嘘ツキ
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~嘘ツキ~
時は3月31日の夜中。
私は今、自宅の勉強机の前で重大な考え事をしている。
そう、エイプリルフールに付く嘘を。
そのせいで春休みの課題も進まず。
もちろんターゲットは彼氏の蛍君。
生半可か嘘では見抜かれる。
かと言って「嫌い」だの「別れる」だの相手を傷付ける嘘もご法度。
それで万が一本当に嫌われて別れることになったら立ち直れないから。
妊娠したとか……生理が遅れてる………とか。
だから、こう言うことを言ったら嫌われるって!
蛍君とはお付き合いをしているから、もちろんそう言う行為をしているけど、ちゃんと避妊している分、浮気を疑われる。
「うーん………。何がいいかなー」
逆に結婚してください、とか?
いや、結婚はしたいくらい好きだけど、まだ結婚できる歳じゃないから現実的に無理だし。
「………そうだ閃いた!」
ふふふ、明日が楽しみだ。
ーーーー
やってきた4月1日の朝。
エイプリルフールは午前中に嘘を付いて、午後に種明かしをして謝る決まりがある。
だから、朝イチ蛍君に嘘のメッセージを送った。
前日、寝ずに考えた渾身の嘘を。
“蛍君おはよ………私、病気になったかも……詳しくは今日の病院次第だけど、病名が分かったらまた連絡します”
一周回って無難な、かつ勘違いでしたっと言ってもギリギリ許されるラインの嘘。
私は何度も文章の確認をして送信ボタンを押した。
早速届いた蛍君からの返事。
“いつ頃結果出る”
シンプルだけど確実に心配していることが分かる。
私はそれには返事をしなかった。
だって病院はスマホの電源を切らないといけないからね。
実際は行っていないけど。
さて、午後になるまで中断していた春休みの課題でもやろうかな。
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