もう逃げない
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しばらく景色を堪能したあと、力は繋いでいた手を離して私の方へと向き直った。
あ、離しちゃうんだ。
もう少し繋いでいたかったなー。
「真面目な話をしていいか?」
「え、何?」
そんな前置きをされると、離された手を寂しがる場合ではなくなった。
「今だから言えるけど、俺、●●のこと嫌いじゃなかったよ」
「でも、好きでもなかったから振った……と」
高校のときの話。
気にはなっていたけど、今ここで話すことなの?
「違う違う、その逆」
「逆?」
「好きだったけどあのときは部活が忙しくて、●●のことを構えるか自信なかった」
確かに力は3年生になって部活の主将を任された。
野生児のような同級生に、問題児の後輩と手を焼いている話は何度か聞いたことがある。
「だから、それなら友達を継続させて、ときが来たら俺の方から告白しようと思ってたんだ」
「力……」
「それなのにお前は俺を避けるし、いざ部活を引退したら他の男と付き合ってるし」
「あ……」
忘れていた。
高校3年生のときに一瞬だけ付き合った男がいた。
力との関係がギクシャクして落ち込んでいたところに、俺と付き合ってみないか?と提案してきた男友達。
あのときは自暴自棄になって付き合ったけど、お互い何か違うねってなって1週間で別れた彼のことか。
もちろん身体の関係どころか手を繋いですらない。
そんな彼のことをまさか力がそのことを知っているとは。
「だから、俺、次に●●と会ったら自分の気持ちから逃げないって決めたんだ」
「えっ……?」
「もちろん結婚してたり彼氏がいたら別だけど」
「い、いないよっ!そんな人いない……」
知っている、と言う顔で微笑んだ力。
「●●、俺と付き合って欲しい」
「わ、私も力と付き合いたい!」
「本当か!」
「ちょっ……力!」
力は私に抱きついた。
周りにはポツポツと登山客はいたけど、みんな景色しか見ていなくて、誰も私たちのことなんか見ていない。
見つめ合う私たち。
言葉を発しなくても力が考えていることが分かった。
答えるように目を瞑る。
それを合図に力は私の唇に口付けを落とした。
ーーFinーー
あ、離しちゃうんだ。
もう少し繋いでいたかったなー。
「真面目な話をしていいか?」
「え、何?」
そんな前置きをされると、離された手を寂しがる場合ではなくなった。
「今だから言えるけど、俺、●●のこと嫌いじゃなかったよ」
「でも、好きでもなかったから振った……と」
高校のときの話。
気にはなっていたけど、今ここで話すことなの?
「違う違う、その逆」
「逆?」
「好きだったけどあのときは部活が忙しくて、●●のことを構えるか自信なかった」
確かに力は3年生になって部活の主将を任された。
野生児のような同級生に、問題児の後輩と手を焼いている話は何度か聞いたことがある。
「だから、それなら友達を継続させて、ときが来たら俺の方から告白しようと思ってたんだ」
「力……」
「それなのにお前は俺を避けるし、いざ部活を引退したら他の男と付き合ってるし」
「あ……」
忘れていた。
高校3年生のときに一瞬だけ付き合った男がいた。
力との関係がギクシャクして落ち込んでいたところに、俺と付き合ってみないか?と提案してきた男友達。
あのときは自暴自棄になって付き合ったけど、お互い何か違うねってなって1週間で別れた彼のことか。
もちろん身体の関係どころか手を繋いですらない。
そんな彼のことをまさか力がそのことを知っているとは。
「だから、俺、次に●●と会ったら自分の気持ちから逃げないって決めたんだ」
「えっ……?」
「もちろん結婚してたり彼氏がいたら別だけど」
「い、いないよっ!そんな人いない……」
知っている、と言う顔で微笑んだ力。
「●●、俺と付き合って欲しい」
「わ、私も力と付き合いたい!」
「本当か!」
「ちょっ……力!」
力は私に抱きついた。
周りにはポツポツと登山客はいたけど、みんな景色しか見ていなくて、誰も私たちのことなんか見ていない。
見つめ合う私たち。
言葉を発しなくても力が考えていることが分かった。
答えるように目を瞑る。
それを合図に力は私の唇に口付けを落とした。
ーーFinーー