蛍光ペン
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翌朝、私は鞄の中に忍ばせた手紙を確認してから、学校へと向かった。
渡す勇気が出ずに終わってしまった小学生の頃とは違う。
今回はちゃんと伝えるんだ、という強い決意を胸に。
だけど、いざ教室に入り、隣の席に座っている月島君を目の当たりにすると、鼓動が速くなる。
彼はいつも通り、授業が始まるまでの時間をヘッドホンで音楽を聴いて過ごしていた。
どうやって渡そうか。
休み時間に声をかけるか、それとも、帰り際に?
そんなことを考えているうちに、ホームルームが始まるチャイムが鳴り響いた。
……。
…………。
1限目が終わっても、昼休みになっても、私は月島君に手紙を渡せずにいた。
あんなに意気込んでいたのに、結局私はあの頃と変わらないままなのか。
心底自分が嫌になってしまう。
そして、帰りのホームルームが終わり、バラバラと生徒たちは教室から出ていく。
月島君も帰り支度を始めている。
私も、準備をしよう。
そう思い、鞄を開けると、例の手紙がヒラヒラと滑り落ちた。
それは、最後の力を振り絞ったかのように、月島君の足元にそっと着地する。
全身から血の気が引いていく。
「……何、これ」
彼の低い声に、私の鼓動は速くなった。
「あ、それは!」
慌てて手を伸ばしかけたけれど、もう遅かった。
彼はしゃがみこんで、その手紙を拾い上げた。
「“月島蛍君へ”って書いてあるけど」
封筒にしっかりと書かれた文字を彼に読まれてしまい、私は逃げ場を失った。
だけど、同時に、これでよかったのかもしれないという、奇妙な安堵感も芽生えていた。
もう後戻りはできない。
意を決し、震える声で告げる。
「良ければ、受け取ってほしい……です」
月島君はしばらくの間、黙って手紙を見つめていた。
その長い沈黙が、私の不安を一層掻き立てる。
彼は何を考えているのだろう?
昨日の蛍光ペンの仕返しだと思われる?
それとも、イタズラだと思われる?
様々な憶測が頭の中を駆け巡る。
やがて、彼はゆっくりと顔を上げた。
「……後で読む」
小学生の頃と全く同じセリフを月島君は口にし、そして教室から出ていった。
私の中で、あの時の記憶がフラッシュバックする。
でも、今回はちゃんと黒色のペンで書いた。
薄くて読めない、なんて言わせない。
おまけに、当時の気持ちを記しただけで、今現在も好きだと告白しているワケではない。
だから、振られるだとかの心配はしなくていい。
それなのに、私の心は不安に押し潰されそうだった。
渡す勇気が出ずに終わってしまった小学生の頃とは違う。
今回はちゃんと伝えるんだ、という強い決意を胸に。
だけど、いざ教室に入り、隣の席に座っている月島君を目の当たりにすると、鼓動が速くなる。
彼はいつも通り、授業が始まるまでの時間をヘッドホンで音楽を聴いて過ごしていた。
どうやって渡そうか。
休み時間に声をかけるか、それとも、帰り際に?
そんなことを考えているうちに、ホームルームが始まるチャイムが鳴り響いた。
……。
…………。
1限目が終わっても、昼休みになっても、私は月島君に手紙を渡せずにいた。
あんなに意気込んでいたのに、結局私はあの頃と変わらないままなのか。
心底自分が嫌になってしまう。
そして、帰りのホームルームが終わり、バラバラと生徒たちは教室から出ていく。
月島君も帰り支度を始めている。
私も、準備をしよう。
そう思い、鞄を開けると、例の手紙がヒラヒラと滑り落ちた。
それは、最後の力を振り絞ったかのように、月島君の足元にそっと着地する。
全身から血の気が引いていく。
「……何、これ」
彼の低い声に、私の鼓動は速くなった。
「あ、それは!」
慌てて手を伸ばしかけたけれど、もう遅かった。
彼はしゃがみこんで、その手紙を拾い上げた。
「“月島蛍君へ”って書いてあるけど」
封筒にしっかりと書かれた文字を彼に読まれてしまい、私は逃げ場を失った。
だけど、同時に、これでよかったのかもしれないという、奇妙な安堵感も芽生えていた。
もう後戻りはできない。
意を決し、震える声で告げる。
「良ければ、受け取ってほしい……です」
月島君はしばらくの間、黙って手紙を見つめていた。
その長い沈黙が、私の不安を一層掻き立てる。
彼は何を考えているのだろう?
昨日の蛍光ペンの仕返しだと思われる?
それとも、イタズラだと思われる?
様々な憶測が頭の中を駆け巡る。
やがて、彼はゆっくりと顔を上げた。
「……後で読む」
小学生の頃と全く同じセリフを月島君は口にし、そして教室から出ていった。
私の中で、あの時の記憶がフラッシュバックする。
でも、今回はちゃんと黒色のペンで書いた。
薄くて読めない、なんて言わせない。
おまけに、当時の気持ちを記しただけで、今現在も好きだと告白しているワケではない。
だから、振られるだとかの心配はしなくていい。
それなのに、私の心は不安に押し潰されそうだった。
