安心する背丈
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〜安心する背丈〜
高校に入ってすぐ、少し緊張しながら委員会の集まりに顔を出した。
決めたその日に集会があるとかついていない……。
だって、今日は私1人なんだもん。
本当は私の他にもう1人いるはずだけれど、やりたい人がいない委員会故に、たまたま休みの子に押し付ける形に。
だから、今日だけは1人。
初めての教室、初めての先輩たち。
適当に空いている席に座ると、
「キミ、1年生だろ?1年生の席はこっち」
涙ボクロのある優しげな先輩らしき男子生徒が話しかけてきた。
「あ、えっと……すみません、知らなくて」
「良いって良いって、分かりにくいもんな」
いそいそと荷物を手にして席を立ち、言われた場所へ座り直す。
「ところで、1人?」
「あ、はい……。もう1人の子はお休みで……」
「あらら〜。じゃあ不安だべ?俺は3年の菅原孝支。何かあったら頼って」
「私は◯◯●●……です」
名前を伝えると、にこっと笑って、
「じゃあ、これからよろしくな、●●ちゃん!」
と言ってくれた。
その笑顔がなんだか眩しくて、胸がどきんと跳ねた。
委員会が始まっても菅原先輩の横顔をチラチラと見てしまう自分がいて、落ち着かない。
幸いにも、自己紹介と配られたプリントに書いてある年間の仕事の内容の説明だけでその日は終わった。
……。
…………。
教室を出ると、廊下は静まり返っていたけれど、体育館や運動場の方からは、部活の賑やかな声が聞こえてきた。
親切に声をかけてくれた先輩も、これから部活へ行くのだろうか。
何部なんだろう。
色白だったから、やっぱり室内部なのかな。
先ほど配られたプリントを見つめながら、そんなことを考える。
「●●!」
呼ばれて振り返ると、少し慌てた様子で友達のサラが駆け寄ってきた。
「●●も今委員会終わったところ?どうだった?ほら、1人だーって嘆いてたから」
「あはは」
そんなに心配させていたとは思わず、苦笑いしてしまった。
「大丈夫だったよ。優しい先輩がいて、色々教えてくれたの」
話しながら、自然と笑みがこぼれる。
サラもほっとした表情で頷いた。
「そっか、よかったね!」
男の先輩だとは言わなかったけれど、いいよね?
別に一目惚れだとか、タイプだとか、そんなんじゃないし。
ただ、ちょっと気になるだけ。
「帰ろっか」
「うん」
校舎の外に一歩踏み出すと、柔らかい風が制服の袖を撫でた。
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