〜第一章〜 酔っぱらい女からアンタ
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~第一章~ 酔っぱらい女からアンタ
仕事が終わり、彼の待つ温かい家へ帰るはずだった。
だけど、リビングの扉を開けると、半同棲状態の彼氏、いや、もう元カレと呼ぶべき存在が、見知らぬ女とソファの上で絡み合っていた。
「最低!」
吐き気がする光景に目を逸らしたくなったけれど、逃げるワケにはいかない。
「●●、待ってくれ、違うんだ」
「何が違うのよ!見たまんまでしょ!合鍵置いて出ていって!」
言い訳をする元カレの言葉を遮り、私は元カレが着ていた服と、浮気相手の服をまとめて掴み、躊躇なく外へと放り投げた。
「おい!投げるな!」
「早く拾いにいきなよ!ほらそこの女も!」
「……チッ」
2人は観念したのか、生まれたままの姿で外の服を拾いに出た。
その隙に、私は素早くドアを閉め、鍵をかけた。
「おい、開けろよ!クソがっ!」
しばらくは扉を叩く音が続いたけれど、隣人から注意されたのか、すぐに静かになった。
遠ざかる足音を聞きながら、私はようやく1人になったことを実感した。
それが昨晩のこと。
今朝、許しを乞うメッセージがスマホに届いていたけれど、もちろん無視。
もう二度と、私の人生に関わってほしくない。
気持ちを切り替えるために、私は断捨離を始めた。
元カレの私物や、2人の思い出の品を、ごみ袋へと黙々と詰めていく。
彼の趣味で選んだ、私には似合わないソファももういらない。
ベッドのシーツも、彼の匂いが残っている気がして、すぐに剥がした。
長く付き合っていたからって、情なんてない。
悲しんでなんてやらない。
心の中でそう繰り返す。
こんな男のために泣いてやるもんか。
そう思っているのに、私の目からは、止めどなく涙が溢れてくる。
5袋目のごみ袋がいっぱいになる頃には、涙はすっかり枯れ果て、部屋はまるで最初から何もなかったかのように綺麗になった。
気付けば、掃除を始めたときは明るかった窓の外も、今では深い闇に染まり、星が瞬き始めていた。
せっかくの休みの日が、掃除だけで終わってしまった。
部屋を見渡すと、彼の私物がなくなって、思ったよりも自分の物が少ないことに気付かされる。
「お腹空いた」
誰に言うでもなく、ぽつりと呟いた。
こんなときは、パーッと飲むに限る。
玄関に大量のごみ袋をまとめ、私は近所の居酒屋へ向かった。
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