とある日
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~とある報復の日~
仕事が終わり帰宅。
いつもなら一番にシャワーを浴びるけど、それよりも先にリビングでゆっくり寛いでいる聖臣に物申したい。
「お帰り、●●」
「ねえ、聖臣。仕返しがしたい」
これだけ聞くと私の性格が悪いみたいだけど、そんなことはない………はず。
「仕返し………?」
仕返しされる覚えがないのか、私の言葉を復唱する聖臣。
先日、恋愛ゾンビコメディ映画を動画サービスのサブスクで一緒に見た。
ゾンビが出てくるとは言え、ベースは恋愛物。
と、言うことはキスシーンや濡れ場がある。
その際に聖臣に思いっきりキスマークを付けられた。
映画を見たい私は聖臣のちょっかいをスルーして一生懸命映画に集中していたから気が付かなかった。その量に。
一つや二つではなく、まあまあ沢山。
ーーーー
遡ること約24時間前。
私が見たい映画に付き合わせている自覚はあるけど、
「映画に集中できないからもう少し離れて」
見始めたとには隣に座っていたのに、いつの間にかバックハグされる状態に。
すっぽり包まれるのは嫌いじゃない。嫌いじゃないけど今じゃない。
「俺のことは気にせず見てて」
それができないから言っているのに。
しかも、たまたまなのか狙ってなのか。
キスシーンに合わせて私の首元にチュッチュッと唇を当ててくる。
「痕は付けないでよ」
「ああ、分かってる」
今のところは触れるだけだから大丈夫だと思うけど。
キスマークは高校生、良くて大学生まで。
社会人が付けているとただただ痛い。
なんなら蚊に刺された痕がそれっぽく見えるだけで、違うんです!と聞かれていなくても訂正したくなる。
いや、そんなことより映画に集中しないと。
あ、このシーン好き。
深刻なのにどこかクスッと笑える。
そのあと苦難が襲い掛かるけど、最後には結ばれる二人。
本当によかった。
映画時間は1時間30分だったけど、あっという間に感じるほど。
「いい話だった~DVD買っちゃおうかな」
「そうか」
「ちゃんと見てた?」
「ああ、見てた見てた」
「それならいいけど…………あ、もうこんな時間。そろそろ寝ないとね。おやすみ」
「おやすみ」
各々の自室に入り、私は映画の内容を思い返しながら温かい気持ちで眠りについた。
朝起きたら聖臣は既に仕事に行って、家にいなかった。
何時に出たんだろう。
こんなに朝早いなら昨日付き合わせて申し訳なかったな。
私も準備して仕事に行かないと。
会社に着き、更衣室で制服に着替えているときに気が付いた。
「何これ……」
ロッカーの鏡に映った自分の姿。
首元や胸元に付いている赤い点々。
どう見てもキスマーク。
………聖臣!!あれだけ付けないでって言ったのに!!
ーーーー
そんなことがあり、今に至る。
胸元は隠れる場所だけど、首元はお手洗いに行く度に鏡に映って気になった。
聖臣に付けられた沢山のキスマーク。
一つ一つに聖臣の唇が触れたと思うとドキドキして……。
「今日一日心の平穏を保つのが大変だったんだけど。だから今度は私が付ける番」
「うん、いいよ」
え、あっさり快諾してくれた。
「本当に付けちゃうよ?」
「バレても彼女に付けられたって言えばいいし」
それじゃあ、まるで私が独占欲の強い痴女みたいじゃん。
「ほら、付けていいよ」
と、自分の首元の服をひっぱり、どうぞと言わんばかりの聖臣。
うっ………セクシーすぎる。
「付けないならこっちが行くよ?」
「あー待って待って!」
これ以上増やされたら堪ったもんじゃない。
「そ、その前にお風呂行ってきます!」
危うく仕事終わりの身体を聖臣に触れさせるところだった。
………って、これじゃあまるで、私がキスマークを付けられる側みたいじゃん。
私が付ける側なのに。
シャワーを浴びながらどこに付けてやろうか考えていたら長風呂になってしまった。
お風呂から出てリビングに行くと、
「寝てるし!!」
ソファに横になってスヤスヤと眠っている聖臣。
朝早かったみたいだし、疲れているのは分かるけど。
けども、言葉にならない悔しさ。
もう、寝ててもいいから付けちゃうよ?
首元は………さすがに目立ちすぎる。
私は聖臣の服を捲って胸元に吸い付いた。
痕が付くくらいの強さでちゅーっと。
一つ二つ……三つ目。
こんなものでいいかな?
「ふふん」
いつ気付くかな?
私は達成感に包まれて、夜ご飯の用意を始めた。
ーーFinーー