欲張りなキミに乾杯
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今日は2月14日。
そう、バレンタインデー当日。
先日、侑への気持ちを自覚し始めた私は、恥ずかしながら本命のチョコを用意した。
友達に渡す友チョコよりも気合の入った手作りチョコ。
それを可愛くラッピングして、鞄に忍ばせて登校した。
サプライズも兼ねて渡したいから、あえて待ち合わせや呼び出しはしない。
侑、喜んでくれるといいな。
ーーーー
休み時間になり、早速2年生の教室のある階へ向かうことにした。
その途中で窓から見える中庭にお目当ての人物を見つけた。
だけど、その姿は何故か治君の髪型をしていた。
イメチェン……?
髪型は違うけど侑だよね?
「あつ……っ!」
窓を開けて侑に呼びかけようとしたとき、彼の向かいにいる女子生徒の存在に気が付いた。
スリッパの色からして侑と同じ2年生。
ひょっとしなくともこれは……。
「宮君……これ本命です!良かったら貰ってください!」
やはり告白の現場。
侑はどうするのだろう。
チョコが欲しいとアピールしていたくらいだから受け取るんだろうか。
だけど、私のことを口説くとも言っていたし、やたら無闇に受け取るなんてこと……。
「おおきに」
そんな私の期待を侑は見事に裏切った。
侑は女子生徒が差し出したチョコの袋を笑顔で受け取ったのだ。
ああ、結局本命が貰えるなら誰でもいいのか。
そう言えば、私にも言っていたもんね、せっかくなら気持ちも添えてって。
添えさせるために口説いていたんだもんね。
思い返せば、侑から口説くとは言われていたけれど、好きだとは言われていない。
危うく騙されるところだった。
自覚し始めた程度ならまだ引き返せる。
完全に本気になる前でよかった。
うん……本気になんてなっていない。
そのはずなのに、私の目からは涙が流れ落ちていた。
あーあ、見たくない現場を見てしまった。
「このチョコ、どうしよう」
当てつけに治君に渡してやろうか。
ひとまずこんな顔では誰にも会えないし、いつもお昼を食べている屋上前の踊り場で授業をサボることにした。
幸い、誰ともすれ違わなかった。
泣き顔見られずに済んだ。
床に座り込むと、相変わらず冷たい。
「ブランケット、また忘れちゃった……」
その冷たさが今は侑が私に対する気持ちのように思えた。
そう、バレンタインデー当日。
先日、侑への気持ちを自覚し始めた私は、恥ずかしながら本命のチョコを用意した。
友達に渡す友チョコよりも気合の入った手作りチョコ。
それを可愛くラッピングして、鞄に忍ばせて登校した。
サプライズも兼ねて渡したいから、あえて待ち合わせや呼び出しはしない。
侑、喜んでくれるといいな。
ーーーー
休み時間になり、早速2年生の教室のある階へ向かうことにした。
その途中で窓から見える中庭にお目当ての人物を見つけた。
だけど、その姿は何故か治君の髪型をしていた。
イメチェン……?
髪型は違うけど侑だよね?
「あつ……っ!」
窓を開けて侑に呼びかけようとしたとき、彼の向かいにいる女子生徒の存在に気が付いた。
スリッパの色からして侑と同じ2年生。
ひょっとしなくともこれは……。
「宮君……これ本命です!良かったら貰ってください!」
やはり告白の現場。
侑はどうするのだろう。
チョコが欲しいとアピールしていたくらいだから受け取るんだろうか。
だけど、私のことを口説くとも言っていたし、やたら無闇に受け取るなんてこと……。
「おおきに」
そんな私の期待を侑は見事に裏切った。
侑は女子生徒が差し出したチョコの袋を笑顔で受け取ったのだ。
ああ、結局本命が貰えるなら誰でもいいのか。
そう言えば、私にも言っていたもんね、せっかくなら気持ちも添えてって。
添えさせるために口説いていたんだもんね。
思い返せば、侑から口説くとは言われていたけれど、好きだとは言われていない。
危うく騙されるところだった。
自覚し始めた程度ならまだ引き返せる。
完全に本気になる前でよかった。
うん……本気になんてなっていない。
そのはずなのに、私の目からは涙が流れ落ちていた。
あーあ、見たくない現場を見てしまった。
「このチョコ、どうしよう」
当てつけに治君に渡してやろうか。
ひとまずこんな顔では誰にも会えないし、いつもお昼を食べている屋上前の踊り場で授業をサボることにした。
幸い、誰ともすれ違わなかった。
泣き顔見られずに済んだ。
床に座り込むと、相変わらず冷たい。
「ブランケット、また忘れちゃった……」
その冷たさが今は侑が私に対する気持ちのように思えた。