~第三章~ コバルトとリン
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~第三章~ コバルトとリン
夜はすっかり更けり、人々が寝静まった頃。
明かりは街を照らす満月の光のみ。
そんな中、血相を変えて走る青年がいた。
「ハァ……ハァ……」
後ろからは何者かの足音。
青年はその足音から逃げている。
「何、何だよ!……ハァ……ハァ……俺が、っ……何したってんだよ!!」
訳も分からず、ただひたすらと逃げ惑う。
住み慣れた街のはずなのに、青年はいつの間にか行き止まりへと追い込まれていた。
「っ!」
急いで引き返そうと体を翻すと、足音の人物は直ぐ傍まで迫っていた。
「おい……やめろ!……く、来るな!」
青年の懇願も虚しく、そいつは一歩、また一歩と近づく。
そしてついに、
「うわああああぁぁぁァァァ!!」
斬撃と共に放たれた悲痛な叫び声。
青年が動かなくなるのを確認すると、そいつは何事もなかったかのように去っていった。
残されたのは、恐怖に染まるクロムの顔が満月に照らされるだけだった。