器用なキミが不器用になるとき
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モヤモヤしたまま数日が経った。
そんなある日の授業終わり。
帰り支度をしていると、意外な人物に話しかけられた。
「◯◯さん」
「木葉君……何?」
そこには私と視線を合わせようとしない木葉君が立っていた。
「ちょっと話したいことがあるんだけど」
「いいけど、お互いこの後部活でしょ?時間大丈夫?」
そう、私も木葉君もまだ部活を引退していない。
話が長くなるようなら、明日の休み時間にでも話せばいいのに。
それなのに、
「直ぐ終わるから!だから、少しだけ……」
ようやく目が合った木葉君に必死にお願いされたら断るに断れない。
「分かった……」
教室にはいつの間にか私と木葉君の2人だけになっていた。
もしかして、このタイミングだから話しかけてきたの?
「前、近藤さんと話しているとき、◯◯さん俺のこと、どこが器用貧乏なんだって言ったよな?」
「あっ……うん」
聞こえていないと思っていたのに、どうやら聞こえていたようだ。
「あ、別に怒っているとか、そんなんじゃないから!」
私が気まずそうにしていたからか、木葉君はそんな前置きをしてから続きを話し始めた。
「俺、多分……◯◯さんに対してだけ器用じゃなくなる」
「えっ?」
どう言う意味?私にだけ?
「自分でもよく分かんねぇんだけど、◯◯さんを前にすると上手く接することができないって言うか……」
「……」
「ま、そう言うわけで、◯◯さんのことが嫌いだとか苦手だから変な態度を取っている訳じゃないから!それだけは勘違いして欲しくなくて!」
「う、うん……」
私が何かしたから変な態度を取っていないことは分かった。
それと同時に浮かぶもう1つの疑問。
じゃあ、なんで私の前でだけ上手く接する事が出来ないのか。
そんなの……そんなの……。
私が答えを出す前に、
「それが言いたかっただけだから。呼び止めて悪かったな。それじゃあ部活行くか!」
木葉君は言いたいことが言えて満足したのか、途中まで一緒に部活へ行こうと誘ってきた。
だけど私は、
「少ししたら行くから、先に行っていいよ」
「そうか。じゃあ先に行くな!」
パタパタと教室から出ていく木葉君を見送る。
彼は気が付いていないようだったけれど、あんな言われ方したら……まるで……。
さっきまでの私は普通に対応できただろうか。
だとしても、途中までとは言え一緒に部活へなんて行けるはずがない。
これ以上一緒にいたら動揺が隠せなさそうだったから。
「木葉君……私のこと好きなの?」
本人も自覚していないことを私なんかが尚更分かるはずがない。
だけど、そう思っても仕方がないことを彼はしたのだ。
「はぁ〜」
ため息が出る。
明日からどんな顔して会えばいいのよ。
私も荷物を持って教室を後にした。
ーーFinーー
そんなある日の授業終わり。
帰り支度をしていると、意外な人物に話しかけられた。
「◯◯さん」
「木葉君……何?」
そこには私と視線を合わせようとしない木葉君が立っていた。
「ちょっと話したいことがあるんだけど」
「いいけど、お互いこの後部活でしょ?時間大丈夫?」
そう、私も木葉君もまだ部活を引退していない。
話が長くなるようなら、明日の休み時間にでも話せばいいのに。
それなのに、
「直ぐ終わるから!だから、少しだけ……」
ようやく目が合った木葉君に必死にお願いされたら断るに断れない。
「分かった……」
教室にはいつの間にか私と木葉君の2人だけになっていた。
もしかして、このタイミングだから話しかけてきたの?
「前、近藤さんと話しているとき、◯◯さん俺のこと、どこが器用貧乏なんだって言ったよな?」
「あっ……うん」
聞こえていないと思っていたのに、どうやら聞こえていたようだ。
「あ、別に怒っているとか、そんなんじゃないから!」
私が気まずそうにしていたからか、木葉君はそんな前置きをしてから続きを話し始めた。
「俺、多分……◯◯さんに対してだけ器用じゃなくなる」
「えっ?」
どう言う意味?私にだけ?
「自分でもよく分かんねぇんだけど、◯◯さんを前にすると上手く接することができないって言うか……」
「……」
「ま、そう言うわけで、◯◯さんのことが嫌いだとか苦手だから変な態度を取っている訳じゃないから!それだけは勘違いして欲しくなくて!」
「う、うん……」
私が何かしたから変な態度を取っていないことは分かった。
それと同時に浮かぶもう1つの疑問。
じゃあ、なんで私の前でだけ上手く接する事が出来ないのか。
そんなの……そんなの……。
私が答えを出す前に、
「それが言いたかっただけだから。呼び止めて悪かったな。それじゃあ部活行くか!」
木葉君は言いたいことが言えて満足したのか、途中まで一緒に部活へ行こうと誘ってきた。
だけど私は、
「少ししたら行くから、先に行っていいよ」
「そうか。じゃあ先に行くな!」
パタパタと教室から出ていく木葉君を見送る。
彼は気が付いていないようだったけれど、あんな言われ方したら……まるで……。
さっきまでの私は普通に対応できただろうか。
だとしても、途中までとは言え一緒に部活へなんて行けるはずがない。
これ以上一緒にいたら動揺が隠せなさそうだったから。
「木葉君……私のこと好きなの?」
本人も自覚していないことを私なんかが尚更分かるはずがない。
だけど、そう思っても仕方がないことを彼はしたのだ。
「はぁ〜」
ため息が出る。
明日からどんな顔して会えばいいのよ。
私も荷物を持って教室を後にした。
ーーFinーー