等身大の君
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〜等身大の君〜
先日二十歳を迎えてお酒デビューを果たしたけど、日本酒もビールも私の口には合わなかった。
これなら水を飲んだ方が100倍マシ。
みんなはなんでこれを美味しそうに飲んでいるんだろう。
飲み会に行く度にそう思うようになった。
この日も無理に飲まなくていいから、と友達のアオイちゃんに誘われてゼミの飲み会に参加した。
正直誘われたから、と言う理由もあるけど、ゼミに好きな人がいるから、彼と少しでも同じ空間にいたくて参加したまでもある。
「お疲れ様です、乾杯!!」
グラスがガチャンとぶつかる。
私は相変わらずお茶をチビチビと飲みながら陽気になったアオイちゃんの話に相槌打つ。
「それでね────」
「そうなんだ、凄いね」
お酒は美味しくないけど、アオイちゃんみたいに私も陽気に楽しくお喋りしたい。
「ちょっとお手洗いに行ってくるね」
そう言ってアオイちゃんは席を立った。
改めて周りを見渡すと、みんなベロベロになっていて呂律が回っていなかった。
陽気にはなりたいけど、あそこまではなりたくないかな。
そんなことを思っていると、スッと隣に座ってきた月島君。
何を隠そう、私の片思い相手。
だけど、急に来られると気持の準備が出来ていないと言うか、
「あ、そこ……」
アオイちゃんの席なんだけど。
なんて、言葉しか出てこなかった。
「何?」
「いえ、なんでもないです……」
まあ、いいか。
月島君の手にもお酒の入ったグラスが握られていたけど、他の人と比べて酔っているようには見えなかった。
「月島君は何飲んでるの?」
「カルーアミルク」
「美味しいの?」
ミルクと付くだけあって白濁色の飲み物。
どんな味だろう。
「◯◯さんもカルーアミルクをバカにするタイプ?」
「あ、いや、バカにするもなにも、私お酒が全く飲めないから」
「ふーん」
カルーアミルクのことはよく分からないけど、バカにされやすいお酒なのかな?
「だから、お酒飲める人はみんな凄いと言うか……」
「良かったらこの後、一緒にバーに行く?」
「え……?」
お酒飲めないって言ったのに、何でバーに?
「お酒にいいイメージ持ってなさそうだから。雰囲気だけでも楽しめたらいいと思って」
「なるほど。じゃあ行ってみようかな」
お酒目当てではなく、月島君に誘われたのが嬉しくて、バーに行ってみることにした。
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