~第四章~ ネオンとリン
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忘れていた記憶が一気に押し寄せて、ネオンの目からは涙が流れた。
親友のクロムが亡くなった悲しみと、親父の非道な行い。
「なぜ……なぜアナタからも昨日の子からもアイツのにおいがするのよ……アイツ……アイツ……コバルト……」
「俺がコバルトの息子だから」
ネオンはコバルトの息子のため、においは似ている。
では何故クロムが襲われたのか。
それはクロムはネオンと常に一緒にいるから、においが移ってしまったのだ。
ウルフになってから視力が落ちたあげく、ネオンがリンの左目を潰してしまったせいで、頼れるのは嗅覚しかなかった。
アルゴンで会ったときは、まだ両目が見えていたのと、薬品でにおいが混ざり合っており、コバルトのにおいが識別できていなかったため、気が付かなかった。
「コバルトはどこだ」
「……」
最後に会ったのはアルゴンだが、あれからだいぶ時間が経っているため、既にコバルトはいないだろう。
「分からない……」
「それなら息子のアナタを殺してコバルトを誘き出す」
「俺はコバルトに捨てられた。だから、俺を殺してもコバルトは来ない」
コバルトを庇っているわけでもなく、これがネオンの素直な感想だった。
「じゃあ私は一体どうすれば……」
「……」
「15年もこんな姿にされて、関係ない子も殺して、やっと……やっと辿り着いたと思ったのに……」
リンは月に数回の満月の日に街へ下り、人間の姿でコバルトの情報を集めた。
満月の日でも雲が多い日は先ほどみたいにウルフの姿に変身してしまうため、暑い日でもローブを着用。
そんな牛歩のごとくここまで辿り着いたのだ。
リンは手で顔を覆った。
声が悲しみで震えているのが分かる。
しかし、涙は出ていなかった。
おそらく15年前に全て出し尽くしてしまったのだろう。
途方にくれていると、リンが急に顔を上げて周りをキョロキョロと見渡した。
その姿はまるで何かを探しているようだった。
「このにおい……」
そう呟くと、
「リン!」
暗闇からリンの名前を呼ぶ一人の人物がこちらへ向かってきた。
「コバルト……」
親友のクロムが亡くなった悲しみと、親父の非道な行い。
「なぜ……なぜアナタからも昨日の子からもアイツのにおいがするのよ……アイツ……アイツ……コバルト……」
「俺がコバルトの息子だから」
ネオンはコバルトの息子のため、においは似ている。
では何故クロムが襲われたのか。
それはクロムはネオンと常に一緒にいるから、においが移ってしまったのだ。
ウルフになってから視力が落ちたあげく、ネオンがリンの左目を潰してしまったせいで、頼れるのは嗅覚しかなかった。
アルゴンで会ったときは、まだ両目が見えていたのと、薬品でにおいが混ざり合っており、コバルトのにおいが識別できていなかったため、気が付かなかった。
「コバルトはどこだ」
「……」
最後に会ったのはアルゴンだが、あれからだいぶ時間が経っているため、既にコバルトはいないだろう。
「分からない……」
「それなら息子のアナタを殺してコバルトを誘き出す」
「俺はコバルトに捨てられた。だから、俺を殺してもコバルトは来ない」
コバルトを庇っているわけでもなく、これがネオンの素直な感想だった。
「じゃあ私は一体どうすれば……」
「……」
「15年もこんな姿にされて、関係ない子も殺して、やっと……やっと辿り着いたと思ったのに……」
リンは月に数回の満月の日に街へ下り、人間の姿でコバルトの情報を集めた。
満月の日でも雲が多い日は先ほどみたいにウルフの姿に変身してしまうため、暑い日でもローブを着用。
そんな牛歩のごとくここまで辿り着いたのだ。
リンは手で顔を覆った。
声が悲しみで震えているのが分かる。
しかし、涙は出ていなかった。
おそらく15年前に全て出し尽くしてしまったのだろう。
途方にくれていると、リンが急に顔を上げて周りをキョロキョロと見渡した。
その姿はまるで何かを探しているようだった。
「このにおい……」
そう呟くと、
「リン!」
暗闇からリンの名前を呼ぶ一人の人物がこちらへ向かってきた。
「コバルト……」