欲張りなキミに乾杯
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日曜日の朝。
学校は休みだけれどセットした目覚ましのけたたましい音によって目が覚めた。
「んっ……」
休みの日に早く起きる訳とは、今日は部活に参加しようと思っているから。
だけど、現役の後輩とウォーミングアップや筋トレから始めるのはしんどい。
だからそれらが終わった休憩時間を狙って行こうかな。
そうと決まれば二度寝だ。
目覚ましをセットし直し、布団に潜った。
ーーーー
再び目が覚めた頃には、部活が終わるまで1時間を切っていた。
「やっちゃった……」
今日は止めておくか?
いや、でも行くって言っちゃったし……。
覚悟を決めて布団から出ると、身震いがした。
「寒っ」
布団に戻りたい思いを押し殺し、急いで支度を済ませた。
学校へ行く途中、差し入れを買うためにコンビニへ立ち寄った。
何が良いだろうか。
疲れているだろうから、やっぱり甘い物かな。
チョコの入ったバラエティパックを2袋レジへ持って行き会計を済ませた。
体育館に着くと外からでもバタバタと足音が聞こえる。
まだ練習をしているようで良かった。
「こんにちは〜」
ガラガラと重い扉を開けながら挨拶をすると、練習をしていた後輩たちが手を止めて、こちらへ視線を向けた。
「あ、●●先輩!来ないのかと思いました」
「●●先輩だ〜!お久しぶりです」
軽く後輩に手を振ってから顧問にも挨拶をした。
「先生、こんにちは」
「◯◯か。元気そうだな」
「おかげさまで。あ、これ差し入れです。大したものじゃないですけど」
「ありがとう。みんな、一度集合してー!◯◯が差し入れ持ってきてくれたぞ」
顧問の呼び掛けによって後輩たちは練習の手を止めてぞろぞろと集まってきた。
「たくさんあるから適当に取っていってね」
「ありがとうございます!」
「うわ〜、チョコだ!」
「やったあー!」
みんな喜びながら差し入れのお菓子を受け取ってくれた。
そして、休憩も束の間、食べ終わると速やかに練習へと戻っていった。
もう少しゆっくり休めばいいのに。
そんなこと思いながら練習を再開する後輩たちをぼーっと眺めた。
当初の予定では練習に参加するつもりだったけれど、時間も時間だし結局最後まで見学して終わった。
「お疲れ様でした」
「はい、片付け始めて〜」
「モップ、モップ!」
新部長のミノリちゃんの様になった指示によって手際よく片付けを始める後輩たち。
練習の時から思っていたけれど、もうすっかり新チームに慣れつつあるのかと思うと、少し寂しさを覚えた。
そんな気持ちを紛らわすために、私も何か片付けの手伝いをしようかな。
辺りを見渡すと差し入れのゴミが散らばっていた。
ゴミを拾いつつ、残ったお菓子の袋を持ち上げると、未開封のお菓子が結構余っている。
みんな遠慮して食べなかったのかな。
後で配ろう。
そう思っていると、後半の部活の生徒が体育館の入り口に集まっていた。
急がないと。
すると、聞き慣れた声が私の名前を呼んだ。
「●●ちゃん、なんでいるん?」
「侑……」
そうか、後半は男子バレー部が体育館を使うのか。
「差し入れ持って行きがてら部活見に来たの」
本当は練習に参加する予定でいたけれど、二度寝したせいで見学だけになった、とまでは言わなかった。
「あ、そうだ。余った差し入れいる?」
私は手に持っていたお菓子の袋を見せた。
「本当 ?嬉しい!」
真っ先に袋に手を突っ込む侑に対して、戸惑っている様子の他の部員。
「ほら、後ろにいる子たちもどうぞ」
「ありがとうございます。いただきます」
取りに来た中に侑そっくりな子がいた。
「君、侑の兄弟?」
「え、あ、はい。俺ら双子なんです」
そう言えば、彼も侑と一緒に表彰されていたっけ。
基本朝礼なんて上の空だから、誰が表彰されているかなんて、覚えていない。
それにしても、双子の割に侑よりどこか大人しそうに見えた。
そりゃあ見た目はそっくりでも、中身は違うよね。
1人納得していると、
「サムって言うんや。そっくりやろ〜!」
侑が双子の片割れの肩に腕を置いた。
「重たい、乗せんなや」
「少しくらいええやろ!」
「良ぉないわ」
これは軽口から喧嘩に発展しそうな流れだ。
止めた方がいいよね。
「ほらほらストーップ!これでも食べて落ち着いて!」
私は2人にチョコを無理やり渡した。
「喧嘩やめないと侑のバレンタインはこれになるけど良い?」
「ええわけあるかーい!」
「あははっ」
見事な突っ込みに思わず笑ってしまった。
侑たちと戯れている間に片付けが終わったようで、私も帰ることにした。
「じゃあ、私は帰るから。練習頑張ってね」
「なんや、見てってくれへんの?」
「え〜嫌だよ。他に見学している人いないし、私浮くじゃん」
男子バレー部の3年生は春高まで残っているらしいけれど、だとしても嫌なものは嫌。
「そないなこと言 うたら、いつ俺の格好ええ姿見せるときが来るんや」
「部活以外で格好良い姿を見せてよ。それじゃあ」
「あっ、待ってぇや!」
後ろで侑は何か言っていたけれど、私は振り向くことなく体育館を後にした。
学校は休みだけれどセットした目覚ましのけたたましい音によって目が覚めた。
「んっ……」
休みの日に早く起きる訳とは、今日は部活に参加しようと思っているから。
だけど、現役の後輩とウォーミングアップや筋トレから始めるのはしんどい。
だからそれらが終わった休憩時間を狙って行こうかな。
そうと決まれば二度寝だ。
目覚ましをセットし直し、布団に潜った。
ーーーー
再び目が覚めた頃には、部活が終わるまで1時間を切っていた。
「やっちゃった……」
今日は止めておくか?
いや、でも行くって言っちゃったし……。
覚悟を決めて布団から出ると、身震いがした。
「寒っ」
布団に戻りたい思いを押し殺し、急いで支度を済ませた。
学校へ行く途中、差し入れを買うためにコンビニへ立ち寄った。
何が良いだろうか。
疲れているだろうから、やっぱり甘い物かな。
チョコの入ったバラエティパックを2袋レジへ持って行き会計を済ませた。
体育館に着くと外からでもバタバタと足音が聞こえる。
まだ練習をしているようで良かった。
「こんにちは〜」
ガラガラと重い扉を開けながら挨拶をすると、練習をしていた後輩たちが手を止めて、こちらへ視線を向けた。
「あ、●●先輩!来ないのかと思いました」
「●●先輩だ〜!お久しぶりです」
軽く後輩に手を振ってから顧問にも挨拶をした。
「先生、こんにちは」
「◯◯か。元気そうだな」
「おかげさまで。あ、これ差し入れです。大したものじゃないですけど」
「ありがとう。みんな、一度集合してー!◯◯が差し入れ持ってきてくれたぞ」
顧問の呼び掛けによって後輩たちは練習の手を止めてぞろぞろと集まってきた。
「たくさんあるから適当に取っていってね」
「ありがとうございます!」
「うわ〜、チョコだ!」
「やったあー!」
みんな喜びながら差し入れのお菓子を受け取ってくれた。
そして、休憩も束の間、食べ終わると速やかに練習へと戻っていった。
もう少しゆっくり休めばいいのに。
そんなこと思いながら練習を再開する後輩たちをぼーっと眺めた。
当初の予定では練習に参加するつもりだったけれど、時間も時間だし結局最後まで見学して終わった。
「お疲れ様でした」
「はい、片付け始めて〜」
「モップ、モップ!」
新部長のミノリちゃんの様になった指示によって手際よく片付けを始める後輩たち。
練習の時から思っていたけれど、もうすっかり新チームに慣れつつあるのかと思うと、少し寂しさを覚えた。
そんな気持ちを紛らわすために、私も何か片付けの手伝いをしようかな。
辺りを見渡すと差し入れのゴミが散らばっていた。
ゴミを拾いつつ、残ったお菓子の袋を持ち上げると、未開封のお菓子が結構余っている。
みんな遠慮して食べなかったのかな。
後で配ろう。
そう思っていると、後半の部活の生徒が体育館の入り口に集まっていた。
急がないと。
すると、聞き慣れた声が私の名前を呼んだ。
「●●ちゃん、なんでいるん?」
「侑……」
そうか、後半は男子バレー部が体育館を使うのか。
「差し入れ持って行きがてら部活見に来たの」
本当は練習に参加する予定でいたけれど、二度寝したせいで見学だけになった、とまでは言わなかった。
「あ、そうだ。余った差し入れいる?」
私は手に持っていたお菓子の袋を見せた。
「
真っ先に袋に手を突っ込む侑に対して、戸惑っている様子の他の部員。
「ほら、後ろにいる子たちもどうぞ」
「ありがとうございます。いただきます」
取りに来た中に侑そっくりな子がいた。
「君、侑の兄弟?」
「え、あ、はい。俺ら双子なんです」
そう言えば、彼も侑と一緒に表彰されていたっけ。
基本朝礼なんて上の空だから、誰が表彰されているかなんて、覚えていない。
それにしても、双子の割に侑よりどこか大人しそうに見えた。
そりゃあ見た目はそっくりでも、中身は違うよね。
1人納得していると、
「サムって言うんや。そっくりやろ〜!」
侑が双子の片割れの肩に腕を置いた。
「重たい、乗せんなや」
「少しくらいええやろ!」
「良ぉないわ」
これは軽口から喧嘩に発展しそうな流れだ。
止めた方がいいよね。
「ほらほらストーップ!これでも食べて落ち着いて!」
私は2人にチョコを無理やり渡した。
「喧嘩やめないと侑のバレンタインはこれになるけど良い?」
「ええわけあるかーい!」
「あははっ」
見事な突っ込みに思わず笑ってしまった。
侑たちと戯れている間に片付けが終わったようで、私も帰ることにした。
「じゃあ、私は帰るから。練習頑張ってね」
「なんや、見てってくれへんの?」
「え〜嫌だよ。他に見学している人いないし、私浮くじゃん」
男子バレー部の3年生は春高まで残っているらしいけれど、だとしても嫌なものは嫌。
「そないなこと
「部活以外で格好良い姿を見せてよ。それじゃあ」
「あっ、待ってぇや!」
後ろで侑は何か言っていたけれど、私は振り向くことなく体育館を後にした。