欲張りなキミに乾杯
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ーーおまけ(宮侑side)ーー
バレンタイン当日。
普通に登校してもつまらない。
せやから俺はサムに入れ替わりを提案した。
「なあ、サム。今日は髪型入れ替えて登校せぇへん?」
「なんでそんな面倒いことせんといかんの。ダルいわ」
「ノリ悪っ!おもろそうやしやろうや!」
「勝手にせぇ。俺はいつも通り行くから」
「ああ、勝手にやったるわ!」
俺は銀色のスプレーで即席で髪を染めて分け目も変えた。
鏡を見るとどっからどう見てもサム本人。
「我ながら完璧」
サムとは時間をずらし、意気揚々と登校した。
すると、
「サムおはよー」
「おん、おはよう」
おもろいほどに周りは俺のことをサムだと勘違いしとる。
そう思うと同時に、周りは俺のことを髪型でしか判断してへんことに悲しく思った。
クラスメイトだって直ぐには気ぃ付かんかった。
「なんでサムがうちのクラスにおるん?…………ってツムか!」
「分からんかったやろー?他クラスには内緒にしといてぇな!」
「なんや知らんけど、分かった」
クラスメイトは言葉通りしっかり内緒にしてくれた。
その甲斐あって休み時間にやってきた他クラスの女子生徒は、
「あれ、侑君がいない……。ねえ治君、今日は侑君はお休みなの?」
「せやねん」
なんてすっかり騙されとる。
侑は俺なんやけどなー。
ほんで終いには廊下を歩いている時に初めて話す女子生徒に引き留められた。
「宮君、ちょっと話したいことがあるんだけど……」
そう言われて中庭に付いて行ってみると、
「宮君……これ本命です!良かったら貰ってください!」
宮治君へと書かれた手紙が添えられた袋を差し出された。
あー、この子もサムと俺を間違 おてるんやな。
“宮君”呼びやったからワンチャン俺だと分かってのことやと思っとったのに。
おもんな。
せやけど断るのも可哀想やし、サムの代わりに貰 ぉておくか。
俺って優しい。
「おおきに」
ついでにニッコリスマイルでも振りまいて。
我ながらきっしょい思考や。
好きでもない子のチョコを貰 ぉてこんなことをするなんて。
名前も知らへん女子生徒は満足したんか、ペコリとお辞儀をして去っていった。
「これ、届けるか」
せやけど、今からサムの教室に寄ると授業に間に合わなさそうやったから、次の休み時間に持っていくことにした。
ーーーー
授業が終わり、早速サムの教室へと向かった。
「サムおる〜」
「なんやツム」
気怠げに俺の方を向いてきたサムの机には大量のチョコが入っとるであろう手提げ袋が掛かっとった。
あーあ、おもんな。
これだけチョコを貰 ぉとったら、この1個なんていらんやろ。
そう思いながらも俺もこのチョコいらんし。
少し前なら考えられへんかった。
誰でもええからチョコをくれとアピールをしとった自分に。
これも全て●●ちゃんのことを本気で惚れてもうたから。
最初は遊び感覚で口説いとっただけやのに、いつの間にか……。
「おいツム」
●●ちゃんには俺たちのことを見分けて欲しい。
「ツム!」
そう言えば、チョコくれるって約束したけど、いつ持ってきてくれるんやろう。
「聞ぃてんのか!」
「ああ、すまん。考え事しとった」
「ったく……しっかりせぇよ。ほんで、その袋はなんなん?」
「せやせや」
俺は予定通りチョコの入った袋を渡すことにした。
「このチョコ、サム宛やったけど、俺が変わりに受け取っておいた」
「誰から?」
「名前言 うてたけど忘れたわ。興味ない子やったし」
「アホか!困るん俺やねんで?!」
「そない怒んなや。ほらよ。俺いらんし」
差し出したけど一向に受け取らへんサム。
なんでや。
「……ツム、俺よりも彼女のことはええんか?」
「あ?」
サムが教室の外を指差すから視線を移すと、見覚えのある後ろ姿が教室から離れていくところやった。
あれは●●ちゃん……。
もしかして、なにか勘違いされたんじゃ。
俺の勘がそう言 うとる。
「はよ追いかけな」
「言われんでも行くわ!」
慌てて追いかけたせいで、サムに渡す予定やったチョコの入った袋を握りしめたまま彼女を追いかけた。
俺の気持ちをちゃんと話すから。
せやから●●ちゃん、逃げんといて。
バレンタイン当日。
普通に登校してもつまらない。
せやから俺はサムに入れ替わりを提案した。
「なあ、サム。今日は髪型入れ替えて登校せぇへん?」
「なんでそんな面倒いことせんといかんの。ダルいわ」
「ノリ悪っ!おもろそうやしやろうや!」
「勝手にせぇ。俺はいつも通り行くから」
「ああ、勝手にやったるわ!」
俺は銀色のスプレーで即席で髪を染めて分け目も変えた。
鏡を見るとどっからどう見てもサム本人。
「我ながら完璧」
サムとは時間をずらし、意気揚々と登校した。
すると、
「サムおはよー」
「おん、おはよう」
おもろいほどに周りは俺のことをサムだと勘違いしとる。
そう思うと同時に、周りは俺のことを髪型でしか判断してへんことに悲しく思った。
クラスメイトだって直ぐには気ぃ付かんかった。
「なんでサムがうちのクラスにおるん?…………ってツムか!」
「分からんかったやろー?他クラスには内緒にしといてぇな!」
「なんや知らんけど、分かった」
クラスメイトは言葉通りしっかり内緒にしてくれた。
その甲斐あって休み時間にやってきた他クラスの女子生徒は、
「あれ、侑君がいない……。ねえ治君、今日は侑君はお休みなの?」
「せやねん」
なんてすっかり騙されとる。
侑は俺なんやけどなー。
ほんで終いには廊下を歩いている時に初めて話す女子生徒に引き留められた。
「宮君、ちょっと話したいことがあるんだけど……」
そう言われて中庭に付いて行ってみると、
「宮君……これ本命です!良かったら貰ってください!」
宮治君へと書かれた手紙が添えられた袋を差し出された。
あー、この子もサムと俺を
“宮君”呼びやったからワンチャン俺だと分かってのことやと思っとったのに。
おもんな。
せやけど断るのも可哀想やし、サムの代わりに
俺って優しい。
「おおきに」
ついでにニッコリスマイルでも振りまいて。
我ながらきっしょい思考や。
好きでもない子のチョコを
名前も知らへん女子生徒は満足したんか、ペコリとお辞儀をして去っていった。
「これ、届けるか」
せやけど、今からサムの教室に寄ると授業に間に合わなさそうやったから、次の休み時間に持っていくことにした。
ーーーー
授業が終わり、早速サムの教室へと向かった。
「サムおる〜」
「なんやツム」
気怠げに俺の方を向いてきたサムの机には大量のチョコが入っとるであろう手提げ袋が掛かっとった。
あーあ、おもんな。
これだけチョコを
そう思いながらも俺もこのチョコいらんし。
少し前なら考えられへんかった。
誰でもええからチョコをくれとアピールをしとった自分に。
これも全て●●ちゃんのことを本気で惚れてもうたから。
最初は遊び感覚で口説いとっただけやのに、いつの間にか……。
「おいツム」
●●ちゃんには俺たちのことを見分けて欲しい。
「ツム!」
そう言えば、チョコくれるって約束したけど、いつ持ってきてくれるんやろう。
「聞ぃてんのか!」
「ああ、すまん。考え事しとった」
「ったく……しっかりせぇよ。ほんで、その袋はなんなん?」
「せやせや」
俺は予定通りチョコの入った袋を渡すことにした。
「このチョコ、サム宛やったけど、俺が変わりに受け取っておいた」
「誰から?」
「名前
「アホか!困るん俺やねんで?!」
「そない怒んなや。ほらよ。俺いらんし」
差し出したけど一向に受け取らへんサム。
なんでや。
「……ツム、俺よりも彼女のことはええんか?」
「あ?」
サムが教室の外を指差すから視線を移すと、見覚えのある後ろ姿が教室から離れていくところやった。
あれは●●ちゃん……。
もしかして、なにか勘違いされたんじゃ。
俺の勘がそう
「はよ追いかけな」
「言われんでも行くわ!」
慌てて追いかけたせいで、サムに渡す予定やったチョコの入った袋を握りしめたまま彼女を追いかけた。
俺の気持ちをちゃんと話すから。
せやから●●ちゃん、逃げんといて。
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