呼び方ひとつで
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ーーおまけ(菅原side)ーー
恥ずかしかった。
●●に孝ちゃんって呼ばれるのが。
正確にはその呼び方を聞いたクラスメイトからからかわれることが。
小学校までは呼び方なんて特に気にもとめていなかったのに、中学3年生になり、●●が1年生として入学してきてすぐのこと。
「スガって1年の女子から孝ちゃんって呼ばれてんのな」
クラスメイトにそんなことを言われた。
「うん、そうだよ」
正確には●●にだけだけど。
俺は当然のように答えた。
「なめられすぎじゃね?」
「そうそう、それに変だって」
「そんなこと……」
そんなことないよな?
そう自分に言い聞かせた。
おかしくないって。
だけど、それ以降も●●が俺のことを孝ちゃんと呼ぶ姿を見られるたびに、クラスメイトが後からからかってくるのが耐えられなくなった。
それから俺はすぐに●●に伝えた。
「明日から学校では俺のことを菅原先輩って呼べよ?」
「なんで?孝ちゃんは孝ちゃんじゃん」
本当になんでか分からないとでも言いたげな顔で●●は首をかしげた。
それなのに頑なに孝ちゃん呼びをやめない●●。
それは高校生になっても相変わらず。
だから再度忠告をした。
「菅原先輩って呼べ」
って。
納得いっていない顔だったけれど、翌日から●●はちゃんと敬語と呼び方を改めてくれた。
それは学校内だけではなく、外の時も。
これでいいはずなのに。
俺のちっぽけなプライドで先輩呼びを強要したのに、いざ呼ばれてみると壁を感じた。
それに加え、日向のことを翔陽と呼んで話す●●を見かけるたびに胸がモヤモヤとした。
なんだろう、この気持ち。
呼び方一つでこんなにも違和感を覚えるなんて。
ああ、俺はバカなことをしたんだ。
そのとき初めて気が付いた。
お願いしたらまた孝ちゃんって呼んでくれる?
また壁をぶち壊してくれる?
そう期待しながら、俺は昇降口で●●を待った。
恥ずかしかった。
●●に孝ちゃんって呼ばれるのが。
正確にはその呼び方を聞いたクラスメイトからからかわれることが。
小学校までは呼び方なんて特に気にもとめていなかったのに、中学3年生になり、●●が1年生として入学してきてすぐのこと。
「スガって1年の女子から孝ちゃんって呼ばれてんのな」
クラスメイトにそんなことを言われた。
「うん、そうだよ」
正確には●●にだけだけど。
俺は当然のように答えた。
「なめられすぎじゃね?」
「そうそう、それに変だって」
「そんなこと……」
そんなことないよな?
そう自分に言い聞かせた。
おかしくないって。
だけど、それ以降も●●が俺のことを孝ちゃんと呼ぶ姿を見られるたびに、クラスメイトが後からからかってくるのが耐えられなくなった。
それから俺はすぐに●●に伝えた。
「明日から学校では俺のことを菅原先輩って呼べよ?」
「なんで?孝ちゃんは孝ちゃんじゃん」
本当になんでか分からないとでも言いたげな顔で●●は首をかしげた。
それなのに頑なに孝ちゃん呼びをやめない●●。
それは高校生になっても相変わらず。
だから再度忠告をした。
「菅原先輩って呼べ」
って。
納得いっていない顔だったけれど、翌日から●●はちゃんと敬語と呼び方を改めてくれた。
それは学校内だけではなく、外の時も。
これでいいはずなのに。
俺のちっぽけなプライドで先輩呼びを強要したのに、いざ呼ばれてみると壁を感じた。
それに加え、日向のことを翔陽と呼んで話す●●を見かけるたびに胸がモヤモヤとした。
なんだろう、この気持ち。
呼び方一つでこんなにも違和感を覚えるなんて。
ああ、俺はバカなことをしたんだ。
そのとき初めて気が付いた。
お願いしたらまた孝ちゃんって呼んでくれる?
また壁をぶち壊してくれる?
そう期待しながら、俺は昇降口で●●を待った。
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