素直になあれ
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~素直になあれ~
「月島君、勉強教えて!」
烏野高校の進学クラスに入学できたはいいものの、繰り上げ合格のため、授業に付いていけずに大変な思いをしている。
「え、嫌だけど」
「隣の席のよしみでお願い!」
気だるげに話す彼はクラスで恐らく一番成績が良い月島蛍君。
彼とは入学早々席が隣同士になったのがきっかけで話すようになった。
「いつの話をしてるのさ。もう隣の席じゃないデショ」
「細かいことはいいから、いいから」
先月の席替えで離れてしまったが、何かと隣の席のよしみを使い、私が一方的に話しかけている。
「次のテストで赤点取ったら部活辞めさせられるの!」
「僕には関係ないね」
月島君はもういいでしょ、と言う態度でヘッドフォンをかけ直そうとした。
「待って!待って!駅前の洋菓子店のシュークリーム!」
先日月島君が山口君にポロっと話していたお店のシュークリーム。
盗み聞きとは言え月島君は甘い物好きなんだ、と印象に残っていた。
「……2個ね」
一瞬悩んだ素振りを見せたが、こうしてシュークリーム2個と引き換えに勉強を教えてもらう約束を取り付けた。
ーーーー
昼休みになり、月島君の席には他のクラスの男子が集まっていた。
元気の良い小柄な子と、目付きの鋭い長身の子。
「月島!勉強教えてくれ!」
「……しゃす」
あれ、デジャヴ?今朝、私も月島君に言ったセリフ。
「部活前後だけって話だったよね?営業時間内に出直してくださーい」
そう言ってヘッドフォンを装着してシャットアウトする月島君。
本当に月島君って人気なんだなー……じゃなくて、もしかして私も月島君に迷惑をかけている?
でも、ごめん!部活辞めたくないから気付かなかったことにするね。
見返りにシュークリームも渡すし。
その後、渋々教室を出ていった二人の後を山口君が追いかけていった。
月島君と良く一緒にいる印象の山口君。
クラス内で最下位の私にとっては皆私よりも頭が良い。
私もさっきみたいに呆れられたら山口君に教えてもらおうかな。
教科書を持ってウロウロしていると、月島君の方から話しかけてくれた。
「なにしてるのさ。分からないところがあるんでしょ?」
「え、いいの?」
「後で報酬貰うから」
はいはい、分かっていました。
私が特別なんじゃなくて、あくまでシュークリームのおかげ。
この際シュークリームでもエクレアでも勉強を教えてくれるならどっちでもいい。
昼休み時間ギリギリまで教えて貰った。
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