モテ過ぎも考え方によっては
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〜モテ過ぎも考え方によっては〜
誰だって彼氏が素敵なら嬉しいだろう。
容姿が良い?スタイルが良い?性格が良い?
一緒に歩くだけで優越感に浸れる。
だけど、そんな自慢な彼氏がモテないワケがない。
それは同棲している私の彼氏、宮侑も例外ではない。
ムスビィブラックジャッカルのセッターとして活躍している侑は、バレー選手なだけあって背が高く、持ち前のユーモア溢れるコミュニケーション能力のお陰で一般人のファンだって多い。
そんな侑が同窓会に行こうものなら……。
「たっだいま〜!」
心配ながらも送り出したらこのザマ。
上機嫌に帰ってきた侑を迎え入れると、ありえないほどお酒臭かった。
1人で帰ってこれたことが奇跡と言えるレベル。
普段は練習だとか試合だとかでお酒を控えているけれど、こう言うときはハメをはずすんだから。
でも、それはまだいい。
問題なのは侑のシャツに付いている真っ赤な口紅の跡。
「なに、コレ……」
「んあ?」
満員電車で付けられたなんて言い訳は利かない。
だって、タクシーで行くって言っていたから。
それに位置が際どい。
背の高い侑の襟元に口紅の跡が付いていると言うことは、侑が屈んだ証拠。
「あ、もしかしてこの口紅の跡?気ぃ付いてもうた?」
そんな派手な色の口紅に気が付かない方がおかしい。
私は感情的に怒鳴らないように、拳に力を込めて怒りを抑えた。
それなのに、
「●●ちゃんが怒っとる〜!」
なんて、侑の挑発する発言に我慢の限界。
「もう侑とは別れる!」
「はぁ?」
ドスの利いた声。
先程までケラケラしていたのに逆切れ?
私にだって愛想尽きることはある。
先日は女性物の香水を漂わせて、その前は女の子とのツーショット写真を送りつけてきて、デートを臭わせる投稿もしていたっけ。
いつまでも甘るなよ。
「いつも私のことを不安にさせて、もう疲れたの!浮気までするなんて」
「浮気ちゃうわ!」
「浮気じゃなければなんでこんなところに口紅が付くのよ!」
「そら言われへん」
別れの危機だと言うのに言えないの?
どれだけ私に舐めた態度を取れば気が済むのだろうか。
「もういい!」
「おい、待てや!」
私は侑の言葉を無視して、自室の扉を勢いよく閉めて引きこもった。
ムカつく……ムカつく……。
帰ってくるまで寝ずに待っていたのに。
私は枕に顔を埋めて、無理やり寝ることにした。
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