~第一章〜 “春”の芽生え
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高校生になって初めてのイベント、遠足。
自然の中でクラスや学年の親睦を深める目的でほどよい距離を歩く。
って聞いていたのに、中々の斜面の山を登らされている。
ほどよい距離とは。
服装だってオシャレどころか実習のときの作業服のつなぎ。
制服よりかは確かに動きやすいけども。
班決めも面倒臭がりな担任によって好きな子同士で組ませてもらえず、名簿を適当なところで区切った班。
もちろん二口と同じ班。
「はぁ……はぁ……」
「おい、◯◯!おせーぞ!」
「待ってよ!」
スパルタ過ぎやしないか。
他の女子2人には疲れていないか、だとか足元気を付けろとか気を遣っているのに。
ああ、そうですか。全ては私がブスだからか。
「◯◯、大丈夫か?」
「あ、うん。ありがとう」
「二口、◯◯だけ厳しいよな」
「あはは、本当だよ」
同じ班の男子が私に対しても気を遣ってくれるけど、別にちやほやされたい訳じゃない。
ただ、二口に差別をされたくないだけ。
ーーーー
「やっと着いたー!」
半日歩き続けて、ようやく登頂。
午後も同じ道を歩いて帰らないといけないと思うと億劫。景色を楽しむ余裕なんてない。
「誰かのせいで大分遅い登頂だけどな」
「はあ?」
嫌味たらしく言う二口。
競争をしているワケでもないのに、何でそんな言われ方をされないといけないのか。
私と二口の間で火花がバチバチしていると、
「おいそこー昼飯食ったら下山するから、しっかり休んでおけよー」
気だるげに仲裁に入った担任によって、その場は終わった。
班毎に固まってレジャーシートを広げ、昼食の準備を始めた。
男子のコンビニ飯と爆弾おにぎり率の高さ。
女子は可愛らしいお弁当。
私もいつも自分で作っている代わり映えのないお弁当を食べた。
「◯◯の弁当旨そうだな!」
「ありがとう!」
「そうかー?どれどれ」
「あ、ちょっと!」
私のお弁当を褒めた男子を疑うように、二口が私の卵焼きを奪った。
甘めの味付けの卵焼き。
二口は飲み込むと、
「俺はだし巻き玉子の方が好きだ」
なんてケチをつけてきた。
「あっそ。味覚が合わないね」
そう言いながら、私は残されたもう一つの卵焼きを頬張った。
「次はよろしく」
「は?」
なんで私が二口の好みの卵焼きを作らないといけないのか。
だけど、憎まれ口しか叩かない二口に美味しいって言わせたい気もしなくはない。
自然の中でクラスや学年の親睦を深める目的でほどよい距離を歩く。
って聞いていたのに、中々の斜面の山を登らされている。
ほどよい距離とは。
服装だってオシャレどころか実習のときの作業服のつなぎ。
制服よりかは確かに動きやすいけども。
班決めも面倒臭がりな担任によって好きな子同士で組ませてもらえず、名簿を適当なところで区切った班。
もちろん二口と同じ班。
「はぁ……はぁ……」
「おい、◯◯!おせーぞ!」
「待ってよ!」
スパルタ過ぎやしないか。
他の女子2人には疲れていないか、だとか足元気を付けろとか気を遣っているのに。
ああ、そうですか。全ては私がブスだからか。
「◯◯、大丈夫か?」
「あ、うん。ありがとう」
「二口、◯◯だけ厳しいよな」
「あはは、本当だよ」
同じ班の男子が私に対しても気を遣ってくれるけど、別にちやほやされたい訳じゃない。
ただ、二口に差別をされたくないだけ。
ーーーー
「やっと着いたー!」
半日歩き続けて、ようやく登頂。
午後も同じ道を歩いて帰らないといけないと思うと億劫。景色を楽しむ余裕なんてない。
「誰かのせいで大分遅い登頂だけどな」
「はあ?」
嫌味たらしく言う二口。
競争をしているワケでもないのに、何でそんな言われ方をされないといけないのか。
私と二口の間で火花がバチバチしていると、
「おいそこー昼飯食ったら下山するから、しっかり休んでおけよー」
気だるげに仲裁に入った担任によって、その場は終わった。
班毎に固まってレジャーシートを広げ、昼食の準備を始めた。
男子のコンビニ飯と爆弾おにぎり率の高さ。
女子は可愛らしいお弁当。
私もいつも自分で作っている代わり映えのないお弁当を食べた。
「◯◯の弁当旨そうだな!」
「ありがとう!」
「そうかー?どれどれ」
「あ、ちょっと!」
私のお弁当を褒めた男子を疑うように、二口が私の卵焼きを奪った。
甘めの味付けの卵焼き。
二口は飲み込むと、
「俺はだし巻き玉子の方が好きだ」
なんてケチをつけてきた。
「あっそ。味覚が合わないね」
そう言いながら、私は残されたもう一つの卵焼きを頬張った。
「次はよろしく」
「は?」
なんで私が二口の好みの卵焼きを作らないといけないのか。
だけど、憎まれ口しか叩かない二口に美味しいって言わせたい気もしなくはない。