手を起き念じる。すると……」
シルバーが目を瞑ってから程なくして、陣は光を放った。
その後中心部に深い異空間の穴が空いたかと思えば、その中で透けた人の形をしたような物体が泳いでいる。
「この泳いでいる物体が霊だ。この場所で何かしらの未練が残っているやつが、こうして居座っている。こちらから引っ張り出さない限り出てこないが、穴に落ちたら助からないと思え。また引っ張り出すときも手ではなく、こうして……」
シルバーは杖を取り出し、呪文を唱えた。
「come wing」
一体の霊が動きの軌道を変えて陣から出てこようとしたかと思えば、シルバーが杖を振り下ろすと、霊はまた沈んでいった。
「っとまあ、このように呼びだす。知っている者も多いと思うが、主に警察が事情聴取で呼び出すときに使っている」
生徒たちはドラマで見たことがある、とざわざわ話しだした。
「注意点なんだが、ここをこのように描き間違えると、悪魔を召喚してしまうから、絶対にやるなよー」
「えー怖い」
「はい、静かに!では各自魔法陣を描き始めてくれ」
ネオンは開始の合図と共にカッカッとチョークで円を描いた。
歪みなく綺麗な円。
一方クロムは描き始めるどころかチョークすら用意せず、周りの生徒たちの様子をうかがっている。
「描かなくていいのか?先生、巡回に来るぞ」
ネオンの忠告に、何故か余裕たっぷりな表情を浮かべるクロム。
「ふふふ、俺には秘密兵器があるのだよ」
「秘密兵器?」
「じゃじゃーん!」
クロムはローブから袋を取り出した。
袋の中には折りたたまれた白い布の様な物が入れられている。
袋を破り、折りたたまれたそれをパッパッと広げると、地面へと綺麗に置いた。
「クロム、それって……」
「これが俺の秘密兵器だ」
クロムが取り出した物とは簡易用魔法陣。
あらかじめ魔法陣を型どった布。
他にもテープもしくは紐状のもので売られていることがあり、主に魔法雑貨店で手軽に買える。
「うわ……」
「なんて顔してんだよ、ネオン!賢いー、とか羨ましーとか言えよ」
「だって……」
「おい、そこ!煩いぞ!」
ネオンが理由を説明しようとしたことこで、巡回をしていたシルバーに注意をされた。
ツカツカと2人に近づき、ネオンの方から魔法陣を見定めた。
「ネオンは……うん、綺麗に描けているな。クロムは……」
一気に顔が険しくなる。
「お前!あれほど市販のは使うなって言っただろうが!」
「ひぇ〜すみません」
事前授業での説明を寝ていて聞いていなかったのが悪いんだ、とシルバーにこっ酷く叱られているクロムを見て見ぬふりをするネオンだった。
こうして、シルバーに簡易用魔法陣を没収されたクロムは大人しくチョークで魔法陣を描くことになり、授業は無事に終わった。