〜第二章〜 近づく距離
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~第二章〜 近づく距離~
あの雨の日から工君とはジョギング中にすれ違わなくなった。
もしかして避けられている?
それなら、あの時工君の気持ちを受け止めていればよかった?
いや、そんなはずはない。
久しぶりに工君と会ったのは夏休みに入ってからだった。
「工君、久しぶりだね」
「はい……」
「あのね……」
もしかして、私のことを避けていた?
そう聞こうか迷っていたら、先に工君が話してきた。
「春高に向けて遠征続きだったんです。遠征じゃない日も社会人チームを呼んでずっと練習で……」
言われてみれば工君の肌は全然焼けていなかった。
ロードワークどころじゃなかったんだね。
「よかったー!避けられていたのかと思っていたから」
「そんなこと!……そんなことしませんよ」
私はまだ自惚れてもいいのかな。
工君の態度を見るとそう思えてしまう。
「休みの日ってないの?」
「丸1日はないですけど、側近なら今度の土曜日は午前練習のみです」
今度の土曜日って確か……。
「その日の花火大会、一緒に行かない?」
工君が断らないことを知って誘う私。ズルい女だ。
「もちろんです!」
眩しすぎるくらい嬉しそうに答える工君。
「待ち合わせ場所なんだけど……」
そう言えば私達、お互いの連絡先を知らない。
キスはしたことがあるのに。
ロードワーク中の工君は手ぶらだろうから、私はランニングポーチからスマホを取り出した。
「工君の電話番号教えてくれる?」
「はい、番号は────」
私は工君から聞いた電話番号を打ち込み、電話をかけた。
「今電話かけたから、後で私の番号も登録しておいてね」
待ち合わせ場所と時間は夜に電話をして決めることになった。