欲張りなキミに乾杯
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
あれから自動車学校の帰りだとか、部活の入れ替わりで侑とすれ違わないか密かに期待をしていたけれど、世の中そう上手くはいかず、あれ以来会うことなく新年を迎えようとしていた。
別にどうしても会いたいわけでもないしね。
そんな言い訳を誰にするでもなく、元旦の朝は活動する気力もなく、リビングのこたつに潜りながらSNSを見ていた。
友達が楽しそうに初詣の写真をあげている。
少しだけ羨ましい。
「初詣か……」
「掃除の邪魔だからアンタも初詣に行ったら?」
私の独り言を聞いた母が掃除機をかけながら近付いてきた。
「えー寒いし、受験終わったから願掛けすることもないよ」
そうだよ、今更何をお願いしろと言うのか。
彼氏でもできますようにって?
いや、ないない。
「何言ってるのよ。初詣は神様に昨年はありがとうございましたって感謝を伝える行事なのよ」
「へー知らなかった」
「だから、ほら行った行った!」
強制的にコタツから引きづり出され、渋々神社に向かうことにした。
「行ってきまーす」
外へ出てハーッと息を吐くと、白い息が出た。
「寒っ」
そりゃあ息も白くなる。
さっさと行ってとっとと帰ろう。
歩き始めて程なくすると神社の鳥居が見えてきた。
遠目からでも分かる人だかり。
普段はほとんど人がいないのに……。
仕方がないけど並ぶか。
列はゆっくりと進んでいく。
参拝の順番待ちをしていると、スマホが1件のメッセージを受信した。
開いてみると“宮侑”の文字が。
“●●ちゃん、あけおめ!今年もよろしゅうな!おみくじ大吉やったから写真送ります”
メッセージに添えられていた画像には“大吉”と書かれたおみくじを持った満面の笑みの侑が写っていた。
「ふっ」
画像を見ただけでも伝わってくるそのはしゃぎ様に、思わず笑ってしまった。
私もおみくじを引こうかな。
でも大吉以外だと侑に馬鹿にされそうだし、やっぱり止めた。
そうこうしているうちに参拝の順番が来た。
お賽銭を入れて、二礼二拍手。
えーっと、昨年はお世話になりました。
今年もよろしくお願いします。
あと……。
お母さんには神様に感謝しろって言われたけれど、少しだけ欲を言ってもいいかな。
確か男子バレー部は1月に春高の大会があるって言っていたから、稲荷崎高校が……侑が良い結果を残せますように。
これでよし。
最後に一礼をして神社を後にした。
最初は億劫だった初詣も、一仕事終えた清々しい気分に思えた。
なんだか良い新年が切り出せそう。
別にどうしても会いたいわけでもないしね。
そんな言い訳を誰にするでもなく、元旦の朝は活動する気力もなく、リビングのこたつに潜りながらSNSを見ていた。
友達が楽しそうに初詣の写真をあげている。
少しだけ羨ましい。
「初詣か……」
「掃除の邪魔だからアンタも初詣に行ったら?」
私の独り言を聞いた母が掃除機をかけながら近付いてきた。
「えー寒いし、受験終わったから願掛けすることもないよ」
そうだよ、今更何をお願いしろと言うのか。
彼氏でもできますようにって?
いや、ないない。
「何言ってるのよ。初詣は神様に昨年はありがとうございましたって感謝を伝える行事なのよ」
「へー知らなかった」
「だから、ほら行った行った!」
強制的にコタツから引きづり出され、渋々神社に向かうことにした。
「行ってきまーす」
外へ出てハーッと息を吐くと、白い息が出た。
「寒っ」
そりゃあ息も白くなる。
さっさと行ってとっとと帰ろう。
歩き始めて程なくすると神社の鳥居が見えてきた。
遠目からでも分かる人だかり。
普段はほとんど人がいないのに……。
仕方がないけど並ぶか。
列はゆっくりと進んでいく。
参拝の順番待ちをしていると、スマホが1件のメッセージを受信した。
開いてみると“宮侑”の文字が。
“●●ちゃん、あけおめ!今年もよろしゅうな!おみくじ大吉やったから写真送ります”
メッセージに添えられていた画像には“大吉”と書かれたおみくじを持った満面の笑みの侑が写っていた。
「ふっ」
画像を見ただけでも伝わってくるそのはしゃぎ様に、思わず笑ってしまった。
私もおみくじを引こうかな。
でも大吉以外だと侑に馬鹿にされそうだし、やっぱり止めた。
そうこうしているうちに参拝の順番が来た。
お賽銭を入れて、二礼二拍手。
えーっと、昨年はお世話になりました。
今年もよろしくお願いします。
あと……。
お母さんには神様に感謝しろって言われたけれど、少しだけ欲を言ってもいいかな。
確か男子バレー部は1月に春高の大会があるって言っていたから、稲荷崎高校が……侑が良い結果を残せますように。
これでよし。
最後に一礼をして神社を後にした。
最初は億劫だった初詣も、一仕事終えた清々しい気分に思えた。
なんだか良い新年が切り出せそう。