好きな人は誰ですか
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~好きな人は誰ですか~
新学期早々、二口の様子が変だ。
ピンク色のオーラを纏っているように見える。
そう、恋をしてるってこと。
大方新入生の中に可愛い子でもいたのだろう。
付き合ったとかの話しは聞いていないけど、あの顔面とスタイルをお持ちの二口のことだから、付き合うのも時間の問題だろう。
二口の机の向かいで顔を半分だけ出してじーっと観察していると、
「……◯◯、さっきからなんだよ」
「恋の張り込み」
「は?意味分かんねぇ」
「おーい、二口」
二口と話しているところへクラスメイトの田中君が割り込んできた。
「今行く。◯◯もくだらないこと言ってないで、早く移動しろよ」
二口は田中君とさっさと次の授業の教室へ行ってしまった。
「あ、待ってよ!」
急いで教材の準備をし、私も二口の後を付いていく。
工業高校とは言え、女子生徒が全くいない訳ではないため、移動の間にも色んな子とすれ違う。
今すれ違った子か、それともあの子か。
もしかして、部活に新しくマネージャーが入った?
いや、青根からそんな話しは聞いていない。
あ、先輩って可能性もなきにしもあらず。
一体二口の気になっているお相手さんは誰なんだ。
「二口、◯◯に何かしたのか?さっきから視線が凄いんだけど」
「気にするな。通常運転だ」
聞こえてますけどー!
後で田中君にも探りを入れてみようかしら。
ーーーー
向かった移動教室は実技室。
今日の授業内容は電子基板へのはんだ付け。
私の苦手分野。
「あわわっ」
授業内容をちゃんと聞いているのに、何故か上手くいかない。
いや、理由なんて分かっている。
「温度高すぎ、金属溶かしすぎ、不器用過ぎ、髪長過ぎ」
そう、それ。
「って、二口?!」
自分の課題は終わったのか、ちょっかいをかけにきた二口に的確にダメ出しをされてしまった。だけど、
「後半は悪口では?」
髪が邪魔して視界が悪くなるから、いつもはヘアゴムをしている。
だけど、今日は途中でゴムが切れてダメになっちゃったからで………。
いや、言い訳はやめよう。
「余所見してると火傷するぞ」
「っ………!」
二口を睨み付けたいのに、注意をそらすと確かに危ない。
なんとかできたはんだ付けは、基板に余分な金属が付着しているわ、溶かしてはいけないパーツを溶かしているわで、補習が決定してしまった。
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