虹がかかる
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澤村君に応援に来てと言われたが、あれはおそらく社交辞令だろう。
結局インターハイの応援には行かなかった。
澤村君も私が行かなくても気にしていない様子。
結果は風の噂で聞いた。青葉城西高校に負けた。
もし見に行っていたら、澤村君達の悔しがる様を見ることになったと思うと、少しだけ行かなくてよかったと思う。
だって、好きな人の悲しむ姿は見たくないもん。
そんなことを考えながら美化委員の仕事である朝の水やりをする。
最近暑くなってきたから、
「いっぱい水飲みなよ~」
「フッ」
え、今の一人言聞かれた?!
振り向くと澤村君がいた。咳払いをしてごまかしていたが、絶対に聞いていた。
「おはよ、◯◯」
「おはよう、澤村君…………あの」
さっきの聞こえてたよね、と聞く前に笑いを堪えていた澤村君は、我慢ができなくなったのか少し涙目になりながら笑った。
「いやーすまん。意外な一面だったもんで」
せっかく澤村君が話しかけてくれたのに、こっちは恥ずかしくて逃げたい。
だけど、水やりがまだ終わらない。
「朝練終わり?」
部活終わりの格好をしている澤村君。
分かりきったことなのに、話題をそらしたくて聞いた。
「ああ、春高まで残ろうと思って」
「そっか」
確か秋頃にあるんだよね?今度は応援に行けたらいいな。
ブーン…
「うわぁっ!」
蜂が飛んできて思わず変な悲鳴をあげてしまった。
「◯◯…」
名前を呼んできた澤村君を見ると、何故か水浸しになっていた。
「えっ……あ!ごめんなさい」
蜂に驚いた拍子に水やりホースが澤村君の方を向いてしまったようだ。
「ふ、拭く物!拭く物!」
水やりをしにきているだけの私はもちろんタオルなど持っているはずもなく、ただワタワタするだけだった。
「いや、大丈夫。◯◯は濡れなかったか?」
「あ、うん」
濡らしてしまった私の心配までしてくれる澤村君。
やっぱり好きだな、と改めて思った。
澤村君は着ていた白の体操着をおもむろに脱いで、上はタンクトップ1枚の姿になった。
服の上からでも分かるたくましい筋肉、見えている腕の筋、鎖骨に私は見とれてしまった。
慌てて視線をそらす。
「……あ、虹だ」
そらした視線の先には七色に分かれた光が反射して、作り出された虹。
「本当だな」
澤村君は脱いだ体操着をパンパンとはたきながら言った。
しばらく二人で小さな小さな虹を眺めた。
結局インターハイの応援には行かなかった。
澤村君も私が行かなくても気にしていない様子。
結果は風の噂で聞いた。青葉城西高校に負けた。
もし見に行っていたら、澤村君達の悔しがる様を見ることになったと思うと、少しだけ行かなくてよかったと思う。
だって、好きな人の悲しむ姿は見たくないもん。
そんなことを考えながら美化委員の仕事である朝の水やりをする。
最近暑くなってきたから、
「いっぱい水飲みなよ~」
「フッ」
え、今の一人言聞かれた?!
振り向くと澤村君がいた。咳払いをしてごまかしていたが、絶対に聞いていた。
「おはよ、◯◯」
「おはよう、澤村君…………あの」
さっきの聞こえてたよね、と聞く前に笑いを堪えていた澤村君は、我慢ができなくなったのか少し涙目になりながら笑った。
「いやーすまん。意外な一面だったもんで」
せっかく澤村君が話しかけてくれたのに、こっちは恥ずかしくて逃げたい。
だけど、水やりがまだ終わらない。
「朝練終わり?」
部活終わりの格好をしている澤村君。
分かりきったことなのに、話題をそらしたくて聞いた。
「ああ、春高まで残ろうと思って」
「そっか」
確か秋頃にあるんだよね?今度は応援に行けたらいいな。
ブーン…
「うわぁっ!」
蜂が飛んできて思わず変な悲鳴をあげてしまった。
「◯◯…」
名前を呼んできた澤村君を見ると、何故か水浸しになっていた。
「えっ……あ!ごめんなさい」
蜂に驚いた拍子に水やりホースが澤村君の方を向いてしまったようだ。
「ふ、拭く物!拭く物!」
水やりをしにきているだけの私はもちろんタオルなど持っているはずもなく、ただワタワタするだけだった。
「いや、大丈夫。◯◯は濡れなかったか?」
「あ、うん」
濡らしてしまった私の心配までしてくれる澤村君。
やっぱり好きだな、と改めて思った。
澤村君は着ていた白の体操着をおもむろに脱いで、上はタンクトップ1枚の姿になった。
服の上からでも分かるたくましい筋肉、見えている腕の筋、鎖骨に私は見とれてしまった。
慌てて視線をそらす。
「……あ、虹だ」
そらした視線の先には七色に分かれた光が反射して、作り出された虹。
「本当だな」
澤村君は脱いだ体操着をパンパンとはたきながら言った。
しばらく二人で小さな小さな虹を眺めた。