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ホームルームにて、担任の先生が個別にプリントを配り始めた。
この時期に配られるプリントの内容は、大方予想がつく。
「該当者は、このプリントをよく読んどけよー」
私は配られたプリントを見て、小さくため息を吐いた。
見慣れた、いつもの定型文。
特定の生徒だけが招集される、お馴染みのイベント。
一難去ってまた一難とは、まさにこのこと。
……。
…………。
休み時間になり、指定された教室に入ると、そこには見慣れた顔ぶれが揃っていた。
廊下側の席に座って大人しく待っていると、学年主任の先生が重々しい足音を立てて入ってきた。
「お前ら、先生が言いたいこと分かるよな」
学年主任の先生は、集められた生徒たちの顔を一人一人、値踏みするように見渡しながら言った。
「今度の期末テスト、赤点取ったら夏休みがないと思えよ」
そう、集められた特定の生徒とは赤点常習犯のことだ。
先生の説教は続く。
「お前らは何のためにこの学校に入ったんだ?部活をやるためか?家が近いからか?本心はどうあれ、学生の本分である勉強を疎かにするな!」
集められる度に聞かされる、ありがたいお言葉を右から左へ聞き流す。
他の生徒たちも同様、聞いているフリをしてその場をやり過ごしている。
やがて説教が終わり、私たちはようやく解放された。
学年主任の先生が教室を出ていくのを確認すると、私は近くの席に座っていた西谷と田中に話しかけた。
「やっと話が終わったね」
西谷と田中とは、1度も同じクラスになったことないにも関わらず、お互いこの集まりの常連になりすぎて、仲良くなった。
そして、その繋がりで、西谷と田中と同じ部活である縁下とも関わるようになった。
そうでなければ、普通クラスの私に特進クラスの縁下との接点なんて、一生できなかっただろう。
田中は顔を青くしていた。
「俺ら、今年は東京遠征に行かないといけないから、絶対に赤点取れねぇんだ」
西谷も神妙な面持ちだ。
「だから、すまねぇ、◯◯。赤点補習は1人で受けてくれ……」
「裏切り者!」
私は大げさに嘆いてみせた。
いつも一緒に赤点補習を受け、夏休みにエアコンの効いた教室で課題をするのが、恒例のイベントだったのに。
でも、彼らのやる気が本気だとしても、人は急に頭は良くならない。
彼らが何らかの計画を立てていることは明らかだ。
「で?どうやって勉強するのよ。まさか一夜漬け?」
興味本意で聞いてみると、田中は胸を張った。
「まずは、授業中寝ないことだな!」
その段階から?!
思わず突っ込みそうになるのを堪えた。
次に、西谷が興奮気味に話を続けた。
「あとは、縁下に勉強教えてもらう!」
その言葉に、私の心臓が小さく跳ねた。
「ズルい!私も教えて欲しい」
田中はあっさりと言った。
「おう、どうせ俺らの家でやるんだ。◯◯も来いよ」
「いいの?!」
「もちろん!同じ穴の狢だろ!」
西谷も笑った。
「ありがとう!」
例え勉強会だとしても、少しでも縁下と関わる時間が嬉しかった。
彼と過ごせて、おまけに赤点対策までできるなんて、まさに一石二鳥。
期末テストの不安が一瞬にして吹き飛んだ。
私の頭の中は、次の週末の勉強会の予定でいっぱいになっていた。
この時期に配られるプリントの内容は、大方予想がつく。
「該当者は、このプリントをよく読んどけよー」
私は配られたプリントを見て、小さくため息を吐いた。
見慣れた、いつもの定型文。
特定の生徒だけが招集される、お馴染みのイベント。
一難去ってまた一難とは、まさにこのこと。
……。
…………。
休み時間になり、指定された教室に入ると、そこには見慣れた顔ぶれが揃っていた。
廊下側の席に座って大人しく待っていると、学年主任の先生が重々しい足音を立てて入ってきた。
「お前ら、先生が言いたいこと分かるよな」
学年主任の先生は、集められた生徒たちの顔を一人一人、値踏みするように見渡しながら言った。
「今度の期末テスト、赤点取ったら夏休みがないと思えよ」
そう、集められた特定の生徒とは赤点常習犯のことだ。
先生の説教は続く。
「お前らは何のためにこの学校に入ったんだ?部活をやるためか?家が近いからか?本心はどうあれ、学生の本分である勉強を疎かにするな!」
集められる度に聞かされる、ありがたいお言葉を右から左へ聞き流す。
他の生徒たちも同様、聞いているフリをしてその場をやり過ごしている。
やがて説教が終わり、私たちはようやく解放された。
学年主任の先生が教室を出ていくのを確認すると、私は近くの席に座っていた西谷と田中に話しかけた。
「やっと話が終わったね」
西谷と田中とは、1度も同じクラスになったことないにも関わらず、お互いこの集まりの常連になりすぎて、仲良くなった。
そして、その繋がりで、西谷と田中と同じ部活である縁下とも関わるようになった。
そうでなければ、普通クラスの私に特進クラスの縁下との接点なんて、一生できなかっただろう。
田中は顔を青くしていた。
「俺ら、今年は東京遠征に行かないといけないから、絶対に赤点取れねぇんだ」
西谷も神妙な面持ちだ。
「だから、すまねぇ、◯◯。赤点補習は1人で受けてくれ……」
「裏切り者!」
私は大げさに嘆いてみせた。
いつも一緒に赤点補習を受け、夏休みにエアコンの効いた教室で課題をするのが、恒例のイベントだったのに。
でも、彼らのやる気が本気だとしても、人は急に頭は良くならない。
彼らが何らかの計画を立てていることは明らかだ。
「で?どうやって勉強するのよ。まさか一夜漬け?」
興味本意で聞いてみると、田中は胸を張った。
「まずは、授業中寝ないことだな!」
その段階から?!
思わず突っ込みそうになるのを堪えた。
次に、西谷が興奮気味に話を続けた。
「あとは、縁下に勉強教えてもらう!」
その言葉に、私の心臓が小さく跳ねた。
「ズルい!私も教えて欲しい」
田中はあっさりと言った。
「おう、どうせ俺らの家でやるんだ。◯◯も来いよ」
「いいの?!」
「もちろん!同じ穴の狢だろ!」
西谷も笑った。
「ありがとう!」
例え勉強会だとしても、少しでも縁下と関わる時間が嬉しかった。
彼と過ごせて、おまけに赤点対策までできるなんて、まさに一石二鳥。
期末テストの不安が一瞬にして吹き飛んだ。
私の頭の中は、次の週末の勉強会の予定でいっぱいになっていた。
