私の苦手な人
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
あれからしばらくして、私はとある場面に出くわしてしまった。
更に佐久早君のことが苦手になる出来事。
「佐久早君!」
彼女の呼ぶ声が、廊下に響く。
その声に、私の足はぴたりと止まった。
同じクラスの佐久早君を呼び止めたのは、見慣れない他クラスの女子生徒。
彼女の背中は、まるで勇気を振り絞るように、ピンと伸びていた。
そんな場面に堂々と踏み込んでいけるほどの図太さなど持ち合わせていない。
私は咄嗟に近くのロッカーの陰に身を隠す。
ただ、これではまるで盗み聞きをしているみたいで、胸の奥がチクリと痛む。
だけど、好奇心と罪悪感が混ざり合った感情に、足は動かなかった。
私の葛藤など知る由もなく、女子生徒は話を続ける。
声が少し震えているのは、緊張しているからだろうか。
「佐久早君、今度、大きな大会に出るんだよね?応援したくて、これ作ったんだけど……」
彼女は頬を赤らめながら、両手で大事そうに持っていたものを佐久早君に差し出した。
それは、手のひらにすっぽり収まるほどの小さな包み。
淡いピンク色の包装紙に、赤いリボンが丁寧に結ばれている。
「クッキーなんだけど、佐久早君は甘い物好きかな?」
彼女の瞳は、期待に満ちてキラキラと輝いている。
その輝きが、佐久早君の言葉で無残にも打ち砕かれるのを見て、私は息を飲んだ。
「誰だか知らないヤツが捏ねくり回した物なんて食えない」
その冷たい言葉は、氷の刃のように彼女の心臓を貫いたに違いない。
彼女も、少し前の私と同じで、佐久早君が潔癖症なのを知らなかったのか。
彼はそれだけ言い捨てると、まるで何事もなかったかのように、スタスタと歩き去っていく。
ただ1人、廊下の真ん中に取り残された彼女の背中が、小刻みに震えているのが見えた。
遠くから見ていることしかできない自分が歯痒かった。
声をかける勇気も、手を差し伸べることもできない。
ただ、見て見ぬふりをして、そっと彼女の横を通り過ぎることしかできなかった。
更に佐久早君のことが苦手になる出来事。
「佐久早君!」
彼女の呼ぶ声が、廊下に響く。
その声に、私の足はぴたりと止まった。
同じクラスの佐久早君を呼び止めたのは、見慣れない他クラスの女子生徒。
彼女の背中は、まるで勇気を振り絞るように、ピンと伸びていた。
そんな場面に堂々と踏み込んでいけるほどの図太さなど持ち合わせていない。
私は咄嗟に近くのロッカーの陰に身を隠す。
ただ、これではまるで盗み聞きをしているみたいで、胸の奥がチクリと痛む。
だけど、好奇心と罪悪感が混ざり合った感情に、足は動かなかった。
私の葛藤など知る由もなく、女子生徒は話を続ける。
声が少し震えているのは、緊張しているからだろうか。
「佐久早君、今度、大きな大会に出るんだよね?応援したくて、これ作ったんだけど……」
彼女は頬を赤らめながら、両手で大事そうに持っていたものを佐久早君に差し出した。
それは、手のひらにすっぽり収まるほどの小さな包み。
淡いピンク色の包装紙に、赤いリボンが丁寧に結ばれている。
「クッキーなんだけど、佐久早君は甘い物好きかな?」
彼女の瞳は、期待に満ちてキラキラと輝いている。
その輝きが、佐久早君の言葉で無残にも打ち砕かれるのを見て、私は息を飲んだ。
「誰だか知らないヤツが捏ねくり回した物なんて食えない」
その冷たい言葉は、氷の刃のように彼女の心臓を貫いたに違いない。
彼女も、少し前の私と同じで、佐久早君が潔癖症なのを知らなかったのか。
彼はそれだけ言い捨てると、まるで何事もなかったかのように、スタスタと歩き去っていく。
ただ1人、廊下の真ん中に取り残された彼女の背中が、小刻みに震えているのが見えた。
遠くから見ていることしかできない自分が歯痒かった。
声をかける勇気も、手を差し伸べることもできない。
ただ、見て見ぬふりをして、そっと彼女の横を通り過ぎることしかできなかった。
