〜第五章〜 “春”の訪れ
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そうこうしているうちに6月のインターハイ予選でバレー部の3年生が引退した。
それにともなって新部長になった二口はさらに忙しさに磨きがかかった。
もちろん本人からではなく、二口と同じクラスの友達から聞いた。
今の二口は部活が忙しくて恋愛どころじゃないかもしれない。
タイミングが悪かった。
そんなことを考えながら体育の授業を受けていたら、男子が投げたボールに思いっきり顔面をぶつけた。
「すまん、◯◯!大丈夫か!」
私にボールをぶつけてきた男子が駆け寄ってきた。
痛い、鼻血出てるわ。鼻曲がってないかな。
仰向けに倒れながらも頭はハッキリとしていた。
なんとか自力で起き上がる。
「保健室連れていく」
「いや、大丈夫。一人で行ける」
男子の好意を断り、一人で保健室に向かった。
袖で鼻血を拭いたせいで、パッと見は大惨事。
保健室の扉には会議のため不在の掛札がしてあった。
「失礼しま………うわあっ!」
誰もいないと思っていた保健室にはなんと二口がいた。
思わず変な声が出た。
「なんて声出すんだよ」
久しぶりに会った二口は前と変わらない態度で、クスクスと笑ってきた。
「久しぶり」
私は平常心アピールをしてから、棚から鼻栓を探した。
「てか、血やばくないか」
「ただの鼻血だから。二口はなんで保健室に?」
「溶接してたら火花が当たったから、念のために冷やしに来た」
そう言えば作業服を着ている二口。
1年生のときは散々見た二口の作業服姿。
最近では部活姿をこっそりしか見ていなかったから新鮮に感じた。
「◯◯も冷やした方がいいんじゃないか」
そういうと二口は鼻の付け根に自分が使っていたアイスを当ててきた。
「鼻、赤くなってるな」
「曲がってなければいいよ」
「曲がってる」
「え、嘘」
「嘘」
二口はニヤニヤしながら言ってきた。
本当にいい性格をしている。
でも、なんだか懐かしいやり取り。
「そう言えば最近私のクラスのマドカちゃんがバレー部の見学に行ってるみたいだけど」
「ん?あー鎌先さんと話してたやつか。なんかマネージャーに興味があるんだとよ。結局入ってないけど」
「そうか」
マネージャーか。バレーが好きだからじゃなくて二口との接点を増やすためかな。
「◯◯もたまに部活覗きに来てるだろ。何で中まで入ってこないんだよ」
まさかバレていたとは。
「邪魔かと思って」
「いるだけで邪魔なんて思わねぇよ。そんなことで集中力切れないし」
「それなら今度お邪魔する」
「おう、来いよ」
なんだか変な空気が流れた。
「あ、血止まったみたいだから、私もう行くね」
「お、おう。じゃあまた」
「うん、またね」
鼻は痛かったけど、二口と会えたし部活見学に行く約束もできて結果オーライ。
少しだけスキップをして授業に戻った。
それにともなって新部長になった二口はさらに忙しさに磨きがかかった。
もちろん本人からではなく、二口と同じクラスの友達から聞いた。
今の二口は部活が忙しくて恋愛どころじゃないかもしれない。
タイミングが悪かった。
そんなことを考えながら体育の授業を受けていたら、男子が投げたボールに思いっきり顔面をぶつけた。
「すまん、◯◯!大丈夫か!」
私にボールをぶつけてきた男子が駆け寄ってきた。
痛い、鼻血出てるわ。鼻曲がってないかな。
仰向けに倒れながらも頭はハッキリとしていた。
なんとか自力で起き上がる。
「保健室連れていく」
「いや、大丈夫。一人で行ける」
男子の好意を断り、一人で保健室に向かった。
袖で鼻血を拭いたせいで、パッと見は大惨事。
保健室の扉には会議のため不在の掛札がしてあった。
「失礼しま………うわあっ!」
誰もいないと思っていた保健室にはなんと二口がいた。
思わず変な声が出た。
「なんて声出すんだよ」
久しぶりに会った二口は前と変わらない態度で、クスクスと笑ってきた。
「久しぶり」
私は平常心アピールをしてから、棚から鼻栓を探した。
「てか、血やばくないか」
「ただの鼻血だから。二口はなんで保健室に?」
「溶接してたら火花が当たったから、念のために冷やしに来た」
そう言えば作業服を着ている二口。
1年生のときは散々見た二口の作業服姿。
最近では部活姿をこっそりしか見ていなかったから新鮮に感じた。
「◯◯も冷やした方がいいんじゃないか」
そういうと二口は鼻の付け根に自分が使っていたアイスを当ててきた。
「鼻、赤くなってるな」
「曲がってなければいいよ」
「曲がってる」
「え、嘘」
「嘘」
二口はニヤニヤしながら言ってきた。
本当にいい性格をしている。
でも、なんだか懐かしいやり取り。
「そう言えば最近私のクラスのマドカちゃんがバレー部の見学に行ってるみたいだけど」
「ん?あー鎌先さんと話してたやつか。なんかマネージャーに興味があるんだとよ。結局入ってないけど」
「そうか」
マネージャーか。バレーが好きだからじゃなくて二口との接点を増やすためかな。
「◯◯もたまに部活覗きに来てるだろ。何で中まで入ってこないんだよ」
まさかバレていたとは。
「邪魔かと思って」
「いるだけで邪魔なんて思わねぇよ。そんなことで集中力切れないし」
「それなら今度お邪魔する」
「おう、来いよ」
なんだか変な空気が流れた。
「あ、血止まったみたいだから、私もう行くね」
「お、おう。じゃあまた」
「うん、またね」
鼻は痛かったけど、二口と会えたし部活見学に行く約束もできて結果オーライ。
少しだけスキップをして授業に戻った。