欲張りなキミに乾杯
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授業が終わり、居残り勉強をする生徒がいる中、私は帰り支度を済ませて昇降口へと向かった。
すると、
「あっ……」
今日のお昼に会ったばかりの宮侑とばったり会った。
部活へ行く途中だろうか。
彼は友達に先に行くよう促してから私に近づいて来た。
「昼間のチョコか気持ちの人やんな?」
「チョコか気持ちの人って……」
間違ってはいないけれど、その呼ばれ方はちょっと……いや、かなり嫌だ。
「●●。私の名前。●●先輩でも●●さんでも好きに呼んで」
「ほな●●ちゃん、で」
「●●ちゃん?」
私が用意した選択肢以外を選んできた。
友達かよ。
眉間にシワを寄せていたからか、宮侑は理由を話してきた。
「部活の先輩ですら“さん”呼びやから、先輩呼びはむず痒いんや」
それなら私も“さん”呼びでいいのでは?と思いつつも、この際何でもいいや。
「まあ、いいけど」
「あ、俺の名前は……!」
「宮侑でしょ。知ってる」
宮侑の声に食い気味に答えた。
最初から知っていますよ、の雰囲気を出したけれど、正確にはミノリちゃんから彼の苗字を聞いて下の名前も思い出した。
それなのに、
「3年の間でも知られてるん?俺って有名〜」
なんて上機嫌だった。
単純な人だ。
「ところで宮侑は……」
「ってなんでフルネーム呼びなん?!」
「なんでって言われても……」
「気軽にツムって呼んでくださいよ!皆そう呼ぶんで!」
「なら、侑」
なんでやねーん!と突っ込みをされつつも、私は話を続けた。
「チョコ欲しいなら私もあげようか」
どうせ友達に作る予定だし、1人分増えたところで大差ない。
「本当 ですか?!」
「うん。気持ちまでは添えられないけど」
「えー!せっかくなら気持ちも添えてくださいよ!」
「バレンタインまでの2ヶ月の間に、私が侑のことを好きになったら添えられるかもしれないね」
まずあり得ない。
人はそう簡単に人を好きにならないから。
「ほな俺、本気で●●ちゃんを口説きますんで」
「あはは、頑張ってねー」
冗談のくせに、調子のいいことを言って。
こんなのを真に受ける人がいたら不憫だ。
私は聞き流すように棒読みで返事をした。
「うわっ、信じてへん!」
「それより、部活に行かなくていいの?」
「あ、そうやった!●●ちゃん、俺本気だから!またね!」
そう言い捨てると、侑は体育館の方へと走っていった。
「本気……か……」
どうせ直ぐに飽きるに決まっている。
侑を見届けると、私も靴を履き替えて帰路へとついた。
すると、
「あっ……」
今日のお昼に会ったばかりの宮侑とばったり会った。
部活へ行く途中だろうか。
彼は友達に先に行くよう促してから私に近づいて来た。
「昼間のチョコか気持ちの人やんな?」
「チョコか気持ちの人って……」
間違ってはいないけれど、その呼ばれ方はちょっと……いや、かなり嫌だ。
「●●。私の名前。●●先輩でも●●さんでも好きに呼んで」
「ほな●●ちゃん、で」
「●●ちゃん?」
私が用意した選択肢以外を選んできた。
友達かよ。
眉間にシワを寄せていたからか、宮侑は理由を話してきた。
「部活の先輩ですら“さん”呼びやから、先輩呼びはむず痒いんや」
それなら私も“さん”呼びでいいのでは?と思いつつも、この際何でもいいや。
「まあ、いいけど」
「あ、俺の名前は……!」
「宮侑でしょ。知ってる」
宮侑の声に食い気味に答えた。
最初から知っていますよ、の雰囲気を出したけれど、正確にはミノリちゃんから彼の苗字を聞いて下の名前も思い出した。
それなのに、
「3年の間でも知られてるん?俺って有名〜」
なんて上機嫌だった。
単純な人だ。
「ところで宮侑は……」
「ってなんでフルネーム呼びなん?!」
「なんでって言われても……」
「気軽にツムって呼んでくださいよ!皆そう呼ぶんで!」
「なら、侑」
なんでやねーん!と突っ込みをされつつも、私は話を続けた。
「チョコ欲しいなら私もあげようか」
どうせ友達に作る予定だし、1人分増えたところで大差ない。
「
「うん。気持ちまでは添えられないけど」
「えー!せっかくなら気持ちも添えてくださいよ!」
「バレンタインまでの2ヶ月の間に、私が侑のことを好きになったら添えられるかもしれないね」
まずあり得ない。
人はそう簡単に人を好きにならないから。
「ほな俺、本気で●●ちゃんを口説きますんで」
「あはは、頑張ってねー」
冗談のくせに、調子のいいことを言って。
こんなのを真に受ける人がいたら不憫だ。
私は聞き流すように棒読みで返事をした。
「うわっ、信じてへん!」
「それより、部活に行かなくていいの?」
「あ、そうやった!●●ちゃん、俺本気だから!またね!」
そう言い捨てると、侑は体育館の方へと走っていった。
「本気……か……」
どうせ直ぐに飽きるに決まっている。
侑を見届けると、私も靴を履き替えて帰路へとついた。