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1日の終わりを告げるチャイムの音が、実習室に鳴り響く。
「……はぁ」
思わずため息が漏れる。
室内には、はんだごての熱気がこもり、独特の金属質な匂いが漂っていた。
「はい、今日の授業はここまで!次回提出だからな。終わってないやつは居残りでも何でもして急げよー」
教壇で先生が、片付けを促しながら軽快に告げる。
その声が、今の私には宣告のように響いた。
「おっしゃ、ラーメン行こうぜ!」
「俺、今日バイトだわ」
「えー!付き合い悪りーな」
周りの男子たちが賑やかに片付けを始める中、私は動けずにいた。
手元にあるのは、配線がぐちゃぐちゃに絡まり、電池を入れてもピクリとも動かない自作ロボット。
ふと隣を通り過ぎていくクラスメイトの作品が目に入る。
無駄のない配線、洗練されたフォルム。
それに比べて私のは……。
じわじわと込み上げる惨めさに、私は反射的に、自分の手元を隠すように覆い隠した。
「……今から簡単な設計に作り直すか、それとも、居残りして意地で動かすか……」
こめかみを押さえて唸っていると、意地の悪い笑い声が近付いてきた。
「俺に頭を下げて手伝ってもらう、ってのはどうだ?」
視線を上げると、二口が作業台に腰掛け、ニヤニヤしながらこちらを見下ろしていた。
「えー……」
「躊躇してる場合じゃなくね?◯◯、進学するなら俺より成績重要だろ?」
図星だった。
挑発的な視線が、私の焦りを見透かしている。
「……屈辱的すぎる」
悔しいが、この男の技術力は、性格の悪さに反比例して異常に高い。
私を1時間も悩ませているこの配線を、彼は鼻歌交じりに数分で解いてしまうだろう。
「……分かった。……やって」
「あ?なんて?小さくて聞こえなかったなあー」
あからさまに聞こえたはずなのに、二口はとぼけた口調で耳に手を立てた。
「くっ……お願いします!手伝ってください!」
「素直でよろしい」
私が渋々、椅子を引いて横に退くと、彼は待ってましたと言わんばかりに身を乗り出した。
「そういえば、部活は?私が言うのもなんだけど、こんなことしてていいの?」
ふと思い出したように私が尋ねると、彼は私の手から躊躇なく工具を奪い取り、不敵な笑みを浮かべた。
「こんなの、すぐに終わる」
言い切ると同時に、迷いのない手つきで電子回路を組み替え始めた。
手際の良い動きで、みるみるうちに回路が整理されていく。
その横顔は、癪に障るほど様になっていて、悔しいけれど、ほんの一瞬だけ格好良いと思ってしまった自分に、私は強く唇を噛んだ。
そうとも知らず、二口のご機嫌な鼻歌だけが、静かな実習室によく響いた。
「……はぁ」
思わずため息が漏れる。
室内には、はんだごての熱気がこもり、独特の金属質な匂いが漂っていた。
「はい、今日の授業はここまで!次回提出だからな。終わってないやつは居残りでも何でもして急げよー」
教壇で先生が、片付けを促しながら軽快に告げる。
その声が、今の私には宣告のように響いた。
「おっしゃ、ラーメン行こうぜ!」
「俺、今日バイトだわ」
「えー!付き合い悪りーな」
周りの男子たちが賑やかに片付けを始める中、私は動けずにいた。
手元にあるのは、配線がぐちゃぐちゃに絡まり、電池を入れてもピクリとも動かない自作ロボット。
ふと隣を通り過ぎていくクラスメイトの作品が目に入る。
無駄のない配線、洗練されたフォルム。
それに比べて私のは……。
じわじわと込み上げる惨めさに、私は反射的に、自分の手元を隠すように覆い隠した。
「……今から簡単な設計に作り直すか、それとも、居残りして意地で動かすか……」
こめかみを押さえて唸っていると、意地の悪い笑い声が近付いてきた。
「俺に頭を下げて手伝ってもらう、ってのはどうだ?」
視線を上げると、二口が作業台に腰掛け、ニヤニヤしながらこちらを見下ろしていた。
「えー……」
「躊躇してる場合じゃなくね?◯◯、進学するなら俺より成績重要だろ?」
図星だった。
挑発的な視線が、私の焦りを見透かしている。
「……屈辱的すぎる」
悔しいが、この男の技術力は、性格の悪さに反比例して異常に高い。
私を1時間も悩ませているこの配線を、彼は鼻歌交じりに数分で解いてしまうだろう。
「……分かった。……やって」
「あ?なんて?小さくて聞こえなかったなあー」
あからさまに聞こえたはずなのに、二口はとぼけた口調で耳に手を立てた。
「くっ……お願いします!手伝ってください!」
「素直でよろしい」
私が渋々、椅子を引いて横に退くと、彼は待ってましたと言わんばかりに身を乗り出した。
「そういえば、部活は?私が言うのもなんだけど、こんなことしてていいの?」
ふと思い出したように私が尋ねると、彼は私の手から躊躇なく工具を奪い取り、不敵な笑みを浮かべた。
「こんなの、すぐに終わる」
言い切ると同時に、迷いのない手つきで電子回路を組み替え始めた。
手際の良い動きで、みるみるうちに回路が整理されていく。
その横顔は、癪に障るほど様になっていて、悔しいけれど、ほんの一瞬だけ格好良いと思ってしまった自分に、私は強く唇を噛んだ。
そうとも知らず、二口のご機嫌な鼻歌だけが、静かな実習室によく響いた。
