お昼ご飯を速やかに済ませ、休んだ分の実技の補習をすべく、実技室へ向かった。

二口はどこへ呼び出しされたのだろうか。
体育館裏か、中庭か……。

実技室の扉を開けようとしたら、隣の空き教室から男女の話し声が聞こえてきた。


「用があるなら早く話してくれない？」


二口の声だ。と、言うことは……。


「あの、私、二口先輩のことが……好きです！」


その続きを聞きたくなくて、私は慌てて実技室の扉を開けた。


「どうした、そんな慌てて」


すると、既に待っていた先生に驚かれてしまった。


「な、なんでもないですよ！」


その後の補習は余り記憶にないが、どうにかクリアできたようだ。

教室に戻ると一番最初に二口が話しかけてくれた。
戻ってきていたんだ。


「脱け殻みたいだぞ。そんなに補習難しかったのか？」

「あー、うん、そんなところ」


二口のことで気になっているのに、等の本人は何事もなかったかのように話しかけてくる。
そもそも、あんなところで告白しないでよね。
二口も私が補習あるって知っていたのに、わざと聞かせてきたのか。

返事、OKしたのかな？
最後まで聞かず、逃げるように実技室へ入ったから答えは分からずじまい。

授業後に補習の続きがあるから、ついでに二口が部活終わるの待っていようかな。
そこで聞くんだ。