虹がかかる
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
高校3年生の春。
新しい制服を着た1年生が期待を膨らませながら廊下を歩いてる。
そんな彼、彼女たちと同じくらい、私も胸を高鳴らせていた。
なぜなら、今年は澤村君と同じクラスになれたから。
ただ、相変わらず、私は遠くから彼の背中を見つめるばかりだった。
「委員会決めするぞー」
担任の先生の声が教室に響く。
新年度は決めることが多い。
3年生ともなれば、どの委員会が楽で、どの委員会が大変か分かってくる。
強制ではないにしろ、部活に所属していない私は受験面接のアピールポイント稼ぎのために委員会には入りたいところ。
しかし、楽もしたい。
「選挙管理委員会やりたい人」
選挙管理委員会は年に2回行われる選挙の投票の集計をする仕事。
1回1回は大変だけれど、普段は平和な、まさに楽な委員会だ。
「「はい」」
私は迷わず手を挙げた。
すると、少し離れた席の林さんも手を挙げていた。
「◯◯と林か。じゃんけんにするか?話し合いで決めるか?」
先生の言葉に林さんが私を見た。
その視線があまりにも強いものだったから、私は萎縮してしまった。
「あの……私は辞退します」
楽をしたいはずなのに、気が付けば辞退していた。
自分の意思の弱さが嫌になる。
「そうか。なら選挙管理委員会は林っと」
結局、私は最後まで残った美化委員会に配属されてしまった。
これで3年連続、美化委員だ。
美化委員会は校内の花の管理や清掃の確認、用具点検など主に学校の美化に努める仕事。
ほぼ毎日仕事がある。
だから、一番避けたかった。
ただ、なったからには真面目にやるつもりでいる。
ため息を吐きながら、私は気持ちを切り替えた。
ーーーー
その日の授業後。
今年度初めての委員会の集まりがあった。
自己紹介と水やり当番を決めた後、私たちは1つの仕事を課せられた。
教室のゴミ箱の近くに貼る標語ポスター作りだ。
部活もない私は、そのまま自分の教室に戻り、ポスターを仕上げることにした。
指定された画用紙に下書きを書く。
静かな教室に、シャープペンをシャッシャッと走らせる音だけが響く。
その時、教室のドアが開いた。
「あれ、◯◯か」
「澤村君?」
体操着姿の澤村君だった。
「忘れ物してな」
彼は自分の机に向かい、ガサガサとお目当ての物を探し始めた。
明日提出と言われていた進路の紙だろうか。
「お、あったあった」
手にした紙を持ってそのまま出て行くのかと思いきや、彼は私の席の前まで歩み寄ってきた。
そして、私の手元の画用紙を覗き込む。
「“いつも綺麗に使っていただきありがとうございます”か。◯◯らしいな!」
澤村君は私が考えたポスターの標語を読み上げた。
驚いて彼の顔を見ると、晴れやかな顔をしていた。
その笑顔に、心臓が大きく跳ねる。
「おっと、部活戻らないと。じゃあな、◯◯」
彼は軽く手を上げ、私の名前を呼んだ。
「う、うん。部活頑張ってね」
私も控えめに手を上げ、ヒラヒラと手を振りながら澤村君を見送った。
澤村君とまともに話ができた。
しかも、私の名前まで呼んでくれた。
たったそれだけのことなのに、私の心は満ち足りていた。
新しい制服を着た1年生が期待を膨らませながら廊下を歩いてる。
そんな彼、彼女たちと同じくらい、私も胸を高鳴らせていた。
なぜなら、今年は澤村君と同じクラスになれたから。
ただ、相変わらず、私は遠くから彼の背中を見つめるばかりだった。
「委員会決めするぞー」
担任の先生の声が教室に響く。
新年度は決めることが多い。
3年生ともなれば、どの委員会が楽で、どの委員会が大変か分かってくる。
強制ではないにしろ、部活に所属していない私は受験面接のアピールポイント稼ぎのために委員会には入りたいところ。
しかし、楽もしたい。
「選挙管理委員会やりたい人」
選挙管理委員会は年に2回行われる選挙の投票の集計をする仕事。
1回1回は大変だけれど、普段は平和な、まさに楽な委員会だ。
「「はい」」
私は迷わず手を挙げた。
すると、少し離れた席の林さんも手を挙げていた。
「◯◯と林か。じゃんけんにするか?話し合いで決めるか?」
先生の言葉に林さんが私を見た。
その視線があまりにも強いものだったから、私は萎縮してしまった。
「あの……私は辞退します」
楽をしたいはずなのに、気が付けば辞退していた。
自分の意思の弱さが嫌になる。
「そうか。なら選挙管理委員会は林っと」
結局、私は最後まで残った美化委員会に配属されてしまった。
これで3年連続、美化委員だ。
美化委員会は校内の花の管理や清掃の確認、用具点検など主に学校の美化に努める仕事。
ほぼ毎日仕事がある。
だから、一番避けたかった。
ただ、なったからには真面目にやるつもりでいる。
ため息を吐きながら、私は気持ちを切り替えた。
ーーーー
その日の授業後。
今年度初めての委員会の集まりがあった。
自己紹介と水やり当番を決めた後、私たちは1つの仕事を課せられた。
教室のゴミ箱の近くに貼る標語ポスター作りだ。
部活もない私は、そのまま自分の教室に戻り、ポスターを仕上げることにした。
指定された画用紙に下書きを書く。
静かな教室に、シャープペンをシャッシャッと走らせる音だけが響く。
その時、教室のドアが開いた。
「あれ、◯◯か」
「澤村君?」
体操着姿の澤村君だった。
「忘れ物してな」
彼は自分の机に向かい、ガサガサとお目当ての物を探し始めた。
明日提出と言われていた進路の紙だろうか。
「お、あったあった」
手にした紙を持ってそのまま出て行くのかと思いきや、彼は私の席の前まで歩み寄ってきた。
そして、私の手元の画用紙を覗き込む。
「“いつも綺麗に使っていただきありがとうございます”か。◯◯らしいな!」
澤村君は私が考えたポスターの標語を読み上げた。
驚いて彼の顔を見ると、晴れやかな顔をしていた。
その笑顔に、心臓が大きく跳ねる。
「おっと、部活戻らないと。じゃあな、◯◯」
彼は軽く手を上げ、私の名前を呼んだ。
「う、うん。部活頑張ってね」
私も控えめに手を上げ、ヒラヒラと手を振りながら澤村君を見送った。
澤村君とまともに話ができた。
しかも、私の名前まで呼んでくれた。
たったそれだけのことなのに、私の心は満ち足りていた。
