正義の面を被った狼
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その後ピタリと嫌がらせの手紙は来なくなった。
ストーカーは私の前の住人のストーカーをしていたらしく、引っ越しをしたのを知らないまま、私に付きまとっていたようだ。
前の住人と私は背格好が似ており、遠目からだと分からなかったらしい。とんだ迷惑な話だ。
ストーカーの件は無事に解決して良かった。
だけど、私の心は澤村さんのことを考えると痛みだす。
用もないのに交番に行くなんてできず、澤村さんと偶然会った居酒屋さんに定期的に通う日々が続いた。
偶然会えたらいいなって。
そして、何度目かの正直。
澤村さんは知り合い二人と一緒にお店に入ってきた。
「澤村さん!」
私は思わず席を立った。
「◯◯……さん」
そりゃ驚くよね、こんな待ち伏せみたいなことをしていたら。
「なんだなんだ!大地の彼女か?」
「やるな。よかったら一緒に飲もうよ」
そうとも知らず、涙ホクロのある無邪気な男性と、髭を生やしたロン毛メガネの男性が澤村さんをからかうように言った。
澤村さんの名前って大地って言うのか、知らなかった。
「お前らなー」
澤村さんは大きくため息を吐いたが、
「◯◯さんが嫌じゃなければ、一緒に飲みませんか?」
と、誘ってくれた。もちろん断る理由はない。
お連れの二人は高校が同じだった菅原さんと東峰さん。
「まさかそんな出会いとはな!」
「運命感じるよな」
「おいおい、◯◯さんに迷惑だろ」
「迷惑なんかじゃないです。私、澤村さんに会いたかったので」
「え…」
「あ、ほら。ちゃんとお礼を言えていなかったので」
危うく告白するところだった。
澤村さんは責務を全うしただけなので、と特にあの日のことは気にしていないようだった。
「でも実際、大地は●●ちゃんのことどう思ってるだ?」
お酒が進んできたからか、本人のいる前で大胆な質問をしてきた菅原さん。
知りたいけど知りたくない。
「色んな表情を見せてくれる人だと思っている」
「ほほう」
はぐらかすと思ったのに、意外なことを言う澤村さんに東峰さんは相づちを打った。
嫌いだとも好きだとも核心的なことは言っていないのに、妙に嬉しく感じた。
照れ隠しにお酒を煽る。
ストーカーは私の前の住人のストーカーをしていたらしく、引っ越しをしたのを知らないまま、私に付きまとっていたようだ。
前の住人と私は背格好が似ており、遠目からだと分からなかったらしい。とんだ迷惑な話だ。
ストーカーの件は無事に解決して良かった。
だけど、私の心は澤村さんのことを考えると痛みだす。
用もないのに交番に行くなんてできず、澤村さんと偶然会った居酒屋さんに定期的に通う日々が続いた。
偶然会えたらいいなって。
そして、何度目かの正直。
澤村さんは知り合い二人と一緒にお店に入ってきた。
「澤村さん!」
私は思わず席を立った。
「◯◯……さん」
そりゃ驚くよね、こんな待ち伏せみたいなことをしていたら。
「なんだなんだ!大地の彼女か?」
「やるな。よかったら一緒に飲もうよ」
そうとも知らず、涙ホクロのある無邪気な男性と、髭を生やしたロン毛メガネの男性が澤村さんをからかうように言った。
澤村さんの名前って大地って言うのか、知らなかった。
「お前らなー」
澤村さんは大きくため息を吐いたが、
「◯◯さんが嫌じゃなければ、一緒に飲みませんか?」
と、誘ってくれた。もちろん断る理由はない。
お連れの二人は高校が同じだった菅原さんと東峰さん。
「まさかそんな出会いとはな!」
「運命感じるよな」
「おいおい、◯◯さんに迷惑だろ」
「迷惑なんかじゃないです。私、澤村さんに会いたかったので」
「え…」
「あ、ほら。ちゃんとお礼を言えていなかったので」
危うく告白するところだった。
澤村さんは責務を全うしただけなので、と特にあの日のことは気にしていないようだった。
「でも実際、大地は●●ちゃんのことどう思ってるだ?」
お酒が進んできたからか、本人のいる前で大胆な質問をしてきた菅原さん。
知りたいけど知りたくない。
「色んな表情を見せてくれる人だと思っている」
「ほほう」
はぐらかすと思ったのに、意外なことを言う澤村さんに東峰さんは相づちを打った。
嫌いだとも好きだとも核心的なことは言っていないのに、妙に嬉しく感じた。
照れ隠しにお酒を煽る。