幼馴染の境界線
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堅治のおかげで、なんとか出勤できるくらいには平静を保てるようになった。
「おはようございまーす」
挨拶をし、デスクに着く。
パソコンの電源を入れて早速メールのチェックをすると、休み明け特有の、溜まりに溜まった業務メールの数々。
億劫になる。
気合を入れるために、先ほど自販機で買った缶コーヒーのプルタブを空けると、
「◯◯さん、おはようございます。あの、聞きたいことがあるんですけど……」
出社早々に話しかけてきたのは、後輩の東雲さんだった。
彼女は私に近付き、軽く周りを見渡してからこそっと耳打ちをしてきた。
「ナオキと別れたんですか?」
仕事の話かと思いきや、まさかのプライベート。
ナオキとは東雲さんの紹介で知り合った。
隠しても、遅かれ早かれ彼女の耳に入るだろう。
私は観念して素直に認めた。
「うん、最近ね」
「やっぱりそうでしたか。最近ナオキが若い女性と親密そうに一緒にいたところを見たので……」
「そっか……」
理由を告げずに出ていったと思ったら、すでに後釜を用意していたとは。
やっぱり私みたいな年上より、若い子の方がいいんだ。
私は年齢差なんて気にしていなかったけれど、それは年上側の言い分。
「話ってそれだけ?」
「あ、はい。すみません仕事中に私情を挟んでしまって」
東雲さんは顔を曇らせ、申し訳なさそうにしている。
「いいよ。ほら、アナタも業務に戻って」
東雲さんは気まずそうに仕事へと戻った。
その姿を見届けた後、私も仕事に戻ろうとパソコンに目をやる。
だけど、一度ナオキのことが頭に過ってしまったせいで、仕事に集中できなくなってしまった。
そもそもナオキのどこがよくて付き合ったんだっけ……。
ーーーー
今から2年以上も前。
東雲さんから「会ってほしい男友達がいる」と紹介されたのが、ナオキだった。
なんでも、年下の彼女にこっ酷く振られたばかりで、「次に付き合うなら年上が良い」と話していたらしい。
待ち合わせのカフェに入ると、東雲さんの姿はなく、代わりに傍から見てもガチガチに緊張している男性が1人、席で待っていた。
彼が東雲さんの言っていた男友達に違いない。
「ナオキ……さん?」
席に近付き、事前に聞いていた名前を呼ぶと、彼は勢いよく起立した。
「は、はじめまして!◯◯さん!」
声が裏返っていて可愛い。
「そんなに緊張しないで。こっちまで緊張しちゃうから。東雲さんからは色々と聞いているよ」
最初こそこんな出会い方だったけれど、素のナオキはとても人懐っこくて、無邪気で……。
その様子が、どことなく堅治を彷彿させた。
そんなナオキに告白されて、当時満更でもなかった私は、二つ返事で交際を始めた。
ーーーー
そう言えば、昨日堅治が言っていたっけ。
「そんなにソイツのこと好きなのか」って。
そんなの、好きだから付き合ったのに決まっている。
だけど、今改めて問い直されると、何故付き合ったのだろう。
告白されたから?
年下だから?
付き合っている人がいないタイミングだったから?
まあ、そんなこと今になってはどうでもいい。
私は缶コーヒーをグイッと口に運び、雑念を振り払うように勢いよく飲み干した。
「おはようございまーす」
挨拶をし、デスクに着く。
パソコンの電源を入れて早速メールのチェックをすると、休み明け特有の、溜まりに溜まった業務メールの数々。
億劫になる。
気合を入れるために、先ほど自販機で買った缶コーヒーのプルタブを空けると、
「◯◯さん、おはようございます。あの、聞きたいことがあるんですけど……」
出社早々に話しかけてきたのは、後輩の東雲さんだった。
彼女は私に近付き、軽く周りを見渡してからこそっと耳打ちをしてきた。
「ナオキと別れたんですか?」
仕事の話かと思いきや、まさかのプライベート。
ナオキとは東雲さんの紹介で知り合った。
隠しても、遅かれ早かれ彼女の耳に入るだろう。
私は観念して素直に認めた。
「うん、最近ね」
「やっぱりそうでしたか。最近ナオキが若い女性と親密そうに一緒にいたところを見たので……」
「そっか……」
理由を告げずに出ていったと思ったら、すでに後釜を用意していたとは。
やっぱり私みたいな年上より、若い子の方がいいんだ。
私は年齢差なんて気にしていなかったけれど、それは年上側の言い分。
「話ってそれだけ?」
「あ、はい。すみません仕事中に私情を挟んでしまって」
東雲さんは顔を曇らせ、申し訳なさそうにしている。
「いいよ。ほら、アナタも業務に戻って」
東雲さんは気まずそうに仕事へと戻った。
その姿を見届けた後、私も仕事に戻ろうとパソコンに目をやる。
だけど、一度ナオキのことが頭に過ってしまったせいで、仕事に集中できなくなってしまった。
そもそもナオキのどこがよくて付き合ったんだっけ……。
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今から2年以上も前。
東雲さんから「会ってほしい男友達がいる」と紹介されたのが、ナオキだった。
なんでも、年下の彼女にこっ酷く振られたばかりで、「次に付き合うなら年上が良い」と話していたらしい。
待ち合わせのカフェに入ると、東雲さんの姿はなく、代わりに傍から見てもガチガチに緊張している男性が1人、席で待っていた。
彼が東雲さんの言っていた男友達に違いない。
「ナオキ……さん?」
席に近付き、事前に聞いていた名前を呼ぶと、彼は勢いよく起立した。
「は、はじめまして!◯◯さん!」
声が裏返っていて可愛い。
「そんなに緊張しないで。こっちまで緊張しちゃうから。東雲さんからは色々と聞いているよ」
最初こそこんな出会い方だったけれど、素のナオキはとても人懐っこくて、無邪気で……。
その様子が、どことなく堅治を彷彿させた。
そんなナオキに告白されて、当時満更でもなかった私は、二つ返事で交際を始めた。
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そう言えば、昨日堅治が言っていたっけ。
「そんなにソイツのこと好きなのか」って。
そんなの、好きだから付き合ったのに決まっている。
だけど、今改めて問い直されると、何故付き合ったのだろう。
告白されたから?
年下だから?
付き合っている人がいないタイミングだったから?
まあ、そんなこと今になってはどうでもいい。
私は缶コーヒーをグイッと口に運び、雑念を振り払うように勢いよく飲み干した。
