〜第三章〜 ゼロ距離
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~第三章〜 ゼロ距離
やってしまった。
ジョギング中に足を挫き、病院へ行くと全治2週間の捻挫。
準備運動はしっかりやったのに、慣れた頃に油断をしてケガをするとはこの事か。
幸い大学は9月半ばまで夏休みなので、始まるまでには治りそう。
「そう言うわけで、しばらくジョギングはお休み」
私は夜に工君との電話で今朝のことを話した。
“大丈夫ですか?何か手伝えることはありませんか?”
「実家暮らしだから大丈夫よ。それより工君の方こそ夏休みの課題は大丈夫だった?」
“はい、今日全て提出しました”
高校生の工君は今日始業式があり、明日から通常授業が始まるようだ。
「高校生は大変だね~」
“●●さんだって去年までは高校生だったくせに……”
「お、言うようになったね」
他愛のない話をしていると、部屋の外から母親の呼ぶ声が聞こえた。
「ごめん。親に呼ばれたから、またね」
“まだ話したいので、このまま待っていてもいいですか?”
「え、うん。じゃあ少し待ってて」
私はスマホをベッドに置いて、母親の元へ行った。
「呼んだ?」
「次の土日なんだけどね──」
どうやら両親が旅行の予約をしており、キャンセルするのが勿体ないから、と留守番を命じられてしまった。
「ケガしてるのにごめんね」
「私は大丈夫、楽しんできて」
正直タイミングが悪いと思った。
ケガさえしていなければルンルンで両親を旅行へ送り出せたのに。
ご飯は出前でも取ってやろうかな。
部屋へ戻ると、先ほどの話をした。
“泊まりに行ってもいいですか!”
「ダメですけど?」
“指一本触れないので!”
「そう言ってこの間も調子に乗ったじゃん。信じられませーん」
“むー”
電話越しでも分かる。きっと今はほほを膨らませて拗ねているに違いない。
そんな顔を想像したら少し可笑しく思えた。
「もー仕方がないな。手を出さないって約束だよ?」
“はい!!”
今日一の声が出たんじゃないかと思うくらいイイ返事だった。
本当に私は工君に甘いな。
