虹がかかる
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高校3年生になり、念願の澤村君と同じクラスになった。
だからと言って積極的に話しかけるわけでもないけど。
「委員会決めするぞー」
新年度は決めることが多い。
3年生ともなれば、どの委員会が楽で、どの委員会が大変か分かってくる。
強制ではないにしろ、部活に所属していない私は受験面接のアピールポイント稼ぎのために委員会には入りたいところ。
しかし楽もしたい。
「選挙管理委員会やりたい人」
選挙管理委員会は年に2回行われる選挙の投票の集計をする仕事。
1回1回は大変だけれど、毎日ではないので楽な委員会な方だ。
「「はい」」
手を上げると、他にもやりたい人がいた。
「◯◯と林か。じゃんけんにするか?話し合いで決めるか?」
「あ、じゃあ私は辞退します」
「そうか。なら選挙管理委員会は林っと」
楽をしたいはずなのに、林さんのやりたい、と言う視線に負けて辞退してしまった。
結局私は最後に残った美化委員会に。
美化委員会は校内の花の管理や清掃の確認、用具点検など主に学校の美化に努める仕事。
ほぼ毎日仕事があって、一番避けたかった委員会。
なったからには真面目にやるけど、私がもう少し押しに強ければ他の委員会をやれたかもしれないと思うと……。
そんなこんなで3年連続美化委員会。
ーーーー
授業後に今年度初めての委員会の集まりがあった。
自己紹介と水やり当番を決め、最後に教室のゴミ箱の近くに貼る標語ポスター作りを課せられた。
部活動もやっていないし、このまま自分の教室に戻ってポスターを仕上げようかな。
指定された画用紙に下書きを書く。
シャープペンをシャッシャッと走らせていると、教室のドアが開いた。
「あれ、◯◯か」
「澤村君?」
体操着姿の澤村君だった。
「忘れ物してね」
自分の机をガサガサ漁りお目当ての物を探す。
明日提出と言われていた進路の紙だろうか。
その紙を持ってそのまま出て行くのかと思いきや、私の席の前まで来た澤村君。
「“いつも綺麗に使っていただきありがとうございます”か。◯◯らしいな!」
澤村君は私が考えたポスターの標語を読み上げた。
驚いて彼の顔を見ると晴れやかな顔をしていた。
「おっと、部活戻らないと。じゃあな、◯◯」
「う、うん。部活頑張ってね」
ヒラヒラと手を振りながら澤村君を見送った。
澤村君とまともに話ができた。
しかも、私の名前まで呼んでくれて。
たったそれだけのことなのに、私の心は満ち足りていた。
だからと言って積極的に話しかけるわけでもないけど。
「委員会決めするぞー」
新年度は決めることが多い。
3年生ともなれば、どの委員会が楽で、どの委員会が大変か分かってくる。
強制ではないにしろ、部活に所属していない私は受験面接のアピールポイント稼ぎのために委員会には入りたいところ。
しかし楽もしたい。
「選挙管理委員会やりたい人」
選挙管理委員会は年に2回行われる選挙の投票の集計をする仕事。
1回1回は大変だけれど、毎日ではないので楽な委員会な方だ。
「「はい」」
手を上げると、他にもやりたい人がいた。
「◯◯と林か。じゃんけんにするか?話し合いで決めるか?」
「あ、じゃあ私は辞退します」
「そうか。なら選挙管理委員会は林っと」
楽をしたいはずなのに、林さんのやりたい、と言う視線に負けて辞退してしまった。
結局私は最後に残った美化委員会に。
美化委員会は校内の花の管理や清掃の確認、用具点検など主に学校の美化に努める仕事。
ほぼ毎日仕事があって、一番避けたかった委員会。
なったからには真面目にやるけど、私がもう少し押しに強ければ他の委員会をやれたかもしれないと思うと……。
そんなこんなで3年連続美化委員会。
ーーーー
授業後に今年度初めての委員会の集まりがあった。
自己紹介と水やり当番を決め、最後に教室のゴミ箱の近くに貼る標語ポスター作りを課せられた。
部活動もやっていないし、このまま自分の教室に戻ってポスターを仕上げようかな。
指定された画用紙に下書きを書く。
シャープペンをシャッシャッと走らせていると、教室のドアが開いた。
「あれ、◯◯か」
「澤村君?」
体操着姿の澤村君だった。
「忘れ物してね」
自分の机をガサガサ漁りお目当ての物を探す。
明日提出と言われていた進路の紙だろうか。
その紙を持ってそのまま出て行くのかと思いきや、私の席の前まで来た澤村君。
「“いつも綺麗に使っていただきありがとうございます”か。◯◯らしいな!」
澤村君は私が考えたポスターの標語を読み上げた。
驚いて彼の顔を見ると晴れやかな顔をしていた。
「おっと、部活戻らないと。じゃあな、◯◯」
「う、うん。部活頑張ってね」
ヒラヒラと手を振りながら澤村君を見送った。
澤村君とまともに話ができた。
しかも、私の名前まで呼んでくれて。
たったそれだけのことなのに、私の心は満ち足りていた。