器用なキミが不器用になるとき
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ーーおまけ(木葉side)ーー
インハイの翌日。
大会の次の日とは言え朝練はいつも通りあるわけで、そんなルーティンを終えてから教室へ行くと、
「木葉君、おはよう」
少し遅れて隣の席の◯◯さんが登校してきた。
「おはよう、◯◯さん」
「試合見たよ」
彼女も同じ体育館のサブアリーナで大会があったらしく、そのときに何故かメインアリーナで会った。
だから、時間があれば応援してほしいと伝えたけど、本当にしてくれていたとは。
会場は所構わず声援が飛んでいたし、木兎のコンディションを気にしながらだったから、◯◯さんの応援に気が付かなかった。
それなのに、
「木兎が上手いのは知っていたけど、木葉君も負けず劣らず上手いんだね」
初めて木兎じゃなくて俺を見てくれる子がいた。
嬉しかった。
だから、そんな事を言ってくれた◯◯さんの助けになりたくて、早速授業中に困っていた彼女に助け舟を出した。
彼女に俺のノートを見やすいように近づけて答えの箇所をペンで指す。
それなのに俺のノートを一瞬見たかと思えば、
「すみません、分かりません」
何故か彼女は正直に出来なかったことを認めた。
その挙げ句、授業終わりに、
「ねえ木葉君。答えを教えようとしてれた気持ちは嬉しいけど、今度からあんなことしなくていいから」
なんて言われる始末。
近藤に同じことをしたら喜んでくれるのに。
ただ助けになりたかっただけなのに、上手くいかない。
また別の日には、
「ごめん、木葉君。消しゴム取ってくれない?」
俺の足元に転がってきた◯◯さんの消しゴム。
普通に拾って、普通に彼女の差し出された手に置けばいいだけなのに、何故か手に触れることを考えたら緊張して、それができなかった。
だから、咄嗟に彼女の机に置いたけれど、差し出された手を無視したことに◯◯さんはきっと不審がっている。
そんな表情を見れなくて、授業に集中することにした。
そう言えばこんな事もあった。
お昼休みに近藤と楽しそうにスマホを見ていた◯◯さん。
気になって覗いてみると加工済の写真だった。
「目デカすぎ」
思わず漏れた本音。
口に出してから後悔した。
ワーワー言ってくる近藤の隣で俯いている◯◯さん。
彼女を傷付けてしまったのだ。
加工しなくても可愛いからわざわざそんなことしなくてもいいのに、と言う意味だったのに、何故か彼女の前では上手く言葉が出ない。
俺は逃げるように2人の元から離れた。
極めつけには、いつの日にか◯◯さんが近藤と話していたコンビニスイーツも、たまたま見かけたから買ってみたものの、恥ずかしくて渡せず、結局自分で食べてしまったし。
「どこが器用貧乏なんだろう……」
ボソッと言った◯◯さんの何気ない言葉に本当にそう思った。
もしかして、不器用な態度をとって彼女に変に思われているかもしれない。
それだけは阻止しないと。
後日、俺の気持ちを伝えないと。
だけど、なんて……?
何を伝えれば良いのか。
そもそも何故俺はこんなにも誤解されたくないのか。
話すまでに気持ちの整理ができればいいが……。
インハイの翌日。
大会の次の日とは言え朝練はいつも通りあるわけで、そんなルーティンを終えてから教室へ行くと、
「木葉君、おはよう」
少し遅れて隣の席の◯◯さんが登校してきた。
「おはよう、◯◯さん」
「試合見たよ」
彼女も同じ体育館のサブアリーナで大会があったらしく、そのときに何故かメインアリーナで会った。
だから、時間があれば応援してほしいと伝えたけど、本当にしてくれていたとは。
会場は所構わず声援が飛んでいたし、木兎のコンディションを気にしながらだったから、◯◯さんの応援に気が付かなかった。
それなのに、
「木兎が上手いのは知っていたけど、木葉君も負けず劣らず上手いんだね」
初めて木兎じゃなくて俺を見てくれる子がいた。
嬉しかった。
だから、そんな事を言ってくれた◯◯さんの助けになりたくて、早速授業中に困っていた彼女に助け舟を出した。
彼女に俺のノートを見やすいように近づけて答えの箇所をペンで指す。
それなのに俺のノートを一瞬見たかと思えば、
「すみません、分かりません」
何故か彼女は正直に出来なかったことを認めた。
その挙げ句、授業終わりに、
「ねえ木葉君。答えを教えようとしてれた気持ちは嬉しいけど、今度からあんなことしなくていいから」
なんて言われる始末。
近藤に同じことをしたら喜んでくれるのに。
ただ助けになりたかっただけなのに、上手くいかない。
また別の日には、
「ごめん、木葉君。消しゴム取ってくれない?」
俺の足元に転がってきた◯◯さんの消しゴム。
普通に拾って、普通に彼女の差し出された手に置けばいいだけなのに、何故か手に触れることを考えたら緊張して、それができなかった。
だから、咄嗟に彼女の机に置いたけれど、差し出された手を無視したことに◯◯さんはきっと不審がっている。
そんな表情を見れなくて、授業に集中することにした。
そう言えばこんな事もあった。
お昼休みに近藤と楽しそうにスマホを見ていた◯◯さん。
気になって覗いてみると加工済の写真だった。
「目デカすぎ」
思わず漏れた本音。
口に出してから後悔した。
ワーワー言ってくる近藤の隣で俯いている◯◯さん。
彼女を傷付けてしまったのだ。
加工しなくても可愛いからわざわざそんなことしなくてもいいのに、と言う意味だったのに、何故か彼女の前では上手く言葉が出ない。
俺は逃げるように2人の元から離れた。
極めつけには、いつの日にか◯◯さんが近藤と話していたコンビニスイーツも、たまたま見かけたから買ってみたものの、恥ずかしくて渡せず、結局自分で食べてしまったし。
「どこが器用貧乏なんだろう……」
ボソッと言った◯◯さんの何気ない言葉に本当にそう思った。
もしかして、不器用な態度をとって彼女に変に思われているかもしれない。
それだけは阻止しないと。
後日、俺の気持ちを伝えないと。
だけど、なんて……?
何を伝えれば良いのか。
そもそも何故俺はこんなにも誤解されたくないのか。
話すまでに気持ちの整理ができればいいが……。
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