Perfume

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ーーおまけ(佐久早side)ーー


どいつもこいつも不衛生だ。
口を抑えずにくしゃみをしたり、飲み物を回し飲みしたり。極めつけは匂いだ。

春過ぎとは言え暖かい日が続いている日々。
知らない間に汗をかいているのを気付いていないのか。

特に香水で匂いを誤魔化すやつなんて論外だ。

だけど、クラスで1人だけいつも無臭、とは違うけど不快にならない匂い人がいる。

◯◯●●さん。

頻繁に席を立つから、恐らく匂いのケアをしているんだろう。
好感が持てる。

そんなある日、彼女からいつもと違う匂いが漂ってきた。
キツい香水の匂い。

ああ、彼女も他の奴らと同じか。結局は香水を好んで使う人種。

幻滅した。

しかし次の体育の授業の移動中、除菌スプレーを教室に忘れていることに気が付き取りに戻ると、◯◯さんとすれ違った。

ああ、あの臭い匂い……じゃない?

俺は咄嗟に◯◯さんの腕を掴んだ。


「え、何?!」


驚いた顔をした◯◯さん。


「あ、いや、なんでもない」


俺は自分で取った行動に理解が出来ず、そそくさと逃げるように教室へと走った。

思ったより細い腕だった。そして、不快に感じなかった。
人なんて知らない間に何を触っているか分からないバイ菌と同然だと思っていたのに。

何故触れることかできたのか分からず、それ以来観察するように◯◯さんを見る日が続いた。
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