〜第二章〜 近づく距離
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ーー五色sideーー
ヤバい、ヤバい。思ったより練習試合が長引いた。
終わる頃には待ち合わせの時間から1時間近く経過。
花火は既に終わっているだろう。
好きでもない俺のために待っていてくれている自信がなかった。
“まだいますか?”なんて聞けない。
花火が始まって間もなくして送られていた待ち合わせ場所の変更のメッセージ。
俺はせめてものお詫びに、持ち合わせていたお金を使い、ありったけの手持ち花火を購入してから公園へと向かった。
ちらほらと浴衣姿の人とすれ違う。急がないと。
遠目から見た公園のベンチに誰か座っているのが見えた。
「●●さん!」
いた!よかった、と思うと同時にこんな時間まで一人で待たせてしまって申し訳なくなってしまった。
「工君!」
「間に合わなくてごめんなさい!」
俺は手持ち花火を●●さんに見せて一緒にやりませんか、と誘った。
「やる……」
声のトーンとは裏腹に●●さんは意外にも喜んでくれていそうだった。
二人で横並びになり、花火をする。お互い久しぶりの手持ち花火らしい。
先ほど言うタイミングを逃したが●●さんの浴衣姿、凄く可愛い。
褒めるなら今かな、そう思っていたのに、
「練習頑張った?」
なんて聞かれたらそれどころではなくなった。
練習が長引いた、とでも言えばいいのか。
いや、言い訳は格好悪い。
俺れは認めた後、素直に謝った。
「……」
「……」
やっぱりまだ怒ってるよな。気まずい雰囲気が漂う。
「……ふふっ」
だけど、何故か●●さんは急に笑い出した。
どうやらもう怒っていないようだ。よかった。
先ほどまでとは打って変わって和やかな雰囲気が流れた。
「あっ」
持っていた花火の火が消えた。次はどの花火にしようか。
俺は次の花火を選ぼうと花火の入った袋に手を伸ばした。
すると、
ちゅっ
●●さんが俺の頬にキスをした。
「え!!……はっ?!……今…」
突然のことで動揺が隠せない。
それなのに●●さんは何事もなかったかのように次の花火を選びだした。
もう一回、今度は唇にしてって言ったらしてくれるのかな。
それを言うタイミングも浴衣を褒めるタイミングも分からず、結局俺は何も言えなかった。
ーーーー
こっそり寮へ戻ると天童さんと瀬見さんに捕まった。
「工、今までどこに行ってたんだ」
「あ、いえ、ちょっとそこまで」
「それにしては帰りが遅いんじゃない?煙臭いし~」
本当に天童さんは鋭い。
「寮母さん誤魔化すの大変だったな~」
「うっ」
「俺的には以前迷子になったときに助けてくれたお姉さんが怪しいと思っているんだけど~」
まさか見られていたとは。
この後、根掘り葉掘り白状させられた。
ヤバい、ヤバい。思ったより練習試合が長引いた。
終わる頃には待ち合わせの時間から1時間近く経過。
花火は既に終わっているだろう。
好きでもない俺のために待っていてくれている自信がなかった。
“まだいますか?”なんて聞けない。
花火が始まって間もなくして送られていた待ち合わせ場所の変更のメッセージ。
俺はせめてものお詫びに、持ち合わせていたお金を使い、ありったけの手持ち花火を購入してから公園へと向かった。
ちらほらと浴衣姿の人とすれ違う。急がないと。
遠目から見た公園のベンチに誰か座っているのが見えた。
「●●さん!」
いた!よかった、と思うと同時にこんな時間まで一人で待たせてしまって申し訳なくなってしまった。
「工君!」
「間に合わなくてごめんなさい!」
俺は手持ち花火を●●さんに見せて一緒にやりませんか、と誘った。
「やる……」
声のトーンとは裏腹に●●さんは意外にも喜んでくれていそうだった。
二人で横並びになり、花火をする。お互い久しぶりの手持ち花火らしい。
先ほど言うタイミングを逃したが●●さんの浴衣姿、凄く可愛い。
褒めるなら今かな、そう思っていたのに、
「練習頑張った?」
なんて聞かれたらそれどころではなくなった。
練習が長引いた、とでも言えばいいのか。
いや、言い訳は格好悪い。
俺れは認めた後、素直に謝った。
「……」
「……」
やっぱりまだ怒ってるよな。気まずい雰囲気が漂う。
「……ふふっ」
だけど、何故か●●さんは急に笑い出した。
どうやらもう怒っていないようだ。よかった。
先ほどまでとは打って変わって和やかな雰囲気が流れた。
「あっ」
持っていた花火の火が消えた。次はどの花火にしようか。
俺は次の花火を選ぼうと花火の入った袋に手を伸ばした。
すると、
ちゅっ
●●さんが俺の頬にキスをした。
「え!!……はっ?!……今…」
突然のことで動揺が隠せない。
それなのに●●さんは何事もなかったかのように次の花火を選びだした。
もう一回、今度は唇にしてって言ったらしてくれるのかな。
それを言うタイミングも浴衣を褒めるタイミングも分からず、結局俺は何も言えなかった。
ーーーー
こっそり寮へ戻ると天童さんと瀬見さんに捕まった。
「工、今までどこに行ってたんだ」
「あ、いえ、ちょっとそこまで」
「それにしては帰りが遅いんじゃない?煙臭いし~」
本当に天童さんは鋭い。
「寮母さん誤魔化すの大変だったな~」
「うっ」
「俺的には以前迷子になったときに助けてくれたお姉さんが怪しいと思っているんだけど~」
まさか見られていたとは。
この後、根掘り葉掘り白状させられた。