もう逃げない
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「お待たせ」
私服の力にはどことなく親近感を覚えた。
おそらく制服の白衣と接骨院の消毒液のような匂いが緊張させていたんだと思う。
「この辺に旨い飯屋があるんだ」
「楽しみ!」
案内された和食料理屋さんは接骨院から近く、雰囲気の良いお店だった。
「俺はさばの味噌煮定食。●●は?」
「迷う……じゃあ、しょうが焼定食にしようかな」
「おっけー。すみませーん」
速やかに店員さんを呼び注文を済ませてくれた。
スマートだ。
そう言うところを見ると時間の経過を感じる。
お店だって昔はファストフードばかりだったのに。
まあ、高校生のお小遣いでなら仕方がないけど。
「はい、お待ちどーさん」
運ばれてきた料理はてらてらした生姜焼に大盛りキャベツ、色味用のプチトマト。後はご飯と味噌汁と小鉢が付いてきた。
「うわ~美味しそう。いただきます!」
最近は忙しくて暖かみのあるご飯を食べていなかったから、箸が止まらないほど美味しかった。
もしゃもしゃと食べていると力の視線が気になった。
「何よ、そんなに見てきて。あげないからね」
「いや、旨そうに食べるなーって。連れてきた甲斐があったよ」
そんなことを言われると、急に恥ずかしくなって、さっきまで大口を開けて食べていたのに、気になって出来なくなってしまう。
「ご飯はお代わり無料だからね」
「お代わりお願いします」
店員さんの呼び掛けに思わず答えてしまった。
数秒前に大口を開けて食べれない、と言ったのはどの口だ。
もうなんでもいいや。
今は美味しいご飯を堪能しよう。そう決めた。
ーーー
「ふ~お腹いっぱい」
「それは良かった」
お互いに完食した後、温かいお茶を啜りながらまったりとしていた。
そう言えばゆっくり話したいなんて思っていたのに、ご飯に夢中になってこれと言って中身のある会話はしていない。
卒業してからもバレーは続けていたの?結婚は?彼女はいるの?
……なんで、私を振ったの?
でも、まあ、今はお腹が満たされた余韻に浸っていたいからこんな話題出さなくてもいいか。
そろそろお茶も飲み終わる頃、
「なあ、●●。今度出掛けないか?」
「えっ……」
思わぬお誘いに驚いた。
「ほら、デスクワークばかりでどうせ身体を動かしてないだろ」
なんだ、デートかと思ったのに施術の一貫か。
正直身体を動かすくらいなら少しでも寝ていたい。
「運動した後の方が質の良い睡眠が取れるぞ」
私の心でも読んだかのような説得。
仕方がない。
「いいけど、お手を柔らかにね」
そんな口約束をしてお店を後にした。
私服の力にはどことなく親近感を覚えた。
おそらく制服の白衣と接骨院の消毒液のような匂いが緊張させていたんだと思う。
「この辺に旨い飯屋があるんだ」
「楽しみ!」
案内された和食料理屋さんは接骨院から近く、雰囲気の良いお店だった。
「俺はさばの味噌煮定食。●●は?」
「迷う……じゃあ、しょうが焼定食にしようかな」
「おっけー。すみませーん」
速やかに店員さんを呼び注文を済ませてくれた。
スマートだ。
そう言うところを見ると時間の経過を感じる。
お店だって昔はファストフードばかりだったのに。
まあ、高校生のお小遣いでなら仕方がないけど。
「はい、お待ちどーさん」
運ばれてきた料理はてらてらした生姜焼に大盛りキャベツ、色味用のプチトマト。後はご飯と味噌汁と小鉢が付いてきた。
「うわ~美味しそう。いただきます!」
最近は忙しくて暖かみのあるご飯を食べていなかったから、箸が止まらないほど美味しかった。
もしゃもしゃと食べていると力の視線が気になった。
「何よ、そんなに見てきて。あげないからね」
「いや、旨そうに食べるなーって。連れてきた甲斐があったよ」
そんなことを言われると、急に恥ずかしくなって、さっきまで大口を開けて食べていたのに、気になって出来なくなってしまう。
「ご飯はお代わり無料だからね」
「お代わりお願いします」
店員さんの呼び掛けに思わず答えてしまった。
数秒前に大口を開けて食べれない、と言ったのはどの口だ。
もうなんでもいいや。
今は美味しいご飯を堪能しよう。そう決めた。
ーーー
「ふ~お腹いっぱい」
「それは良かった」
お互いに完食した後、温かいお茶を啜りながらまったりとしていた。
そう言えばゆっくり話したいなんて思っていたのに、ご飯に夢中になってこれと言って中身のある会話はしていない。
卒業してからもバレーは続けていたの?結婚は?彼女はいるの?
……なんで、私を振ったの?
でも、まあ、今はお腹が満たされた余韻に浸っていたいからこんな話題出さなくてもいいか。
そろそろお茶も飲み終わる頃、
「なあ、●●。今度出掛けないか?」
「えっ……」
思わぬお誘いに驚いた。
「ほら、デスクワークばかりでどうせ身体を動かしてないだろ」
なんだ、デートかと思ったのに施術の一貫か。
正直身体を動かすくらいなら少しでも寝ていたい。
「運動した後の方が質の良い睡眠が取れるぞ」
私の心でも読んだかのような説得。
仕方がない。
「いいけど、お手を柔らかにね」
そんな口約束をしてお店を後にした。