〜第一章〜 誤った距離
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しばらくすると、シャワーを浴び終わった工君が戻ってきた。
コンコン
「着替え終わりましたか?」
「うん、大丈夫」
ちゃんと声をかけてくれる配慮。出きる男だ。
部屋に入ってきた工君は暖かいお茶が入ったコップを持ってきてくれた。
「あれ、服大きかったですか?」
コップをテーブルに置きながら言ってきた。
「うん。でも折れば大丈夫だよ!」
なんて、折る前の袖を見せて、意図せず萌え袖とやらを披露してしまった。
それを気付いてから恥ずかしくなり、急いでコップに手を付けた。
「お茶ありがとうね!………熱っ」
思ったより熱くて思わず溢してしまった。
あーもう、今日はなんてついていない日なんだ。
「ごめんね」
「火傷していないですか?…………」
工君がお茶を拭こうと上着のファスナーを下ろした。
「………●●さん」
「何?」
「なんで下着付けていないんですか?」
「あ、………いや、濡れてて気持ち悪くて。ごめんね、下品だったよね!」
私は慌てて言い訳をしながら胸元を手で隠した。
「●●さん!俺だって男なんですよ!」
「うん、そうだね。本当に軽率でごめん……」
「好きな人がこんな格好してたら……俺……」
え、好きな人?工君が私を?
懐かれているとは思っていたけど、そのとき初めて工君の気持ちを知った。
「●●さん。キス、してもいいですか」
私の返事を聞く前に工君の唇が近付いてきた。
抵抗すればいいのに、工君って睫長いなとか、お肌が綺麗だなと見とれてしまってそのまま唇が触れた。
厚すぎず、かと言って薄すぎることもない唇。
本当に振れるだけの可愛いキス。
「なんで避けないんですか」
「見とれていました」
バカ正直に答える私。
「嫌なら本当に拒否してください」
そうは言うけど拒否されたくない、とでも言わんばかりの悲しそうな顔の工君は私をベッドに押し倒した。
そんな顔を見ていられなくて視線を下に向けると、下半身のソレがズボンの上からでも分かるくらい膨らんでいた。
「ゴムならあります……」
「え、なんで?」
普段使っていない部屋にあるとは思えなかった。
「笑わないでくれますか?」
「うん」
内容にも寄るけど。
「中学の保健体育の授業で……」
工君は語尾をゴニョゴニョ誤魔化したが、大方察した。
私が中学生の時は貰わなかったが、他校の友達は保健体育の性についての授業で避妊具を貰ったと言う話を聞いたことがある。
それがまだ残っていると言うことは、つまり……。工君は経験がない可能性が高い。
正直工君のことは嫌いじゃない。むしろ好きの部類だ。
だけど、それが恋愛なのかどうかと言われたら分からない。
別に年下だから、とか弟みたいだから恋愛対象に見られないではなく、単純に工君との過ごした時間が短いから好きに至っていないのだ。
こんな気持ちで工君の初めての相手になるのは良くない。
止めてと言えば聞いてくれる子だ。
それから私の気持ちもちゃんと伝えないと。
「工君。私ね工君のことをまだ良く知らないの。だから、そう言うことはお互い理解しあって好きになってからでも遅くないと思う」
「……●●さんは俺のこと嫌いですか?」
「嫌いじゃないよ」
その言葉を聞くと少しだけ安心したように眉毛を下げた工君。
「今はそれが聞けて良かったです。すみません、押し倒してしまって」
工君は私の手を引き、立たせてくれた。
「近くまで送ります」
こうして私は無言の工君の後ろ姿を見ながら帰路についた。
コンコン
「着替え終わりましたか?」
「うん、大丈夫」
ちゃんと声をかけてくれる配慮。出きる男だ。
部屋に入ってきた工君は暖かいお茶が入ったコップを持ってきてくれた。
「あれ、服大きかったですか?」
コップをテーブルに置きながら言ってきた。
「うん。でも折れば大丈夫だよ!」
なんて、折る前の袖を見せて、意図せず萌え袖とやらを披露してしまった。
それを気付いてから恥ずかしくなり、急いでコップに手を付けた。
「お茶ありがとうね!………熱っ」
思ったより熱くて思わず溢してしまった。
あーもう、今日はなんてついていない日なんだ。
「ごめんね」
「火傷していないですか?…………」
工君がお茶を拭こうと上着のファスナーを下ろした。
「………●●さん」
「何?」
「なんで下着付けていないんですか?」
「あ、………いや、濡れてて気持ち悪くて。ごめんね、下品だったよね!」
私は慌てて言い訳をしながら胸元を手で隠した。
「●●さん!俺だって男なんですよ!」
「うん、そうだね。本当に軽率でごめん……」
「好きな人がこんな格好してたら……俺……」
え、好きな人?工君が私を?
懐かれているとは思っていたけど、そのとき初めて工君の気持ちを知った。
「●●さん。キス、してもいいですか」
私の返事を聞く前に工君の唇が近付いてきた。
抵抗すればいいのに、工君って睫長いなとか、お肌が綺麗だなと見とれてしまってそのまま唇が触れた。
厚すぎず、かと言って薄すぎることもない唇。
本当に振れるだけの可愛いキス。
「なんで避けないんですか」
「見とれていました」
バカ正直に答える私。
「嫌なら本当に拒否してください」
そうは言うけど拒否されたくない、とでも言わんばかりの悲しそうな顔の工君は私をベッドに押し倒した。
そんな顔を見ていられなくて視線を下に向けると、下半身のソレがズボンの上からでも分かるくらい膨らんでいた。
「ゴムならあります……」
「え、なんで?」
普段使っていない部屋にあるとは思えなかった。
「笑わないでくれますか?」
「うん」
内容にも寄るけど。
「中学の保健体育の授業で……」
工君は語尾をゴニョゴニョ誤魔化したが、大方察した。
私が中学生の時は貰わなかったが、他校の友達は保健体育の性についての授業で避妊具を貰ったと言う話を聞いたことがある。
それがまだ残っていると言うことは、つまり……。工君は経験がない可能性が高い。
正直工君のことは嫌いじゃない。むしろ好きの部類だ。
だけど、それが恋愛なのかどうかと言われたら分からない。
別に年下だから、とか弟みたいだから恋愛対象に見られないではなく、単純に工君との過ごした時間が短いから好きに至っていないのだ。
こんな気持ちで工君の初めての相手になるのは良くない。
止めてと言えば聞いてくれる子だ。
それから私の気持ちもちゃんと伝えないと。
「工君。私ね工君のことをまだ良く知らないの。だから、そう言うことはお互い理解しあって好きになってからでも遅くないと思う」
「……●●さんは俺のこと嫌いですか?」
「嫌いじゃないよ」
その言葉を聞くと少しだけ安心したように眉毛を下げた工君。
「今はそれが聞けて良かったです。すみません、押し倒してしまって」
工君は私の手を引き、立たせてくれた。
「近くまで送ります」
こうして私は無言の工君の後ろ姿を見ながら帰路についた。