器用なキミが不器用になるとき
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ある日の数学の授業中。
「最初に、この前の問題の答え合わせをする。当たったものは立って式と答えを言っていけ」
先生が授業の続きを始める前に、前回の課題の答え合わせをするとのことで、私は該当箇所のノートのページを開いた。
「じゃあ、佐藤から後ろへ進んでくから」
順々に丸を付けていくと、後半に空白になっている箇所があることに気が付いた。
難しくて後回しにした問題だ。
その問題に当たらないことを願いつつ、順番を数えていくと、運が悪いことに恐らくその問題を答えるのは私だった。
最悪……。
丸付けをそっちのけで、今から急いで解いてみるものの、散々考えて分からなかった問題が、こんな限られた時間の中で解けるとは思えない。
案の定、解けないままタイムリミットがやってきた。
「次の問題……◯◯、答えろ」
「はい……」
ひとまず席を立つけれど、何度見ても私のノートに答えはない。
困っていると、隣の席の木葉君のノートが異様にこちらの机に侵食していることに気が付いた。
かと思えば、私が答える問題の場所を分かりやすくペンで指している。
ユミが言っていた困っていると助けてくれる、と言うのはこのことか。
だけど、
「すみません、分かりません」
私はあえてそれを見ないようにし、素直に出来なかったことを先生に伝えた。
「なんだ、しっかりしろよ」
「すみません……」
「座れ。じゃあ……園田、答えろ」
教室内のどこからか、当たる問題がズレた、とヒソヒソ声が聞こえてくる。
ーーーー
授業終わり。
私は木葉君に先ほどの授業について言いたいことがあった。
「ねえ木葉君。答えを教えようとしてれた気持ちは嬉しいけど、今度からあんなことしなくていいから」
「悪い。出過ぎた真似した」
「ううん。私の方こそごめんね」
別に木葉君の解答を疑ったわけではない。
彼の方が頭が良い事は重々承知。
ただ、散々ユミには木葉君を頼るなと言いつつ、私がそれを守らないのは違うと思ったから。
単なる意地だ。
「最初に、この前の問題の答え合わせをする。当たったものは立って式と答えを言っていけ」
先生が授業の続きを始める前に、前回の課題の答え合わせをするとのことで、私は該当箇所のノートのページを開いた。
「じゃあ、佐藤から後ろへ進んでくから」
順々に丸を付けていくと、後半に空白になっている箇所があることに気が付いた。
難しくて後回しにした問題だ。
その問題に当たらないことを願いつつ、順番を数えていくと、運が悪いことに恐らくその問題を答えるのは私だった。
最悪……。
丸付けをそっちのけで、今から急いで解いてみるものの、散々考えて分からなかった問題が、こんな限られた時間の中で解けるとは思えない。
案の定、解けないままタイムリミットがやってきた。
「次の問題……◯◯、答えろ」
「はい……」
ひとまず席を立つけれど、何度見ても私のノートに答えはない。
困っていると、隣の席の木葉君のノートが異様にこちらの机に侵食していることに気が付いた。
かと思えば、私が答える問題の場所を分かりやすくペンで指している。
ユミが言っていた困っていると助けてくれる、と言うのはこのことか。
だけど、
「すみません、分かりません」
私はあえてそれを見ないようにし、素直に出来なかったことを先生に伝えた。
「なんだ、しっかりしろよ」
「すみません……」
「座れ。じゃあ……園田、答えろ」
教室内のどこからか、当たる問題がズレた、とヒソヒソ声が聞こえてくる。
ーーーー
授業終わり。
私は木葉君に先ほどの授業について言いたいことがあった。
「ねえ木葉君。答えを教えようとしてれた気持ちは嬉しいけど、今度からあんなことしなくていいから」
「悪い。出過ぎた真似した」
「ううん。私の方こそごめんね」
別に木葉君の解答を疑ったわけではない。
彼の方が頭が良い事は重々承知。
ただ、散々ユミには木葉君を頼るなと言いつつ、私がそれを守らないのは違うと思ったから。
単なる意地だ。