とある日
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~とあるまぐわう日①~
以前、私の見た夢に嫉妬した聖臣とそういう行為をしたこたがある。
だけど、それ以降はからっきし。
勢いとは言えできたってことは私との行為は嫌いじゃないってことだとは思うんだけど。
もしかして、その一回で生理的に無理になってしまったとか……。
いや、それだったら同棲自体無理になると思うし。
頭に入らないテレビを流しながら、抱き抱えていたクッションにぎゅっと顔を埋め、答えの出ないことを一人で悶々と考えた。
やっぱり本人に聞くしかないのかな。
聖臣は話せば分かってくれる人だし。
幸い、今日は二人ともお休みで、リビングでまったりと各々の時間を過ごしている。
「ねぇ、聖臣」
「ん?」
私の対角のソファーに腰かけ雑誌を見ながら返事をする聖臣。
「その……聖臣は私とシたいと思わないのかなーって……」
「え………」
聖臣は思わず読んでいた雑誌をバサッと落とした。
まずい、ど直球に聞いてしまったようだ。
「なんで?」
平然を装って落ちた雑誌を拾ってまた読み始めたが、戸惑っているのが分かる。
だって雑誌が逆さまだから。
「だって、一度は流れでシたけど、それ以降は手を出してくれないし、前回ので幻滅されちゃったのかなって」
違う違う、これじゃあ襲ってくれって言っているようなものじゃん。
「試してみる?」
「え?」
聖臣からの思いがけない問いかけに、今度はこちらが驚いてしまった。
読んでいた雑誌を閉じて静かに机に置いてから、誰も見ていないテレビを消し、私の隣に座り直した聖臣。
試すってそういうことだよね?今から?
話題を出したのは私の方だけど、ちょっと急すぎて心の準備が……。
「ちょ、ちょ、ちょっと、待って!シャワーとか浴びなくていいの?」
「今朝散歩した後に浴びただろ」
そう言えばそうだった。
天気がいいから、と珍しく散歩してその後お互いシャワーを浴びたんだった。
もちろん、一緒にではなく順番に。
ジリジリと距離を詰める聖臣。
はったりではないのが伺える。
あれ、私と出来るかどうかが知りたかったのでは?
それなら別に今からシなくても……。
いや、この機会を逃したら次はいつ?
そもそもを断ったら次こそ幻滅される?
「俺に集中して」
ぐるぐると余計なことを考えているのが見透かされてしまった。
腹をくくれってことかな。
聖臣に腕を掴まれて自らの胸に持っていかれた。
「ドキドキしているの、分かる?」
鍛えられた厚い胸板から伝わってくる聖臣の心臓の音。
確かアスリートは心臓が激しい運動に適応して通常時は普通の人より心拍数が低いと聞いたことがある。
それが今はいつもの私と同じかそれ以上の早さでトットットッと規則正しく刻んでいる。
ドキドキしているのが分かる。
分かるけどそれ以上に、
「私の方がドキドキしてるから分からない」
私が抱き抱えていたクッションを取り上げ、どれどれと確かめるように胸に耳を当てる聖臣。
癖っけの髪が顔に当たって少しだけくすぐったい。
「本当だ」
なんて頭を上げて微笑む顔。反則だよ。
ああ、私は今からこの人とするんだ。
そう思うだけで、行為なんかしなくても幸せな気持ちになる。
ーーFinーー