安心する背丈
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翌週。
初めての生活委員の仕事の日がやってきた。
今日は朝早くに校門前に集まり、登校する生徒たちの身だしなみチェックをする。
勝手なイメージだけれど、こういった仕事は風紀委員がするものだと思っていた。
だけど、うちの学校には風紀委員がないため、代わりに生活委員が行っている。
眠い目を擦りながら校門へ行くと、既に当番の生徒たちが集まっていた。
その中には菅原先輩の姿も。
先輩はいち早く私に気付いて、明るく手を挙げた。
「●●ちゃん、こっち!」
にこやかに呼ばれて、自然と頬が緩む。
緊張しながらも、私は先輩の隣まで駆け足で近付いていった。
「菅原先輩、おはようございます」
「うん、おはよう。はい、これ。●●ちゃんの分」
そう言って、生活委員と書かれた腕章を渡された。
「ありがとうございます」
腕章を自分の腕に通す。
菅原先輩の腕にも着いている、同じ腕章。
なんだかお揃いの物を着けている気持ちになる。
実際は他の生活委員の先輩たちも着けているんだけれど。
浮かれていると、続けて身だしなみチェック項目、と書かれたプリントを手渡された。
「●●ちゃんは女子生徒をよろしくね。スカートの丈とリボンと校章と────」
委員会の集まりで事前に聞いていたから、やることは頭に入っている。
それなのに、菅原先輩は丁寧に1から説明してくれた。
私ってそんなに頼りなく見えるのかな?
それとも、それだけ気にかけてくれるってことかな?
ともあれ、身だしなみチェックが始まった。
時々、不満そうに渋る生徒もいる中、菅原先輩はどんな子にも分け隔てなく明るく接している。
厳しく注意する時も、必ず最後に、
「直してくれて、ありがとな」
と優しく声をかけている。
その姿を横で見ているだけで、私も少しずつ自信が湧いてくる気がした。
そうこうしているうちに、該当生徒を見つけた。
あの先輩、スカートの丈が短い。
「す、すみません、スカートの丈が短いのでクラスとお名前を教えてください」
怖そうな先輩だけれど、大丈夫。
そう思っていたら、
「は?ダル。少しくらい見逃してよ。そう言うアナタは逆に丈長いんじゃない?」
「こ、これは……!」
中学でほとんど背が伸びなかった私を気遣って、お母さんが高校では伸びるから、と少し長めのスカートを買ってくれたからだ。
だけど、そうか……。
長すぎても規定違反になるのか。
落ち込んでいると、
「悪い原田!この子、成長期なんだ。大目に見てくんね?」
と、後ろから菅原先輩がふっと間に入ってくれた。
「原田だってさ、背が伸びて丈が短くなっただけだろ?」
「はぁ?違っ……!」
原田先輩は、ちょっとバツが悪そうに視線をそらしながらも、
「……ウゼェ」
と小さく呟いてスカートの裾を少し下げてくれた。
「ありがとう、協力してくれて助かった」
菅原先輩がにこやかに笑いかけると、原田先輩もふいっとそっぽを向きながら、
「別に……」
と呟いてその場を去っていった。
私はというと、まだ少し胸がドキドキしていたけれど、菅原先輩にそっと背中を押される。
「大丈夫、大丈夫。勇気出してちゃんと言えたじゃん。人に注意するのは誰だってビビるべ。だけど、伝えなきゃいけない時は、しっかり伝えるのが大事なんだ」
優しい言葉に、胸の奥がじんわりあたたかくなる。
「菅原先輩……ありがとうございます」
「おう、何かあったらまた頼れよな!」
太陽の光が昇降口から差し込んで、菅原先輩の笑顔が少し眩しく見えた。
初めての生活委員の仕事の日がやってきた。
今日は朝早くに校門前に集まり、登校する生徒たちの身だしなみチェックをする。
勝手なイメージだけれど、こういった仕事は風紀委員がするものだと思っていた。
だけど、うちの学校には風紀委員がないため、代わりに生活委員が行っている。
眠い目を擦りながら校門へ行くと、既に当番の生徒たちが集まっていた。
その中には菅原先輩の姿も。
先輩はいち早く私に気付いて、明るく手を挙げた。
「●●ちゃん、こっち!」
にこやかに呼ばれて、自然と頬が緩む。
緊張しながらも、私は先輩の隣まで駆け足で近付いていった。
「菅原先輩、おはようございます」
「うん、おはよう。はい、これ。●●ちゃんの分」
そう言って、生活委員と書かれた腕章を渡された。
「ありがとうございます」
腕章を自分の腕に通す。
菅原先輩の腕にも着いている、同じ腕章。
なんだかお揃いの物を着けている気持ちになる。
実際は他の生活委員の先輩たちも着けているんだけれど。
浮かれていると、続けて身だしなみチェック項目、と書かれたプリントを手渡された。
「●●ちゃんは女子生徒をよろしくね。スカートの丈とリボンと校章と────」
委員会の集まりで事前に聞いていたから、やることは頭に入っている。
それなのに、菅原先輩は丁寧に1から説明してくれた。
私ってそんなに頼りなく見えるのかな?
それとも、それだけ気にかけてくれるってことかな?
ともあれ、身だしなみチェックが始まった。
時々、不満そうに渋る生徒もいる中、菅原先輩はどんな子にも分け隔てなく明るく接している。
厳しく注意する時も、必ず最後に、
「直してくれて、ありがとな」
と優しく声をかけている。
その姿を横で見ているだけで、私も少しずつ自信が湧いてくる気がした。
そうこうしているうちに、該当生徒を見つけた。
あの先輩、スカートの丈が短い。
「す、すみません、スカートの丈が短いのでクラスとお名前を教えてください」
怖そうな先輩だけれど、大丈夫。
そう思っていたら、
「は?ダル。少しくらい見逃してよ。そう言うアナタは逆に丈長いんじゃない?」
「こ、これは……!」
中学でほとんど背が伸びなかった私を気遣って、お母さんが高校では伸びるから、と少し長めのスカートを買ってくれたからだ。
だけど、そうか……。
長すぎても規定違反になるのか。
落ち込んでいると、
「悪い原田!この子、成長期なんだ。大目に見てくんね?」
と、後ろから菅原先輩がふっと間に入ってくれた。
「原田だってさ、背が伸びて丈が短くなっただけだろ?」
「はぁ?違っ……!」
原田先輩は、ちょっとバツが悪そうに視線をそらしながらも、
「……ウゼェ」
と小さく呟いてスカートの裾を少し下げてくれた。
「ありがとう、協力してくれて助かった」
菅原先輩がにこやかに笑いかけると、原田先輩もふいっとそっぽを向きながら、
「別に……」
と呟いてその場を去っていった。
私はというと、まだ少し胸がドキドキしていたけれど、菅原先輩にそっと背中を押される。
「大丈夫、大丈夫。勇気出してちゃんと言えたじゃん。人に注意するのは誰だってビビるべ。だけど、伝えなきゃいけない時は、しっかり伝えるのが大事なんだ」
優しい言葉に、胸の奥がじんわりあたたかくなる。
「菅原先輩……ありがとうございます」
「おう、何かあったらまた頼れよな!」
太陽の光が昇降口から差し込んで、菅原先輩の笑顔が少し眩しく見えた。
