一人っ子ですが何か
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~一人っ子ですが何か~
春に伊達工業高校に入学した私には同じく伊達高校に二つ上の兄がいる。
兄とは昔から一緒に物作りをしていて、兄に憧れて同じ高校を選んだ。
けれど、そんな理由が恥ずかしくて言えず。
兄には兄妹だと言うのを内緒にしてもらっている。
幸いよくある名字だし顔も似ていないため、初見で兄妹だとは思われない。
そんな中、唯一兄妹だと知っているのはお付き合いをしている二口先輩だけ。
ーーーー
「今日、●●の兄貴とすれ違ったけど、本当に似てないのな」
「でしょ?」
二人で帰るときだけ兄妹だと言う話をするが、それ以外のときは本当に内緒にしてくれている。
「学校は慣れたか?」
「物作りは楽しいんだけど、座学は苦手」
「赤点取ると夏休みに遊べなくなるから、頑張れよな」
「そう思うなら勉強教えてよー!」
「俺は部活があるからなー」
二口先輩が所属する男子バレー部は“鉄壁”と呼ばれる強豪校の一つ。
そして三年生が引退した今、新主将を勤めるのが二口先輩。
疲れているはずなのに、私の一緒に帰りたいと言うわがままを“普段構えないから、これくらいは”と言って叶えてくれる。
「そうだ、家で兄貴に教えて貰えばいいんじゃねぇか?」
「え~」
「喜ぶと思うけどな」
学校では冷たく接しているから、二口先輩の言うとおり、きっとお願いをしたら喜ぶと思う。
だけど、
「私は二口先輩がいいのー!」
「ははは、ありがとな」
こうして二口先輩と他愛のない話をしているときが一番幸せ。
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