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「縁下、今日はありがとうな、また頼む」
「少しは自習勉強もやれよ?さすがに毎回は無理だからな」
「田中もありがとう、冴子姉さんにもよろしく!」
「次は私もお菓子と飲み物持参するね!」
場所を貸してくれた田中と、勉強を教えてくれた縁下に、皆が代わる代わるお礼を言った。
夜空の下、私たちは田中の家を後にした。
「次はいつ集まる?」
「取り敢えず、部活の前後もやらないとな」
木下と縁下が、歩きながらも次の予定の話を始めた。
そうか、みんなバレー部だもんね……。
それを聞きながら、自然に集まれる彼らの環境を羨ましく思った。
やがて、大きな分かれ道に差し掛かった。
西谷、木下、成田がそれぞれの帰路につこうとすると、縁下が私の方を向いた。
「方向同じだし、◯◯は俺が送って行くよ」
彼の提案に、少し胸がときめいた。
他の皆とはここで別れ、私と縁下の2人だけになった。
「縁下、今日は本当にありがとう。また教えてね」
自転車を引く縁下の隣を歩く私。
先程まで大勢でワイワイ話していたせいか、2人きりの話し声と、自転車のタイヤがアスファルトをキリキリと擦る音が、やけに静かな住宅街に響くように感じた。
「◯◯は田中と西谷と違って地頭悪くないだろうし、大丈夫だろう」
縁下はそう言ってくれたけれど、私はまだ不安だった。
「大丈夫って言われても……。そうだ!モチベーション上がるようなご褒美頂戴よ。縁下先生から!」
「なんで俺が用意しないといけないんだよ」
縁下は口では文句を言っていたけれど、頬は少し緩んでいる。
何だかんだ考えてくれるに違いない。
案の定、彼は顎に手を当て、真面目に考え始めた。
「うーん……じゃあ、赤点1個もなかったら、どこか一緒に出掛ける……とか?」
縁下はすぐに、「こんなんじゃご褒美にならないか」と笑って、その提案をなかったことにしようとしていた。
だけど、そうはさせない。
「いいね、出掛けようよ。デートだ!」
私がはっきりと言うと、縁下は少し目を丸くして、引いていた自転車がわずかにぐらついた。
「デ、デート?!」
照れたように繰り返す縁下の様子に、私は笑いそうになった。
「どこに行こうかな〜」
デートらしいと言えば、やはり映画館だろうか。
そんなことを考えていると、先日ネットニュースで見た恋愛映画のことを思い出した。
確か“この夏、永遠の愛が生まれる”というキャッチコピーだったはずだ。
縁下は恋愛物に興味はあるたろうか。
時期的にちょうどいいし、この映画を見て、少しは私のことを意識してほしい。
勇気を出して、私は少し核心に触れるような質問を投げかけた。
「ねえ、縁下。永遠の愛って、あると思う?」
「えっ!なんだよ急に!」
縁下は動揺して、引いていた自転車が大きくぐらついた。
驚くのも無理はない。
出掛ける場所を考えていると思ったら、こんなことを言われたんだもの。
私は急いで「見たい映画のキャッチコピーだ」と説明しようとした。
すると、縁下は、私の言葉を遮るようにポツリと言った。
「……なんか、真っ直ぐ言われてドキッとした」
彼はそっと視線を逸らし、照れ臭そうに自分の感情を漏らした。
ドキッとしてくれたの……?
その言葉だけで、胸が熱くなった。
少しの沈黙の後、縁下は夜の道を真っ直ぐ見つめて、穏やかな声で続けた。
「あるといいな、永遠の愛。その方が、夢があるだろ」
「そうだね」
私はすっかり、映画のキャッチコピーだと説明するタイミングを逃してしまった。
ーーFinーー
「少しは自習勉強もやれよ?さすがに毎回は無理だからな」
「田中もありがとう、冴子姉さんにもよろしく!」
「次は私もお菓子と飲み物持参するね!」
場所を貸してくれた田中と、勉強を教えてくれた縁下に、皆が代わる代わるお礼を言った。
夜空の下、私たちは田中の家を後にした。
「次はいつ集まる?」
「取り敢えず、部活の前後もやらないとな」
木下と縁下が、歩きながらも次の予定の話を始めた。
そうか、みんなバレー部だもんね……。
それを聞きながら、自然に集まれる彼らの環境を羨ましく思った。
やがて、大きな分かれ道に差し掛かった。
西谷、木下、成田がそれぞれの帰路につこうとすると、縁下が私の方を向いた。
「方向同じだし、◯◯は俺が送って行くよ」
彼の提案に、少し胸がときめいた。
他の皆とはここで別れ、私と縁下の2人だけになった。
「縁下、今日は本当にありがとう。また教えてね」
自転車を引く縁下の隣を歩く私。
先程まで大勢でワイワイ話していたせいか、2人きりの話し声と、自転車のタイヤがアスファルトをキリキリと擦る音が、やけに静かな住宅街に響くように感じた。
「◯◯は田中と西谷と違って地頭悪くないだろうし、大丈夫だろう」
縁下はそう言ってくれたけれど、私はまだ不安だった。
「大丈夫って言われても……。そうだ!モチベーション上がるようなご褒美頂戴よ。縁下先生から!」
「なんで俺が用意しないといけないんだよ」
縁下は口では文句を言っていたけれど、頬は少し緩んでいる。
何だかんだ考えてくれるに違いない。
案の定、彼は顎に手を当て、真面目に考え始めた。
「うーん……じゃあ、赤点1個もなかったら、どこか一緒に出掛ける……とか?」
縁下はすぐに、「こんなんじゃご褒美にならないか」と笑って、その提案をなかったことにしようとしていた。
だけど、そうはさせない。
「いいね、出掛けようよ。デートだ!」
私がはっきりと言うと、縁下は少し目を丸くして、引いていた自転車がわずかにぐらついた。
「デ、デート?!」
照れたように繰り返す縁下の様子に、私は笑いそうになった。
「どこに行こうかな〜」
デートらしいと言えば、やはり映画館だろうか。
そんなことを考えていると、先日ネットニュースで見た恋愛映画のことを思い出した。
確か“この夏、永遠の愛が生まれる”というキャッチコピーだったはずだ。
縁下は恋愛物に興味はあるたろうか。
時期的にちょうどいいし、この映画を見て、少しは私のことを意識してほしい。
勇気を出して、私は少し核心に触れるような質問を投げかけた。
「ねえ、縁下。永遠の愛って、あると思う?」
「えっ!なんだよ急に!」
縁下は動揺して、引いていた自転車が大きくぐらついた。
驚くのも無理はない。
出掛ける場所を考えていると思ったら、こんなことを言われたんだもの。
私は急いで「見たい映画のキャッチコピーだ」と説明しようとした。
すると、縁下は、私の言葉を遮るようにポツリと言った。
「……なんか、真っ直ぐ言われてドキッとした」
彼はそっと視線を逸らし、照れ臭そうに自分の感情を漏らした。
ドキッとしてくれたの……?
その言葉だけで、胸が熱くなった。
少しの沈黙の後、縁下は夜の道を真っ直ぐ見つめて、穏やかな声で続けた。
「あるといいな、永遠の愛。その方が、夢があるだろ」
「そうだね」
私はすっかり、映画のキャッチコピーだと説明するタイミングを逃してしまった。
ーーFinーー
