虹がかかる
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休日の水やり当番は、本当なら午前中に済ませておかなければいけない。
だけど、今日は他事で頭がいっぱいで忘れていた。
だって、今日は道宮さんが澤村君とデートをすると聞かされていた日だったから。
水やり当番を思い出した頃には夕方になっていた。
急いで制服に着替え、学校へ向かった。
「ごめんね、遅くなって」
私はお花たちに謝りながら、ホースで水やりをした。
その時だった。
「◯◯!」
走りながらこちらへ向かってくる澤村君の声がした。
「え、なんで澤村君が?」
だって、今日は道宮さんとデートのはずなのに。
突然の彼の出現に、私の心臓は嫌な音を立てた。
「ちょっと話せるか?」
「あと少しで終わるから、待っててもらえる?」
水やりの続きをしている間に、心を落ち着かせようとした。
それなのに、その途端、小雨が降ってきた。
これなら水やりいらなかったな。
昇降口で雨宿りをすることになったけれど、私は片付けがあったため、澤村君には先に待っててもらうことにした。
急いでホースを巻いて、用具室へ向かう。
……。
…………。
「お待たせ、話って何?」
澤村君は落ち着かないようすで立っていた。
「えっと……その……」
澤村君は話しにくそうに、視線を地面に落とす。
おそらく道宮さんのことだろう。
初めて見る澤村君の私服姿。
やっぱり今日はデートだったんだ。
「ゆっくりでいいよ?」
正式に付き合うことになった。
そう言われる心構えは、とっくに出来ている。
私は穏やかな気持ちで澤村君の言葉を待った。
それなのに、彼からは思っていたのと真逆のことを言われた。
「俺、道宮に告白されたんだけど、付き合えないって言ってきた」
頭が真っ白になる。
「なんで私に話すの?」
純粋に疑問に思った。
道宮さんと澤村君がお試しで付き合ってあるのは、おそらく当人たちの秘密のはず。
私は道宮さんから聞かされていたけれど、そのことを澤村君は知らない。
だから、付き合っていたことを知らない体 の私に、なんでわざわざ報告したのだろう。
「◯◯は道宮と仲が良かったから?いや、違う。そうじゃなくて……」
私は、彼の次の言葉を静かに待った。
「俺、◯◯のことが好き……なのかもしれない」
「かもしれない………」
おかしいな。
「澤村君、前に言ったこと覚えている?澤村君の方が私のことを詳しいって言ったの。それなのに、自分のことは分からないんだね」
意地悪なことを言っている自覚はある。
想い人の澤村君が私のことを好きかもしれない、と言ってくれた。
私も好き、そう言えば済む話なのに、道宮さんのことを考えると言えなかった。
気まずそうな顔をしている澤村君を見て、私はフッと笑った。
「なーんてね!」
話しているうちに雨が上がった。
「雨止んだよ。……あ、見て!」
空を見上げると、雨上がりの雲の隙間から、鮮やかな虹が出ていた。
それはそれは、大きな虹が。
“朝虹は雨、夕虹は晴れ”
夕日が沈まないうちにひと雨降り、その後に虹が見えると翌日は晴れると言われている。
どうやら明日は晴れるようだ。
結局、私は澤村君の告白には返事をしなかった。
澤村君はきっと、道宮さんに告白されたことによって恋愛スイッチが入ってしまった。
そのせいで、最近仲良くしている私のことが好きかもしれない、と思い込んでいるだけ。
もちろん、それでも私は嬉しい。
だけど、本当にそれでいいのか、と問われれば良くないと思う。
ちゃんと澤村君に私のことを好きになってもらって貰えるように頑張るから。
そしたら、改めて私から告白するから。
これならフェアだよね、道宮さん。
ーーFinーー
だけど、今日は他事で頭がいっぱいで忘れていた。
だって、今日は道宮さんが澤村君とデートをすると聞かされていた日だったから。
水やり当番を思い出した頃には夕方になっていた。
急いで制服に着替え、学校へ向かった。
「ごめんね、遅くなって」
私はお花たちに謝りながら、ホースで水やりをした。
その時だった。
「◯◯!」
走りながらこちらへ向かってくる澤村君の声がした。
「え、なんで澤村君が?」
だって、今日は道宮さんとデートのはずなのに。
突然の彼の出現に、私の心臓は嫌な音を立てた。
「ちょっと話せるか?」
「あと少しで終わるから、待っててもらえる?」
水やりの続きをしている間に、心を落ち着かせようとした。
それなのに、その途端、小雨が降ってきた。
これなら水やりいらなかったな。
昇降口で雨宿りをすることになったけれど、私は片付けがあったため、澤村君には先に待っててもらうことにした。
急いでホースを巻いて、用具室へ向かう。
……。
…………。
「お待たせ、話って何?」
澤村君は落ち着かないようすで立っていた。
「えっと……その……」
澤村君は話しにくそうに、視線を地面に落とす。
おそらく道宮さんのことだろう。
初めて見る澤村君の私服姿。
やっぱり今日はデートだったんだ。
「ゆっくりでいいよ?」
正式に付き合うことになった。
そう言われる心構えは、とっくに出来ている。
私は穏やかな気持ちで澤村君の言葉を待った。
それなのに、彼からは思っていたのと真逆のことを言われた。
「俺、道宮に告白されたんだけど、付き合えないって言ってきた」
頭が真っ白になる。
「なんで私に話すの?」
純粋に疑問に思った。
道宮さんと澤村君がお試しで付き合ってあるのは、おそらく当人たちの秘密のはず。
私は道宮さんから聞かされていたけれど、そのことを澤村君は知らない。
だから、付き合っていたことを知らない
「◯◯は道宮と仲が良かったから?いや、違う。そうじゃなくて……」
私は、彼の次の言葉を静かに待った。
「俺、◯◯のことが好き……なのかもしれない」
「かもしれない………」
おかしいな。
「澤村君、前に言ったこと覚えている?澤村君の方が私のことを詳しいって言ったの。それなのに、自分のことは分からないんだね」
意地悪なことを言っている自覚はある。
想い人の澤村君が私のことを好きかもしれない、と言ってくれた。
私も好き、そう言えば済む話なのに、道宮さんのことを考えると言えなかった。
気まずそうな顔をしている澤村君を見て、私はフッと笑った。
「なーんてね!」
話しているうちに雨が上がった。
「雨止んだよ。……あ、見て!」
空を見上げると、雨上がりの雲の隙間から、鮮やかな虹が出ていた。
それはそれは、大きな虹が。
“朝虹は雨、夕虹は晴れ”
夕日が沈まないうちにひと雨降り、その後に虹が見えると翌日は晴れると言われている。
どうやら明日は晴れるようだ。
結局、私は澤村君の告白には返事をしなかった。
澤村君はきっと、道宮さんに告白されたことによって恋愛スイッチが入ってしまった。
そのせいで、最近仲良くしている私のことが好きかもしれない、と思い込んでいるだけ。
もちろん、それでも私は嬉しい。
だけど、本当にそれでいいのか、と問われれば良くないと思う。
ちゃんと澤村君に私のことを好きになってもらって貰えるように頑張るから。
そしたら、改めて私から告白するから。
これならフェアだよね、道宮さん。
ーーFinーー
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