虹がかかる
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烏野があの白鳥沢学園に勝った。
最終セット、最後の1点が決まった瞬間、体育館全体が歓声に包まれた。
私も道宮さんたちも、跳び跳ねて喜びを露にした。
その頃には、応援で叫びすぎた私の喉はとっくに枯れていた。
喉の奥がひりつくような痛みも感じる。
「よ゛がっ゛だ……本当に゛……」
「●●ちゃん、声がガサガサ!」
掠れた獣のような声を出すと、道宮さんは私のあまりの変わり果てた声に驚いて目を見開く。
「大丈夫なの?」
「多分……」
そんな話をしながら、私たちは真っ先に澤村君たちの元へ駆け寄った。
「ざわ゛む゛らぐん゛!」
彼の姿を見つけた私は、ほとんど声にならない音を絞り出して、彼の名前を呼んだ。
澤村君は、タオルで汗を拭きながらこちらを振り向いた。
「え、◯◯、声が……」
彼も道宮さん同様、目を見開いて驚きの表情を浮かべた。
正直、こんな酷い声のときに言いたくなかった。
だけど、この高ぶった感情は今しか吐き出せないと思ったから。
私は、もう一度無理やり声を振り絞った。
「本当に゛お゛め゛でどう゛!」
「おう、そんな声になるまで応援してくれてありがとう。しっかり届いてた」
「ざわ゛む゛らぐん゛……あ゛の……」
勢い余って、告白しそうになった、その時。
「道宮たちも、ありがとな」
澤村君が道宮さんの名前を出したことで、私の頭は一気に冷静になった。
そうだった、ここにいるのは私だけじゃなかったんだ。
彼女も懸命に澤村君の……烏野の応援をし、彼の前に立っている。
私は道宮さんへ視線を移した。
彼女は告白しないのだろうか。
今なら使い物にならない声の私より先に、想いを伝えられる絶好の機会なのに。
でも、道宮さんは「おめでとう」という祝福の言葉以外、何も言わなかった。
彼女は、ただ彼らの勝利を心から喜んでいるように見えた。
……。
…………。
道宮さん以外の女子バレー部の人たちと別れ、私は彼女と2人きりで、バスが来るのを待った。
時刻表を確認しようとしたとき、不意に、道宮さんは私にだけ聞こえるように、静かに言った。
「あそこでの告白はフェアじゃないでしょ」
その言葉に、私の顔が熱くなるのを感じた。
「ごめ゛んな゛ざい゛…」
抜け駆けをするつもりはなかった。
だけど、あのとき勢い余って告白しようとした自分が、急に恥ずかしく思えてきた。
それから、バスに乗った後も彼女と顔合わせできなくて、別れるまで私は俯いていた。
最終セット、最後の1点が決まった瞬間、体育館全体が歓声に包まれた。
私も道宮さんたちも、跳び跳ねて喜びを露にした。
その頃には、応援で叫びすぎた私の喉はとっくに枯れていた。
喉の奥がひりつくような痛みも感じる。
「よ゛がっ゛だ……本当に゛……」
「●●ちゃん、声がガサガサ!」
掠れた獣のような声を出すと、道宮さんは私のあまりの変わり果てた声に驚いて目を見開く。
「大丈夫なの?」
「多分……」
そんな話をしながら、私たちは真っ先に澤村君たちの元へ駆け寄った。
「ざわ゛む゛らぐん゛!」
彼の姿を見つけた私は、ほとんど声にならない音を絞り出して、彼の名前を呼んだ。
澤村君は、タオルで汗を拭きながらこちらを振り向いた。
「え、◯◯、声が……」
彼も道宮さん同様、目を見開いて驚きの表情を浮かべた。
正直、こんな酷い声のときに言いたくなかった。
だけど、この高ぶった感情は今しか吐き出せないと思ったから。
私は、もう一度無理やり声を振り絞った。
「本当に゛お゛め゛でどう゛!」
「おう、そんな声になるまで応援してくれてありがとう。しっかり届いてた」
「ざわ゛む゛らぐん゛……あ゛の……」
勢い余って、告白しそうになった、その時。
「道宮たちも、ありがとな」
澤村君が道宮さんの名前を出したことで、私の頭は一気に冷静になった。
そうだった、ここにいるのは私だけじゃなかったんだ。
彼女も懸命に澤村君の……烏野の応援をし、彼の前に立っている。
私は道宮さんへ視線を移した。
彼女は告白しないのだろうか。
今なら使い物にならない声の私より先に、想いを伝えられる絶好の機会なのに。
でも、道宮さんは「おめでとう」という祝福の言葉以外、何も言わなかった。
彼女は、ただ彼らの勝利を心から喜んでいるように見えた。
……。
…………。
道宮さん以外の女子バレー部の人たちと別れ、私は彼女と2人きりで、バスが来るのを待った。
時刻表を確認しようとしたとき、不意に、道宮さんは私にだけ聞こえるように、静かに言った。
「あそこでの告白はフェアじゃないでしょ」
その言葉に、私の顔が熱くなるのを感じた。
「ごめ゛んな゛ざい゛…」
抜け駆けをするつもりはなかった。
だけど、あのとき勢い余って告白しようとした自分が、急に恥ずかしく思えてきた。
それから、バスに乗った後も彼女と顔合わせできなくて、別れるまで私は俯いていた。
